16 自分の言葉で話せ!〈3〉
16、
話は少し変わるのですが、先だって、仕事場の同僚にこんなことを相談されました。
「自分が近年、人助けだと関わって来た相手から逆切れされて困っている。さらに命まで狙われている……」
と。
まあ、上記はその同僚の言葉を要約したものなので、これを読まれている方からは何を意味しているのか掴み取りにくいものがあるかもしれませんが、
簡単に説明すると、
『自分が良かれ、と思って世話をしてきた相手に逆に反発を食らい、心中さながらのお誘いを受けている』
というもの。
その同僚が話すことが、大方五割ぐらいの真実指数であったとみなした時、僕はその同僚に以前から、
「そうなることは目に見えているから」
と、苦言を呈していました。
ですが、同僚は攻めることも退くこともかなわず、数ヶ月もしないうちにその兆候に至ってしまったと、いうわけです。
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なぜそんな事が俗人たる僕ごとき人間の端くれにわかるのか、と申しますと。
一つに、〝人は頼れる相手を恨む〟という習性があることを、この目で見てきたから。
もう一つに、同僚はその相手の〝かゆい処に手が届いていない〟ということ。
そう、その同僚というのは、〝自己満足〟や〝自己顕示欲〟に先んじて相手の面倒を見てあげていたから、ということが手に取るように分かっていたからです。
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つまりそれは、〝お仕着せ正義の味方〟もいいところで、いわば〝おためごかし〟な行為そのもの。
昔、ドラえもんの逸話の中に、スーパーマントというものがあって、それを着けると簡易的なスーパーマンになれる。
しかし〝のび太〟は、せっかく手に入れた力を持て余し、あまりに平和すぎる町内に苛立ちを覚えてしまう……
なんてものがありましたが、それとは少しだけケースは違うものの、お仕着せヒーロー〝デラックスファイター〟並みの鬱陶しさがありますよね。
いや、他人を救いたいという崇高な気持ちは大切ですよ。
でもね、ヒーローになるには、それなりの覚悟と資格(資質)が要るんですよ。
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以前、別のエッセイもどきにも書きましたが、
〝唐突に宇宙空間に放り出されてしまった時、いくら札束をもらっても何の役にも立たない〟
みたいなことを書きましたが、
その同僚は、その相手にそれをやったんです。
「背中がかゆい」と言っている相手に対して、足の裏に膏薬を張る。
そんなついでに頓珍漢な抜け作先生な行為を大真面目にやっているなんざ、腹黒い僕なんざ、耳の穴で笑ってしまいますよ。
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世の中を見渡すと、そんな輩で充満してますよ。
こういう事を言うと怒られるかな?
つまり、昨今の風潮でいうところの、
〝原発は金になる〟が、〝反原発も金になる〟
ということと同じ。
どっちも目的が一緒だから。
いや、僕はどちらでもないんで、こういうふうに茶化せるんですよ。
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