40限目
「なんだ、他に誰かいたのか?」
「いやまあそういうわけでも無いんだけどな」
説明するのは……めんどいからそのうちでいいか。いや、別に説明する必要は無いのかな……?
『まあ、仲間以外には説明する必要は無いかな』
(仲間……その基準は?)
『ん……まあ班員 くらいの中なら教えて問題無いと思うが』
班員か。まあ俺班長 じゃないからなぁ。
あれ? いや、俺、勇者になるんなら自分で班 を作らないといけないのかな。それとも一人でやってく事になるのか?
『お前、自分の能力のこと忘れてないだろうな? 独りじゃ無理だろ』
(ああ、そうか)
「まあ、別のところでな。多分ヴォスとリームはもう食堂で飯食ってるんじゃ無いか?」
「そっか……いや、リームの班は課外授業からまだ帰ってないぞ」
「え? 日程今日までだったはずだろ?」
「そうなんだけどな……」
ウンドが少し顔を伏せる。心配してるみたいだ。
もちろん課外授業なんて伸びてなんぼみたいなところはあるし、【銀の千嶺】ほどじゃ無いにしても引率の先輩がついてるはずだ。荷造りしてる時ちゃんと多めの保存食を多めに入れてるのを見ただろう。俺も見たし。俺は先輩が召喚した獣に乗せてもらうことで即日帰ってこれたわけだが、普通は大怪我をしたら最寄の村や町で治療を完了してから帰りの旅程に入るだろう。改めて言うけど、旅程が伸びるのなんて当たり前なんだ。だけど、だからと言って心配にならないわけじゃ無い。帰ってこないってことは怪我とかをしている可能性が高いってことなのは間違いないんだ。
……まあ、逆に言えば死んでなくたって帰ってこないわけで、どうしようもない事態 に巻き込まれた可能性は全体的に見るとそれほど無い、という見方もできるんだけど。
考えが袋小路に入ってきたな。切ろう。
「連絡とかは無いわけ?」
「まあ、昨日今日でこないだろうな」
「それもそうか」
『おい、連絡って?』
(そのままの意味だけど。学校に旅程はあらかじめ連絡してるからな。そうじゃ無いと死んでもわからないし……逆に連絡が無いと死んでると勘違いされるわけだけど)
『じゃなくて、手段』
(手段? そんなの班 によるだろ。獣操師が伝書鳥連れてるとか、精霊魔法使いの水精霊通信とかそういうのだよ。まあ村ならともかく町には確実に一人二人通信手段持ってる奴がいるし、そうじゃなくても早馬とかもあるからな。明日にはなんか連絡が来るよ)
『ほう』
「でもあいつどこ行ってんだっけ? 結構厚着を用意してたよな?」
「砂漠だろ。厚着っていうか、日除けな。詳しいことはヴォスに聞けば知ってると思うけど」
「ああ、あいつ確かリームと一緒に買い出し行ってたんだっけ」
「そうそう」
っと、食堂についたか。ヴォスが普段使ってる席はどこだったかな。
「……ヴォスは帰ってきてるよな?」
「剣技の講義で会ったからどっかにいるはずだぞ。今日は料理は野菜の肉詰めの煮物 と、人参の甘露煮 だからどっかにいるはず」
「ああ、人参嫌いな奴と一緒にな」
「そゆこと」




