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怪奇討伐部Ⅵ-Star Handolle-  作者: グラニュー糖*
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死神の試練

第十一話 迷い




「……さ。オレの話は終わりだ。ムジナの話も聞かせてもらうぜ」


 とりあえずわんわん泣きわめくムジナを落ち着かせ、座らせた。……まぁ、うつむいているが。


「…………」

「……ん?」

「…………」

「……おいおい、オレだけ話して黙秘とかナシだぜ」

「……オレって、何に見える?」


 突然簡単すぎる問題を出してきた。

 そりゃもう……。


「ムジナに決まってるだろ。死神王ヘッジの弟、死神ムジナ」

「違う、そうじゃない……」

「じゃあ何だってんだよ?」

「……ただの……悪魔……」


 前を向いたムジナはぽろぽろと涙を流していた。


「な、何があったんだよ?何を見たんだよ?」

「……レインはさ……呪術師、やめたいって思ったことある?」

「……そりゃあるよ。だって呪うことなんだぞ?それに、攻撃力もそこまで高くないし、封印するものもない。いっそヘラとかみたいに攻撃中心の悪魔に生まれたかったよ」

「ヘラはインキュバスなんだけど……」

「ん?……そういえばそうだな」

「もー……。それでね、さっき幻の中でお父さんとお母さんに会ったんだ」

「お?そうなのか?やったじゃねぇか」


 ムジナはまたうつむいてしまった。


「……?……何か言われたのか?」

「……おと……お父さんに……っ……『死神の資格がない』って……」

「はぁ!?死神として産んでおいて、それはないだろ!」

「いいの……『試練』をクリアしたのはお兄ちゃんだから……」

「チッ……あんの野郎め……」


 ヘッジとは元から仲が悪い。

 自分でもなぜかわからなかったが、ハッキリした。

 あいつはオレにとっていけ好かない奴。

 あいつからしたらオレの力は苦手。

 ということは反発し合っても何らおかしなことはないのだ。


「お兄ちゃんはオレの手を汚すまいとしてくれたんだ。試練は終わっちゃったけど……。だから、死神をやめて、別のものに……」

「アホか!」


 右手を振り上げ、ムジナの頬を叩く。

 バチン!と痛そうな音を立て、ムジナは痛みに耐えるために目を瞑った。

 痛いのはムジナだけじゃない。オレの手のひらもそうだ。


「ーーっ!」

「それでも諦めないのが男ってモンだろ!」

「で、でも……試練は残ってなくて……」

「試練がどうした!お前が死神でいたいなら、死神として生きていけばいい!誰が何と言おうと……お前は立派な死神だ!!」


 涙で潤んだ紅い瞳がこちらを見る。

 そしてゴシゴシと右の袖で目を擦り、力強い眼差しを向けた。


「……うん……!」

「オレはヘラほどお前のことは知らない。でも……何か悩みがあったらいつでも相談してくれ。少しでも力になりたいからな。あっ、もちろん、オレが困ったときも頼むぜ!」

「うん……!うん!!」


 __________


「くぁあ……」


 ヘラがらしくない可愛らしい欠伸をする。

 聞かれたかと顔を赤くしてキョロキョロ見渡しているなか、月光さんが目を覚ました。その顔は誰が見てもかなり焦っていた。


「っは!?い、いいい、今何時っ!?!?」

「わかんなーい!ねー、ヘラ」

「わ、わっ、わかっ……わかんねーよ!そんなもの!な!?レイン!」

「太陽がないってキツいよなぁ~」

「あぁ……どうしてそんなに楽観的なんだよ……。これだから悪魔は……」


 屈託のない笑顔で「わからない」と言うオレと、さっきまでのあたふたが残るヘラと、腕を頭の後ろに回し、にへらと笑いながら答えるレインに向けて大きな大きなため息をつく月光さん。

 どうやら寝起きは弱いらしい。

 いや、そんな情報は関係ない。今重要なのは時間だ。


「さっきの天狗に聞いてみたら?ここに住んでるんだったら、詳しいだろうし」

「オレ天狗さん見えないよ!」

「あー……そうだったな……」


 名案だと喜んだレインのテンションは急転直下。見えないのだからしょうがない。


「でもなんで見えないんだろうな?」

「しーらないっ」


 レインと話しているときに抜いた花を指でクルクルと回す。……そういえば全体的にお花に元気がないような……?


「……ん?」

「どうした?ムジナ」

「お花、萎んできてる?」

「え?……あ、本当だ」


 後ろに広がる花畑のほとんどがその顔を閉じている。

 ……ということは……!


「「……今、夕方だ!!」」


 オレとレインは顔を見合わせ、嬉しそうに叫ぶ。

 そして「いえーい!」とハイタッチした。


「夕方か……。まぁ、もう一部屋進んでもバチは当たるまい。寝起きのトレーニングとして進もうじゃないか」

「お花……持ってっていい?」

「いいけど、気を付けろよ。また幻を見せてくるかもしれないからな」

「はーい!」


 ……しばらくして、両手いっぱいに花を抱えて戻ってきたオレを見てヘラは仰天していた。


「それを抱えて進む気か!?異界にでも置いとけ!」

「えー!しょうがないなー」

「しょうがないのはお前だよ!」

どうも、グラニュー糖*です!

現在、「怪奇討伐部完結直前・pixivと同じところまで進める祭り」を開催しております!

こっちでは表紙を載せられないことが本当に残念ですが、楽しんでいただけると幸いです。

本当はイラストを見て読むほうが良いんですけどね!


なお、pixivからそのままドンしてるのでルビやら何やかんやがpixivのコマンドのままになっている場合があります。それを見つけた際はお手数ですがお知らせしていただくととても嬉しいです。もちろんコメントなどもお待ちしております!


ではでは〜

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