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朝になって身支度を整え、

『ラブホテル』を出る。

ラブホテルの外はもちろん昨日ゴブリンに囲まれて逃げた場所だ。

魔石が欲しくって昨日殺したゴブリンの死体を探すが全然見付からない。


だよね。

他の魔物に食べられたか、生き残ったゴブリンが食べたかだ。

ゴブリンはゴブリンを食べる。


残念に思いながらも町をめざす。

今日も訓練アンド神殿だ。

昨日借りた聖書を創造神を祭る神殿に返して、

その後はもう一度火の神様へ行って魔法を教えてもらおうかな?

今なら習得出来るようになれる気がした。


そして、町を目指して歩いていると、ゴブリンが現れた。

そうなるともちろん、

ゴブリン相手にヒャッハー!

って感じになる。

最初、ゴブリンを殺せなくってウジウジしていた時が懐かしい。

ブンブン剣を振り回す。


ゴブリンは単純で、

フェイントには必ず引っ掛かってくれる。

剣を大きく振りかぶってから、

さりげなく後ろに下がりながら剣を降り下ろす、

すると案の定僕の剣は、空振るのだが、そのまま剣を引いて突きを放つ。

僕の剣が空振って、ゴブリンが『アレ?剣が来ない?』なんて思っている間に僕の放った突きはゴブリンの喉に突き刺さる。

そんな感じだ。

このフェイントを、『ゴブリンホイホイ』と呼んでいた。

それぐらい必ずゴブリンをは引っかかる。

ゴブリンはフェイントに弱い。


なんて単純なんだ。

どんどんゴブリンの死体がころがっていく。

でももちろん罪悪感なんて感じない。

魔石アザーす!って感じだ。


そんな感じでゴブリンを殺しまくってると、

再びゴブリンキングが現れた。


足元にはいくつものゴブリンの死体が転がっている。

んーと、昨日程は普通ゴブリンも居ないし、

もう少しで町だ。

また魔石を諦めるのはちょっとやだな。


剣を握り直した。


4体のゴブリンと僕より少し大きな体のゴブリンキング。


『ブモ!』


と叫ぶとゴブリンキングは僕目掛けて走り出した。

他のゴブリンも一斉に襲い掛かってくる。


ゴブリンキングのその手には大きな槌が握られている。

重いのだろう、

動きは読みやすかった。


僕の左上から槌が降り下ろされる!

左に避けながらゴブリンホイホイだ!

ただし!

空振りじゃあなくて、ゴブリンキングの手首を狙う!


そして狙い通りにいった。

ゴブリンキングの手首を切り落として、


『二段突き!』


高速で放たれる2回の突きは腹部と喉に突き刺さる。

そして、残りのゴブリンも僕へと剣を振り上げているがもちろん見えてる。

一匹のゴブリンの攻撃は避けて袈裟斬りに。

後ろから斬りかかって来るゴブリンの攻撃は斬られるに任せた。

背中の防具と防具の間を少し斬られる。

振り向いてゴブリンの首を撥ね飛ばす。

それを見たゴブリン達はやっと、

『やばくね?』

って感じになって、

オロオロした瞬間に一匹。

背中を見せた瞬間に一匹仕留めた。


大したこと無かったな。

昨日のゴブリンキング達も頑張れば何とかなったかも、

いやいや、慢心は敵だ。

万全を期そう。


左手を腰の傷に当てる。

当てた手を見るとベットリとまではいかないが血が出ている。

『ヒール』を唱えようてして、

まさか詠唱破棄出来ないよな?

それでも念のため。

「ふぅ」

と息を吐いて心を落ち着かせる。


『ヒール!!』


はい!

ダメでした。

ですよね?こんなに世界は甘くないよね。

でも、

念のため、念のため。

次はお祈りの言葉をはしょってみようかな?

もう一度、「ふぅ」と息を吐いて心を落ち着けて、


「癒しを『ヒール!』


おっ!

治った?!痛みがが引いている。

すっげ!!傷があった所をペシペシするが全然痛くない!!

こりゃ、詠唱破棄出来るようになるのも間近だな!!


それから魔石集めをすることに。

ゴブリンキングからはいつもより大きな魔石が手に入った。

コレコレ。

コレ持ってまた神殿に行って魔法を教えて貰お!


そしてチマチマと魔石を集めた。

意外と面倒なんだよね。

魔物からの剥ぎ取りはなかなか時間がかかる。

でもあんまり時間をかけてると、血の臭いに引かれた魔物が現れるし。

なんか良い方法は無いかな?

後で憲兵さんに相談してみよ。




「、、という訳なんですけど、良い方法はないですか?」


「おう!良い方法があるぜ?」


早速憲兵の事務所に来ていた。

憲兵さんはいつも通り建物の中でお茶を飲んでいた。

今は僕の持ってきたビールを飲みながら、

ニヤニヤと笑って僕を見ている。


「奴隷だよ。奴隷。奴隷なら報酬の分配やドロップアイテムの所有権で揉める事がねぇからよ。それに、、、。女の奴隷ならなぁ?」


自分の顔が赤くなっているのが分かる。

憲兵さんの言いたい事が分かったからだ。


「でもまぁ!期待してるところ悪いが女の奴隷より、絶対に男の奴隷の方が良いぞ。体力が違う。獣人の奴隷なら大丈夫だが、好き嫌いがな。それに女はめんどくせぇ」


えっ?!

獣人?いるの?!

テンプレに刺激されすぎた僕の中二の心がグワングワンと揺れる!


「僕でも、そのぉ。奴隷は買えるんですか?」


「おう!買えるぜ!金さえ有ればな!でもピンキリだ。中魔石一個で買える奴隷や、宝石と交換するような奴隷」


くう!

