表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

56/56

56 ネタのために、俺は未来を探り続ける。⑫

 どうもおはようございます。矢暮です。


 唐突ですが、今回でこのエッセイもどきを最終回にしたいと思います。


 いやあ、別に深い意味などあるわけじゃあないんですが、自分としての区切りを付けたくてそんな風にしたくなっちゃったんです。


 いつの間にかこの表題に対して二年近くも費やしてしまったんで、気分的にそうしたくなった次第であります。

 

 それに、本来の創作というものも純粋な意味でやりたいという考えもありましてね。さらに実は私生活でも区切りの場面を迎えているわけでしてね。

 ほら、あの震災から早五年が経過して、様々な意味で色々な経験あったわけだし、その周囲との考え方の違いであるとか、そういうのも良い意味でいい経験ができたんだな、と考えることもありーの、そういうなんというかエッセンスというのは、経験した者にしか分からないことだと思えるから、それを活かさないなんてさ、勿体ないじゃん?


 人間なんてさ、ただボーっと生きていたなら、ただそれだけの人間でしかなくなっちゃうんだよ?


 その人の魅力ってのは、やっぱり僕が思うに、その人の能力に上書きされた経験をいかに処理してきたかによるものだと思うんだよね。だからよくさ、青少年向けの創作上のキャラクターに、【体中が傷だらけでも筋骨たくましい感じの人】なんかが出てくるじゃない?

 やっぱさ、それってそれがその理想みたいなものなんだよね。

 そういうキャラクターを見て、大抵の人は無意識に、

「この人には敵わないなあ」

 って思うんだと思う。しかし、そういうことが大切なんだと思うよ。そういう届かないところに誰かがいる、って思うことが次に繋がるんだ。だって、届いちゃったと感じたらもうそれで終わりになっちゃうじゃないですか。

 

 ☆☆☆


 でさ。

 今回は前回に予告したとおりに、

『ネットがつまらなくなった理由と、普遍的な社会傾向』について書いてゆきたいと思います。


 まあ、あんまりクドクドと書くのは面倒くさいので、さらっと端的に書いちゃいますね。


 ☆☆☆


 ほら、前にも【性的な表現が主だった創作】ってのは風俗産業的であるとか書いたじゃないですか。僕はそれはそれでありだから、全く否定的ではないし、だからといってそればっかりではダメだとも思ってますし。

 直情的な欲求を満たすためだけなら、それはそれ。

 直情的な欲求は人間の永遠のテーマだから、逆にそれを利用して題材にして突っ込んで何か書いてみるってのもありだと思うんですね。なぜなら、その発進地点と経緯と終着点に個性が出ると思うからです。


 ☆☆☆


 この前、【その作品の特徴(うり)は何か?】って書いたじゃないですか。


 名作と言われるものの【特徴】って何かを考えると、それは【読者の想定内であるか、想定外であるか?】の違いであると思うんですよ。


 つまり、【設定が想定外である】とか、【経緯が想定外である】とか、【オチが想定外である】とか。


 それに関して考えれば、殆どの創作物の傾向が“想定内”で終わっている感じがするんですよね。


 ☆☆☆


 ほら、十年前ぐらいから【美少女が奇人】みたいな設定が流行ったじゃないですか。

 あれは、あの時点でまだ社会的に【想定外の設定】だったから良かったんだと思うんですよ。

 だけど、今更同じことをやっても【想定内どまり】。

 つまりそれは、ある意味二次創作の延長線上を辿っているだけになってしまう。


 だからよく【突き抜けた】という表現というのは、言い換えれば【想定外】というように認知されるということだと思うんですね。


 ☆☆☆


 そして、そこに至る経緯が安直であれば少年少女向けになるし、人生経験を活かした感じで描かれれば大人向けになるし。


 まあ、それのセオリーを大きく破ったのが【ガンダム】を始めとするあの手の作品であると考えられます。


 ☆☆☆


 僕らが子供の頃に観た創作物などは、その辺が分かり易くて、

「1+1=2」

 みたいに端的なんですね。

 だけどガンダムなんかは、それが微妙に「1+1=2」にならない。


 僕は小さい時分にそれがたまらなく好きで、ハマってしまった一人なんですけれども。


 それでね、これは本当に嘘偽りなく僕がその小学四年生ぐらいに、

「口惜しいけれど、今の自分がいくら頑張っても、こんなことは真似できないよ。きっとこれから色んな経験をしなきゃ書けないんだろうなあ」

 って、何故か思っちゃったんですよ。自分でもわけが分からないけど。


(※補足。僕が他人の話を聞くのが好きなのは、“優しさ”からじゃない。自分の経験だけでは絶対的に少なすぎると感じるから、無意識に材料集めとして“聴く”という癖が出来上がってしまった。もうそれは子供のころからの卑しい性癖の一つだと思っても間違いない)


 ☆☆☆


 そういえば大尊敬する池波正太郎先生も、あの名作【鬼平犯科帳】を書く経緯があって、実はあれなんですってね。割と中年期に入った時点であの設定があったらしいんだけど、

「これを書くにはまだ若すぎる……」

 そう先生本人が思ったということで、鬼平こと長谷川平蔵の年齢に熟すまで機をうかがったと、何か物の本で読んだ覚えがありますよ。


 ☆☆☆


 まあ、そういうわけで最後はとりとめもない話になってしまいましたが、二年近くこんなたわいない話にお付き合いいただき、本当にありがとうございました。


 また、こんな感じのものを書くつもりでいますので、そのときはどうかまたお付き合いいただければ幸いと存じます。


 では、あなたの人生に底力のある幸があらんことを。




 終わり。



 


 


  

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