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「何者かと聞かれれば、マリアと名乗るのが流儀だが!あえて名乗ろう!『性奴隷』だと!!」


うわぁ~。さいあくぅ~。

僕は思わず頭を抱える。


「その。金髪の?」


空城君がレオンさんを指差して言った。

レオンさんは力無く首を振る。


「も、もしかして、、、」


「ふっ!当然だ!私のご主人様はこちらのタナカ様!こんなナヨナヨした顔の男の訳がない!!」


マリアはそう言ってレオンさんを少しディスる。

しかし空城君は、案の定。


「ちょっと待て!!田中君!!君は何をやっているんだ!!人を奴隷だなんて!!しかもこんな麗しい女性を!!君は!君は何を考えているんだ!!人を奴隷扱いするなんてそんな事が許されるのか?!仮にこの国では合法かもしれない!しかし!君は、君はそれで良いのか?!人を奴隷として扱うなんてあってはならないことだぞ!!もしあったとしても、それは正していくべきだろう!!止めるべきだと、悪しき習慣だとこの国の人達に教えて回るべきだ!!それを!率先して人を奴隷として囲うなんて、、、。君はなんて酷い人間なんだ!!」


はい。

予想通り僕がディスられました。

そしていつものお仲間の、黒田さん吉田さん秋元さんが空城君に寄り添うようにして立つ。

僕は正直この空城君達のの調子に慣れっこだし、いかにこの場所からずらかろうか考えていると、マリアが切れた。


「お前!神にも等しい私のご主人様に向かってなんたる言いぐさだ!!」


マリアが空城君に詰め寄る、


「待ってくれ!俺は君のために!!」


空城君がマリアの肩を掴もうとすると、


「触るな!!」


マリアが空城君の手を叩く!


が!

体制を崩したのはマリアの方で、僕は慌ててマリアを抱き抱えた。

義手と義足が地面に転がる。


「しかも、こんな手も足も無いのに、戦場に連れて回して、、、」


空城君は首を左右に振った。


「違う!!私が無理に願い出て私はここに居るんだ!」


とマリアが言うが。


「そうだよね、君の立場ではそう言わざるをえまい」


空城君はスカした顔で言った。


「違う!私のご主人様は世界でタナカ様だけだ!」


「大丈夫だ。全て僕に任せると良い。もう大丈夫だ俺が幸せにしてあげるよ」


「いや!絶対に幸せになれない!!お前はゲスだ!その醜い心が顔に透けて出てる!!」


マリアがそう言うが、

空城君は『はぁ』と大きくため息を付いている。

僕は空城君のお付きの女の子達に睨まれ、


「よし、決闘しよう。この子をかけて俺と勝負だ。悪いが俺が勝ったらこの子は俺が連れていく!」


出た出た、空城節。


「え?僕が勝った時のメリットは?」


僕がそう言って黒田さんや吉田さん、秋元さんをちらりと見ると三人は心底嫌そうな顔をして後退りした。

僕もマリア以外の女性に興味ないけどね。


「ふっ!はっはっは!君が俺に勝てると!?」


あっ、そりゃそうか。

空城君は僕の戦い方を見ていて、それで勝てると踏んでこの話をしたわけか。


「いいだろう!何でも言うことをきいてやる!ただし、勝てたらな!」


空城君がそう言って何も無いところから『剣』を取り出した。

空城君の『時空ヲ統ベルモノ』ってスキルのおかげなんだろうけど、


なんだかなぁ。


僕だったら出来ることを隠すけど。

僕も腰に下がるアイテムポーチで同じ事が出来るが誰かに見せようとは思っていない。


『はぁ』


と心の中でため息をついて、マリアにもう一度義手と義足を着けさせると。

僕も剣を構えた。

その時に、吉田さんはロッドを握りしめ、秋元さんが槍の束を持つのを見逃さない。


まぁ、空城君は勇者だし、僕より強い自信があるみたいだし、本当は戦わない方が良いのかもしれないけれど。

僕も自分を鍛えていて何処までいけてるのか気になる。

それに、僕は回復魔法が使えるしね、


何より、マリアにカッコ悪いところは見せられないし、


誰にも渡さない。


『寄越せ』といきなり言ってくる様な奴に舐められたくはなかった。


空城君が、スラリと鞘から剣を抜くと、

早速空城君から魔力の高なりを感じる。


いきなりスキルかよ?!


