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スルースキルが最強で。  作者: ふぁくとりー
1 巻き込まれたので。
9/43

9 同行者のようです。

同行者が出来ます。

三人が食べ終わったところで、僕は風魔法を使って酸素の供給を断ち、手早く荷物をたたんでいく。


風にとどまらず、僕のチンケな初級魔法はいたく生活には重用する。酸素の供給量を変えるだけで強火、中火、弱火、とろ火、何でもござれである。水魔法や土魔法もかなりいい働きをする。


水魔法は生活用水には欠かせない。土魔法は、何を隠そうお風呂を作れるのである。


僕がお風呂に入りたくて、粘土質の土を見つけて土魔法でバスタブを作り、火魔法で焼成するのをルリエに手伝ってもらい、水魔法と火魔法を掛け合わせた新しい魔法を叩き込んだ。


まだ使用はしていない。食事の準備が慣れておらず、ダウンしてしまったからだ。

だがそろそろ使えるだろう。


「レイさん、ありがとうございました。いやあ、これから別れて一人でロアス王国に向かうことになっていましたから…」


ジルベルトさんの言葉に、僕は首を傾げる。


「三人はパーティーでしょう?」

「ええ」

「どうしてジルベルトさんが」


ジルベルトさんが頭を掻いて、気恥ずかしそうに笑う。


「アーニャとクロードは結婚して、この先の街、アルフォックに腰を落ち着けるそうです。ちょうど護りの人の治療班が人員募集していて、高位の治癒魔法を使えるクロードと薬草知識を持ったアーニャは適任なんですよ」


なるほど、とうなずく。レイはちょっとだけ疑わしそうなのだが、僕の提案に異論は唱えないだろう。


「じゃあ、僕達が同行しましょう。ちょうどロアス王国に用事がありますから」

「私は同意するわ。レイ、あなたは?」

「構わねぇけど」


「いいんですか!よろしくお願いします」

「ジルベルトさんのことは僕達が責任を持ちますよ、お二人とも」


心配そうなアーニャとクロードににっこりすると、二人は安心したように腕を組んだ。こうして見ると、案外似合いのカップルかもしれない。


「……僕にも出来ますかね……」

「何かしたいことがあんのか?」


レイがこちらをじいっと見ている。僕はわたわたと両手を振った。


「いえいえ、アーニャさんたちを見ていたら、少し羨ましくなりまして。僕も恋をしてみたいですね」

「……恋?」


ルリエが肩を竦め、ジルベルトが大仰にため息をつき、二人はニヤニヤしている。


レイを見る。

ちょっとジト目。尻尾がピクピクしている。


「透って案外鈍感なのね…」

「ああいえ、レイさんにそんな趣味があるとは思いませんでしたが、恋愛は自由ですから」

「顔は可愛いしいいんじゃなぁい?」

「…俺としてはレイさんは男らしいと思っていたが結構女々しいな」


「一体なんの話ですか。レイさんは良い人ランキング上位者ですよ、思わせぶりな発言は大体が優しさの延長線上です」

「俺をなんだと思ってるんだっ!?」

「もフり要員」

「ひでぇ!こいつひでぇぞ!?」


それに少し勘違いしている。

「僕は女ですよ、失礼な」



「「「あああああああ!?」」」



「さて、(モフモフ)行きましょうか(ふにふにふに)」

「おまっ…はふぅ……ふぁああ……」


「だめよ透。レイがスライムみたいになっちゃう(てる)じゃない」

「うん?(モフモフモフ)ああごめん(ふにゅふにゅ)」

「ふわぁ……わん……」


おおおおおおおお!?


「わ……わんって!わんって言いましたよねレイさん!」

「ぬおおおおおおお!?い、言ってねえ!聞き間違いだ断じて違う!」


こうしてようやくたどり着いた要塞都市アルフォック。日は既に沈みかけていた。




「要塞…ですね。この五メートルはある壁、土魔法ですか」

「ああ。ドラグーンのお偉いさんがな。これだけのものを一人で二週間ほどで仕上げたらしい」


門番につぶやきを返されて僕はニコッと微笑む。

「僕も驚きには慣れたモノですが、ここはそれでも驚きますね」

「ええ。はい、ギルドカードです。良い旅を」


ルリエも登録はしていないが、『エリル』と偽名を使っていたらしい。その名前を名乗ったあと、仮通行証としてお金がかかることを受け、僕はギルドへの登録を勧めた。


宿屋に行こうとすると、アーニャとクロードがお別れを言いにきた。


「ありがとねぇ。からかってごめんなさい」

「俺らの代わりにジルを頼んだぜ」

「はい!」


そして、僕らは宿にもどっていった。




そして、深い眠りについた。

透「えーと、神爪について説明しまーす」

高位の獣人が扱え、斬撃が飛ぶ。魔法をまとわせることもできる…だね。高位のってのは王族に近いってことなんだけど。

透「ええ、大体わかりますって。一応レイさんは王族縁者なので……え?言ってない?でしょうね、隠蔽してますし」

ファッ!?何それ作者初耳!?

レイ「あー……獣人は寿命がなっげぇんだよ。そいで王子が結構いるんだけど…俺は第102王子だからな。生まれた中で頭も体も良い奴選んで英才教育受けっから。俺はガキの頃病弱でなー」

透「ダウトです。絶対嘘です。病弱?寝言は死んで言ってください」

辛辣だねえ。まあいいか、次回は「俺の昔話だぁっ!」

……レイさんや!?

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