28 因縁深いようです。
小説の紹介文を読み返したら矛盾が登場しまくっている気がしてならない…
そして地味に見てる人多くてビビりました!
頑張って更新しよう!
と思うだけ。
家族で飼っていた犬、デューク。正しくは、ウチの神社の狛犬、出宇久である。
彼は平成になってからは、うちの中でシベリアンハスキーの格好を取り、僕をそのもふもふの尻尾で喜ばせてくれていた。
僕がその祠を見つけてしまったのは、偏にこの神の血のせいだと思う。
今にも崩れ落ちそうな祠に、僕は『誰からも忘れ去られる』ことの恐怖を薄ぼんやりと感じる。
僕の神格は、お祖父様から受け継いで人の血で幾倍かに薄められているから、お祖父様のようなことはできないし、まして母親の朧のような神降ろしの巫女になる気もなかった。
そう、それは『定められた』偶然だった。
幼い私が見たそれは、白い蜥蜴の木乃伊だった。
白。
古来から神の使いの色とされ、アルビノを神使として崇め奉った。
人の思いは形をつくり、信仰は神を作る。
そして、『渇き』の神が生まれた。
水神のお膝元でーーと思うかもしれないが、だからこそ、それは崇められた。
古来において、水は利権を生んだ。水をめぐって争い死人も生まれた。
そうして、彼は生まれた。
だが、そんな信仰をお祖父様が許すはずもなく、彼は呆気なく信仰を失いかけていた。そしてそんな彼の祠に、僕が引かれてやって来た。
『…オマエ、ダレですか?』
「へぇ、喋れるんですね。あ、僕は透です。君は誰ですか?」
『……ウヘルモノ。オカワキさまト、呼ばれてイタ』
「話し方も何もかもちぐはぐですね。ではオカワキ様ーー」
「…ちくしょー、あいつ返事もしやがらねぇで……⁉︎」
「…レイさん。明日の朝早くにここを出ます」
「……なにが、」
「……僕を送り込んだ者を、殺す」
そんな言葉に、背後で「……透」と声がした。
「お祖父様」
「神格を貸す。お前が死んでは困る」
「……ウヘルモノの神格を喰らう気ですか?」
「当然だ。あの時の不始末を取らねばな」
「お祖父様のせいではありませんよ。僕のせいでしたから」
お祖父様が悪いのではなかった。
僕が全て悪い。
「ーーあなたに信者はいるのですか?」
『ほとんどいないデス。今は、たったスウニン』
「…そうですか。じゃあ、僕があなたの信者になってあげましょう。オカワキ様ーー」
なんというバカなことをしたのだろうか。
『ますたぁ、大丈夫なの?顔青いの』
「…問題ありませんよ、ソーム。あの時の自分を何とか殴りたいだけで」
「透、お前大丈夫か?」
「…はぁー……何だかまた厄介そうな死体よね、こいつは。犯人、見たんでしょう?」
「ええ。まぁ」
目的は、僕。
「……そうね。明日ご飯を食べたら、すぐに出発よ。ドラグニルの人たちに怪我はない?」
「お祖父様の神格の庇護下に手を出せば、お祖父様直々に動けましたが……あいにく、故もなしにお祖父様は動けません」
「なら、さっきの奴を殺すように手配しなさい。国際的に、奴が『邪神』で、討伐対象であるってね」
ルリエはサクサク指示を出していく。そんな姿を見て、僕は少々落ち着きを取り戻してきた。
「ルリエ、スキル無効化を持っている人は少ないですが、数はいますよね?」
「…え、ええ。それがいったいどうしたの?」
「スキルの正体、とでも言いましょうか?ちょっと思い当たる節があります」
ルリエの顔色が一変する。
「…どういうこと?」
「ああ、ルリエから兄の話を聞いてどうも引っかかってたんですよ。色兄さんは、神の孫。その神格は、『水の操作』。兄は『水神術』を持っていた、と」
そう、のろけがてらそんな話をルリエに聞かされた時に気づくべきだったのかもしれない。
いや、スルースキルを見た時に気がつくべきだった。
僕の持つ神格は、水の性質ーー何ものをも流れてすり抜ける、『透過』だった。そして、それがスルースキルとして現れた。
地球にいた時は、普通であろうとしたがために気がつくことはなかったが、認識が透過することでそれは現れていたのだ。
スキルという形で顕現することで扱いやすくなった。いや、神格が『進化』を遂げた。
思うにスキルとは、神格が芽吹く前の種のようなもの。
そしてこの世界では、神格の種が与えられ、僕や色兄さんのような例外を除いては、神を殺すことでその種が芽ぶくのだ。
僕は、この世界にきたことで、それが芽吹いてしまった。
チートなんかではなく、ただの格の違い。
まさに神の力だ。
「…ということなんですけど」
「なるほど…今までのことを鑑みるにそれはつじつまが合うことだな」
「とすれば、スキル保持者同士では経験値が、人と神では神だけの神格が、神と神の対決では、互いの神格がかけられるってこと?」
僕はこくりと頷く。
「たぶん、つじつまを合わせるためにだと思います。神格の偏りは恐るべきことだけど、消滅が最も忌むべきことですから。だから、こちらの世界では消滅させるのではなく、それを大きな神格が吸収していました。お祖父様がウヘルモノを吸収しようとしているのもそういうことですね」
「…ううん、よくわかんないな。どういうことだ」
レイが首を左右に振る。
「バカは黙って話の行く末を見守ってればいいのよ。ーー透、とにかく時間が惜しいとは思うけど、一応体があるんだから、今日は休まなきゃね。明日、ゆっくり寝てちゃっと出発しましょう!」
「はい」
僕はそう返事をした。
透「出宇久の顔はレイさんより綺麗でしたけどね」
レイ「おう喧嘩売ってんのかてめぇは!」
ルリエ「まぁまぁ、二人とも。そんなんじゃこれからの旅に支障が出るわよ?」
透「ロアスに向かうにはフェンリル公国を通るんでしたっけ。ところで、レイさんなんで『王子』なんです?」
レイ「あ、それはな?後継者候補のやつしか公子は名乗れねぇからだよ。今んとこ一番目と二番目だけだな、公子は」
透「めんどくさいですねー。でも、国政には関わりないですし、楽でいいですね」
レイ「まぁ、そうだといいけどな」
透・ルリエ「「?」」
次から新章にしようか迷ってるところ。