僕は一気に近付いて、魔力の流れる剣をはたき落とす!

呆気なく魔力は散って、


「チッ!」


っと空城君は舌打ちをする。

結構余裕があるね?


僕は様子見のつもりで、剣を切り上げ空城君の顔を狙う。


が、空城君は『ゴロゴロ』と転がって避けた。


あれ?

全然期待外れ?

レオンさんを見ると顔の右半分を『クシャ』っとさせて空城君を見ている。

この顔は僕が避けられる攻撃を避けられなかった時とか、僕が怠けてる時に見せる顔だ。


えっとぉ。

空城君は何で僕に勝てると思ったんだ?


それから空城君はやみくもに僕に斬りかかって、その間にスキルでの攻撃を試みるが、『時空ヲ統ベルモノ』とかいう危険な臭いがプンプンするスキル発動させる訳がない。

魔力の集まる場所を蹴ったり、体制を崩させて魔力を散らせる。


こんなに簡単に魔力の動きを悟られて、しかもこんなに簡単に魔力を散らせていて大丈夫?


え?

この人、この勇者は使いもんにならないんじゃ?


レオンさんをチラ見するともうこっちをみておらず。

アクビをしている。


じゃあ。

もういいかな、終わりにしよ。


確りと剣を握って、空城君を待ち構える。

僕の雰囲気が変わったのを感じたんだろう、空城君も剣を握り直す。

空城君の後ろに立つ、黒田さんや秋元さん、吉田さんも雰囲気が変わる。


空城君が剣を振りかぶると、

お久しぶりの『ゴブリンホイホイ』、

僕も剣を振りかぶって、

空城君と剣を合わせるふりをして、左にスライドしながらわざと空振り。


空城君も空振った処へ、

軽めの突きを放つと、

空城君はなんとか避けるが体勢を崩す。


その瞬間、


『願う!』

『ただれろ!』


吉田さんと、黒田さんが詠唱を始める。

だけどもちろん僕はこの状態を見越してる。


剣を手放し、

左手で腰のポーションを取りながら、

右手を振りかぶって!


光乃護封剣(プリズン)!』


空城君が降り下ろした剣はポーションを持った左手で受けるとポーションの入れ物が弾け、中身が左手に掛る、

その手でそのまま剣を『グッ』っと握った、

血が飛び出すがポーションのおかげで、この程度なら問題ない。


そして現れた光の剣は黒田さんと吉田さんの二人を貫いた。


空城君の目が驚愕に見開かれている、


秋元さんの放った突きは当たるに任せて、

空城君の顎を思いっきりぶん殴った。


空城君は白目を向いて倒れた。

別にHPを0にしなくても人を気絶させられるだよね。

そして秋元さんは脇腹に刺さった槍を見て顔を青くさせている。

僕は秋元さんを睨んで、


「抜け」


と言う。

すると秋元さんはあっさりと槍を抜いた。


『エクストラヒール』を詠唱を破棄して自分にかける。

剣を掴んだ左手の痺れがひいて、腰から流れる血が止まった。


しかし、変だな。

何だか違和感を感じる。

それに、黒田さんだ。


「ご主人様!」


考え事をしていると後ろから呼ばれ、振り向くとマリア笑っていて、

両手を広げると早歩きで僕の胸に飛び込んできた。





「何でも言うことをきくと言ったな。よし。死ね」


マリアが空城君に向かって言った。


「そ!それは!」


空城君は慌てている。

空城君の側に立つ、黒田さんや吉田さん、秋元さんが僕達を睨んでくるが、マリアは気にした様子もなく。


「今すぐ死ね。ご主人様に楯突いた罪は重い。しかし、死ねば良いだろう。許してやる。それともなにか?お前は嘘をついたのか?『何でも言うことをきく』と言ったではないか。お前は嘘つきなのか?え?」


「し、しかし、私は死ぬわけにはいかない!私はこの国を救わなければいけないんだ!」


「無理だ。お前には無理だ。お前ごときに救えるなら、大丈夫だ。ご主人様の方が簡単に救う事が出来る。何の心配もいらない。今すぐ死ぬといい」


「そ、そんな!酷いぞ?俺は君を救う為に決闘を申し込んだというのに、その人間に向かってそういう事を言うのか?」


「誰もお前に助けて欲しいなんて言ってない。クズだなお前は。そもそも、恥ずかしくは無いのか?決闘に女に助太刀されて、ご主人様なら恥ずかし過ぎて『割腹自殺』してるぞ?」


