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婚活魔術師と不思議なダンジョン  作者: 冬空さんぽ
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主人公の愛剣『百合姫』の最期まで語れなかった設定あれこれ

 このページには本編で語る余白が無かったけれどこれだけは伝えたかった主人公バルの愛剣『百合姫』の設定あれこれについて最期に書かせていただこうと思います。



◆百合姫について

 実は本編では名前ばかりで詳しい解説が無いにも拘らず設定が無駄にあれこれある武器です。

 もともと百合姫はバルが剣の訓練をする際に母親から買い与えられた無銘の剣です。

 それに彼が『百合姫』と名付けた事が全ての始まりです。

 彼はその剣を大切に大切に扱いました、それこそ『姫』を扱うような丁寧さです。

 それでもある日までは普通の剣でした、ある日までは・・・・・・。


 場面は変わり神々の世界、そこにある一柱の女神が居ました。

 彼女は親友に裏切られ許婚を奪われてしまい絶望の果てに堕天する事を決意します。

 彼が一時でも愛したこの身体のまま生きていくのが辛かったのです、彼女を突き動かしたのは変身願望でした。彼女は天を下り新たな生を受けます、精霊としての生です。


 最初はただただ彷徨い歩く日々、やがて彼女は孤独に苛まれる事になります。

 男女の仲の煩わしさから解放されるべく「精霊」に成り下がったにも関わらず彼女ももとは女神であり男性を求めてしまったのです。皮肉なものです。


 彼女は果てしない時をさまよい歩きました、そしてある時ど田舎の寂れた港町に辿り着きます。

 そこで見つけた少年に彼女は心惹かれてしまいます、自分の手にする剣に『百合姫』なんて可愛らしい名前をつけている所なのか、その姫と呼んで大事に剣を扱う様子に微笑ましさを感じてしまったのか。

 彼女は彼の傍にいたい、例え女神として・・・・・・女としてでなくてもいい。誰かに大切にされたいと願いその剣『百合姫』に宿る事に決めました。


 『百合姫』を振るうバルは知り得ない事ですが高位の精霊はその精霊が認めた武器・防具・道具……時には魂等に宿りその持ち主に力を貸す事があるのです、それはある種の精霊の気まぐれ、もしくは習性のようなモノなのです。


 しかしここで問題が発生します、バルはお世辞にも剣士として優れていなかったのです。

 努力はしていますがその才能は並で、魔術もちょっと人より上手に使える程度でした。


 彼女が……戦に関係ない女神であったならそれほど剣や魔法の拙さを気にしなかったかもしれません。

 人間の目線で見れば「歳の割りにいい腕」でもその女神の目線で見ると「これでは巨龍の一匹も狩れないじゃないか!」という映り方になってしまうわけです。


 彼女……人々からは信仰されていませんが魔物からは「地上進出を阻む陽の戦女神」として畏怖されている彼女からすれば……自分が入れ込んでいる男がそこらの魔物にすら劣る腕なのは面白くないわけです。


 そこで彼女は彼をこっそり応援する事にしました、精霊としての全身全霊をかけて。

 されどわざわざ声をかけたりはしません、彼女はあくまで「大事な剣」として愛されたいわけですから自ら声をかけたりせず本当にさり気ない助力です。


 時に「剣を神に相応しい剣」と化す神の言葉を何故か思い浮かばせるよう仕向けたり。

 その文字を何故か鞘の内側に刻みたくなる衝動を描きたてたり。

 剣と魔法の合わせ技である「魔法剣術」を思いつかせてみたり。

 魔法剣術で連想する「理想の剣士」を最盛期の自分の身のこなしにすり替えたり。

 現代に残ってない飛行魔術の本の内容を夢の中で読めるようにする程度の助力である。


 本人は〝さりげない〟と考えているが見る神が見れば〝通常有り得ないほどの肩の入れよう〟であった。


 それから十年以上の歳月を彼と過ごした、それでも彼は彼女を大切に扱う。

 時に指導のために時に魔物との戦いのために。

 彼の愛情に比べ自分の愛情は密やかな物だ、それでも彼は彼女を見限らない。最高の相棒として振るってくれる。


 今日も彼は私を振るう、まだ見ぬ世界を志す若い冒険者に道を示すために……。


 ……という設定があります(長い)


 以上で蛇足なこの物語の設定についての話を終わりにしたいと思います。

 他にもいろいろ設定はありますが聞いて面白い設定でなおかつ本編に書きたくても書けなかったのは『百合姫』の設定ぐらいだったのでここまでで終了にさせていただきとうございます。


 長文失礼しました、ここまで読んで頂きありがとうございました!

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