どうしよ!奴隷なんて!!って思うけど、

奴隷かぁ、、、。

まぁ、ここは一つテンプレだしな。

うん。そうだよ。テンプレだし。

ちょっと検討してみようかな?


「連れてってやろうか?」


「良いんですか!憲兵さん!」


待ってました!その言葉!


「おお。良いって事よ!それより、いい加減俺の事はレオンって呼べって!」


「ありがとうございます!レオンさん!!」


喜びのあまり僕はそう言ってレオンさんに抱き付こうとしたが丁重にお断りされた。

ちょっとだけ傷付いた。


しかし、これで僕にも少し光が見えてきた。

僕のスキル『ラブホテル』だ、このスキルは女の子を連れ込んでやることをやると僕の能力が上がるというものだ。

でも、ドワーフとオークを足して2で掛けたような顔をしている僕はとてもじゃ無いが女の子を『ラブホテル』に連れ込めるとは思えなかった。

しかし、奴隷ちゃんなら、、、。

僕もチートの仲間入りか?!!


メチャメチャ期待しながらレオンさんの後に付いていく。

裏通りをいくつも曲がって、

黒い怪しげな建物に着くと、


「おーい!」


そう大きな声を出して扉を開いた。

中は薄暗く、目を凝らして中を覗きこんだ。


「おっ!レオンじゃねえか!」


ヨレヨレの服を着た年配の男性が立っていた。


「よう!なんかオススメはあるかい?」


「もちろんさ!!良いのが入ってるぜ!!」


そう言ってヨレヨレの服を着た男は部屋の奥へと入っていった。

部屋の中を見回す。

綺麗には掃除されてるんだけど、なんか匂う。

そして調度品の類いは無く、必要最低限の物しか無い。


「おし!」


と大きな声が聞こえてカーテンの奥からさっきの男が出てくる。

連れられて出て来た女性は何とも直視しにくい状態だった。

薄い布で体を隠してるだけなのだが、大きな胸と括れた腰が薄い布の上から良く分かる。

ジロジロと見てたら俺が見てるのが分かったんだろう。

スタイルの良い奴隷さんと目が合う。

すると、奴隷さんは思いっきり顔をしかめた。

うぅ~ん。

そうきたか。俺の奴隷には成りたくないらしい。

むしろレオンさんにしなを作って見せている。


「へへ、良いだろ?本当は最低でも金貨10枚じゃねぇと交換はしねえが、レオンの為なら良いぜ?5枚だ!!」


「んー。他のも見ていい?」


レオンさんはあっさりとした感じで言う。


「はっはっは!商売上手だな!いいぜ!次!カモン!!」


次に入ってきた奴隷さんは大人しげな印象で背が低い。

でも小さな体に似つかわしくない豊満な胸を持っていた!

す!素晴らしい!

しかし、その奴隷さんは俺を見ると俺に向かって小さく舌打ちをした、、、。

そしてレオンさんに向けて向けて大きな胸をアピールしている。

まあそうなるよね。

レオンさんは歳は取ってるけどカッコいいし。

冒険者だった頃は有名だったし。

それに比べて僕は、、、。

カッコ悪いし。

お金も無いし。

残念チート付きだし。


結局こういう事だ。

奴隷に拒否権は無いかもしれないが心はある、好きでも無い男に抱かれたくは無いか、、、。


僕の欲望は行き先を無くしてしまった。

さっきまで高かったテンションはただ下がりだ。


僕のテンションの急降下に気付いたレオンさんが、

気を使って、


「なっなんかよ。違う感じのを頼むよ」


「あぁ~。なんだ。そういう系?オッケー。戦闘系カモン!!」


その後に現れたのは上半身が人間で下半身は蜘蛛という変わった体を持つ奴隷さんだった。

体を隠す布の様な物は身に付けず、

おっきな胸を隠さずに揺らしながら、ズイズイと出て来たが。

俺を発見すると胸を隠した。


この時点で僕の心はバッキバキ。

帰ろっかな。


僕がそんな事を思っていても男の人は気にせずに、


「こいつは高いぜ?なんせ、戦闘民族アルケニアだ!金貨、、、そうだな金貨15枚を10枚で良いぜ!!」


無茶苦茶テンション上がってるけど。

残念。俺はついていけない。


「いやぁ~。実は奴隷を買いに来たのは俺じゃなくてこいつなんだよね」


レオンさんはそう言って僕を指差した。


「え?!そうなの?レオンが買いに来たんじゃあねぇの?」


「おう」


レオンさんが自信満々って感じで答えた。


「なんだよ。まぁいいや。少しならまけてやるよ。予算はいくらだい?」


ヨレヨレの服を着た男の人はそう言った。


「えっとう。中魔石一個?」


「はぁ!!何だよ、そりゃないぜ!?レオン!」


男の人は気分を害した様で、あからさまに嫌そうな顔をしている。

さっきレオンさんは最低価格は中魔石一個って言ってたんだけどな。


「じゃあゴミ箱の中からならどれでも中魔石一個でいいぞ。みてけ」


そう言ってさっきの奴隷さんが出て来た方向の反対側にあるカーテンの方を指差した。


ゴミ箱?


男の人はしきりにレオンに向かって話し掛けているので、

勝手に入って良いって事だろう。

よく分からないが、おずおずとカーテンをくぐった。

そして、さっきからする変な臭いの原因が分かった。


僕は正直言って浮かれてた。


テンプレだ!とかいってさ。

でも、そのテンプレは実際目の前にしたらとても浮かれてなんて居られなかった。

それは生々しく五感から伝わり心を締め付けた。

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