いや、しないから。


「そ、それは、、、。最初から一対一の決闘とは、、、」


「本当にお前はクズだな。死ね」


うーん。

どうしょ、このまんまってわけにもいかないし。

空城ハーレム隊も何とかしろと僕を睨んでくる。


「じゃあ、死んでもらうのは保留にして、とりあえずこの場は僕達に二度と関わらない事の約束と、後、4人のチートを教えてもらおうかな?」


「まぁ!ご主人様、なんてお優しい。良いか!あくまでも保留だぞ!」


マリアは表情をコロコロと変えて言った。

そして四人のスキルを教えて貰った。


そして能力の説明。まずは空城君。

空城君は、『時空ヲ統ベルモノ』ってスキルを持っていて、

このスキルで複数の事が出来る。


四次元ポケッ◯。

これはドラえも◯的な奴でしかも、例えば食べ物を入れれば、暖かいものをしまえば出しても暖かいままだそうで、しかも腐らない。ようは中は時間が止まっている様でなかなか便利そうだった。


時空斬り。

防御力無視で、というか、何でもスパスパ斬れるらしい。


大時空斬り。

時空斬りの遠当てバージョン。込めるMPで距離は調節できるみたい。


クイック。

早く動ける様になるらしい。


スロウ。

対象の動きを遅くさせる事が出来るらしい。



吉田 聖子さん。

『稀代の癒し手』

回復魔法の効果が通常の倍。


秋元 杪さん。

『槍の奏者』

槍のスキルを全部使えるらしい。


黒田 彩さん。

『炎刹者』

炎魔法の効果が倍。


なんか、思ってたより、微妙だな。

空城君はもちろんすごいんだけど、

秋元さんなんてそもそも性格にスキルが合ってない。

さっきも三人の中で行動に移すのが一番遅かったし、僕に槍を刺して顔を青くさせてた。


吉田さんだって確かに内気なんだけど、人が苦手だというだけで、性格的には攻撃的だ。多分攻撃系のスキルの方が相性が良いと思うんだけど。


そして、黒田さんだ。

相性の良いスキルを貰ったとは思う。

でも、これは三人に言える事なんだけど、効果が今一。

『チート』と言うにはちょっと、、、。

まぁ、倍でも十分凄いんだろうけど。


あと一番気になったのは、


「黒田さんさ、さっき『ただれろ』って言ったけど、何を唱えようとしたの?」


「『ファイヤーウォール』よ、しかも『たたれろ』よ、『ただれろ』なんて言ってないわ」


ふ~ん。

なら良いんだけど。

詠唱は神様に捧げる祈りの言葉で『ただれろ』という言葉は神様に捧げる言葉として相応しく無いような気がした。


あと最大に気になっているのは、

最初、レオンさんが僕のクラスメイトは居なさそうだと言った事だ。


信じた僕も軽率だったが、本隊にはクラスメイトが居るという情報だったし、事実その通り、空城君達がいた。


「ところで、何でレオンさんは僕の同郷の人が、クラスメイトが、本隊に居ないって思ったんですか?」


レオンさんは頭を『ボリボリ』とかきながら、申し訳なさそうに、


「いゃ、よお。なんつーか、『ヨウイチって変わった顔をしてんな』って思ってたんだけどよ。なんつーか、同時に、『異世界人ってこんな顔してんだな』って、『でも、異世界人ってそんなもんかって』思ってたんだよ。んでぇ、本隊の馬車の中を見りゃあ、キレイな顔をした兄ちゃんと姉ちゃんだろ?」


ちっきしょー!

そういう事か!レオンさんは僕を見て、異世界人ってみんな僕みたいな顔をしてると勘違いしたわけだ!

そして、僕のクラスメイトを見たレオンさんは、この世界の人達だと勘違い、僕に、『それらしい人は居なかった』と言ったわけだ。

ジーンさんを見るとジーンさんは目を反らした。

どうやら同じ感じらしい。


「お前さんよぉ、実は結構苦労人だったんだな」


レオンさんは僕と空城君の顔を見比べて言った。


「大きなお世話だよ!!」

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