39 詰んだようです。
ソーム「罠は任せるの(ドヤァ)」
スライムのドヤ顔。
ダンジョン。
階層ごとに違う魔物が住んでたり色々とあるらしい。そう、その魔物に対して普通は嫌悪感を抱いたり敵対するものだが。
僕は今緊急事態に陥っている。
「ジェロラ怖いようやだやだやだやだ」
「ちょっとこっちきて敵を抑えるかそのまま斬れよ!死ぬって!」
「その足元にいるじゃありませんかあああああ」
僕、使えない。
いやいや、使えないのではない。これもそれもあれもすべてG先生のせいだ。あの黒く丸いフォルムの先生が、靴下の中に入っていたのがいけない。
今思い出してもゾッとするあの体験。
それはさておき、とにかくレイさんを助けねばならない。ジェロラその他が襲ってくるのはありえないとは聞いてるが、それでも怖いもんは怖いのだ。
あえて言おう。
「どうしても助けなきゃダメでしょうか?」
「当たり前だてめー!!!!!ぶっ飛ばすぞ!」
「果たしてぶっ飛ばせますかねぇ」
「その声だけ馬鹿にした感じ!すげえムカつく!ちょっとこっちきて殴らせろ!」
ちょっと落ち着いてきた。ふぅ、OKOK落ち着いた。
僕は自分の掲げていたものをすらっと抜いた。そして、レイさんをめがけて走り出す。
「レイさん前かがみになってください」
「?あ、ああ?」
その背中を、踏み台にして。
ブラッドオークの頭の上に飛び上がると、そのまま回転して突っ込んだ。
ズシャアアアアアア!!!!!
「ふぅ、つまらないものを斬ってしまいました」
無表情のまま、額の汗をすっと拭う真似をする。と、レイさんが怒りの表情を浮かべて僕の肩を正面から掴んだ。
「……つまらないものなら……さっさと助けに来いヤァ⁉︎」
「いやだって、奴らがいたんですもんしょうがないでしょう」
僕の中では、『ドラゴンと戦う人に向かっていく』レベルの愚行に等しい。なんだったら、そこにエルダーリッチーもつけていい。
「それと!俺を!踏み台に!すんなよ!」
「仕方ありません。レイさんのDEXじゃここの魔物への当たり判定が異様なほどに厳しいじゃないですか」
「むふぐふふう」
変な唸り声を上げてはいるものの、正論だったようでおし黙る。僕は一つだけため息をついて、レイさんに抱きついた。
「うわぁモッフモフ。この毛並みは犯罪です。ギルティ」
「にょやっ……⁉︎ふ、ふぁ……」
とろとろにとろけた表情をしているレイさんが、腰が抜けて立てなくなるまで数十秒。僕はそのままレイさんを担いで走り出した。
「って、お、お前、なに、を」
「お姫様抱っこは不満でしたか?」
「ふ、まん、だ、ばかやろ…」
罠はすべてソームの感知に任せている。スライムなりに生き残れたのは、この『スキル欄には表示されない種族スキル』というスキルのおかげらしい。右の壁に罠なの、などとのんきな声を上げつつジェロラをちょっぴり焼きつつ走っていると、早々に何かの扉が見えた。
「なんでしょうアレ」
「ボス部屋だな。つか下ろせ。ここは今安全地帯になってるから魔物も寄ってこねぇ」
「ジェロラは?」
「……ノーコメントで」
「レイさん今すぐボス部屋に入りましょうね!僕とっても楽しみですボス部屋!」
「えっちょまってなにそれ聞いてないぇあああああああああ」
ボス部屋に入ってしまった。
目の前にいるのは、シマウマ。
ちょっと大きめだが、明らかにそうだ。
「……し、シマウマ……だと⁉︎」
「あれはなんですか?シマウマって、そのままじゃないですか……」
鑑定をしてみて、僕は愕然とした。
これ、詰んでね?と。
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死魔馬 災害指定種 ランクS
HP 8934
MP 678246
STR 17892
INT 98999
DEX 294927
AGI 294748
ドロップアイテム : 全身
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そういえば、最近同じ階のところでGが出現したらしいんだけど、作者のところではカメムシ出たよ。
透「アレも…やばいですよね……」
そう?プリントに乗せてお外にポイっとすればいいだけじゃない?
透「作者の実家は虫だらけだからそんなことが言えるんですよ」
え?神社もそうじゃないの?
透「どっちかって言えば鳩の方がががががが」
納得。
次回は、まぁ死闘です。そのつもりです。




