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転生してもマイペースに生きています。  作者: カラーレス・T
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精獣の儀

「さぁ、シャル着いたよ」

本のことを考えていたらお父様に声をかけられ思わず肩が揺れてしまった。


「ふふ、考え事かい?」

ビックリしていたことがばれたらしい。

「はい。儀式が終わったら図書室に行こうと思っていますの。どんな本があるのか今から楽しみですわ。」

「本当にシャルは本が好きなんだね」

馬車を降りながらお父様と会話をかわす。


神殿に行くまでに王宮を通らなければいけないからお父様と歩いているけれど周りがウザい。

ヒソヒソこちらを見ながら話してる。


そりゃこんな子どもが居たら目立つのは解るけどあからさますぎでしょ。貴族なんだからそれくらい隠せや。っけ。


「キル」

「おぉ、ニール」


お父様に親しげに話しかける紳士がいました。ちなみにキルが愛称でキルラントがお父様の名前です。


「帰ったはずの君が可愛らしいお嬢さんと一緒にいると話しを聞いてね。見に来てみたけど確かに可愛らしいお嬢さんだ」

紳士の方は私を見ながらお父様にいった。うん。ダンディな紳士だね。


「あぁ、娘のシャルネーゼだ。シャル」

お父様に促されたので挨拶します。

初見の目上の人と話すとき貴族の娘は必要以上に喋ってはいけないらしい。親しくなれば違うけどこれ破るとかなり煩く言われる。めんどくさいことだ。


「お初に御目にかかります。シャルネーゼ・アニスと申します。」

ここでも淑女の挨拶。

「これはご丁寧に。私はニルベール・モーリス。君のお父さんの友人だ。」

そういいながら私の頭を撫でてくれました。

恥ずかしくて顔赤くなったんだけど。


「おい、ニール。勝手に撫でるな。」

「いいじゃないか。減る訳じゃあるまいし。」

「いや、減る。私がシャルを撫でる機会が減る」

「なら息子の嫁にくれ。息子なんて可愛くないからな。こんな娘が欲しい」

「断る!シャルはどこにも嫁にやらん」


なんか子どもの言い合いみたいなのが始まったんだけど。

むしろニルベール様がお父様のことい弄ってる?なんか周りの人達またかみたいな顔してるけどいつもなの?まぁ、私に対しての視線無くなったからいいけど。


「で、冗談はこれくらいにしておまえはシャルネーゼ嬢を連れて戻ってきてどうしたんだ?」

「おっと、そうだった。これからシャルに精獣の儀を受けさせるためにな」


散々お父様を弄ったあとニルベール様が話を戻してくれた。


「ほぉ。まだ幼いと思うがいいのか?」

「あぁ。我が家は10歳で行うからな」

「なるほど。ではあまりここで足留めも良くないな。では、シャルネーゼ嬢、儀式の結果が良くなることを祈っているよ」

社交辞令でも祈らないでいいよ。結果がよかったら面倒ごと一直線だし。

「ありがとうございます」

もちろんそんなこと思ってても顔には出さないけど。


「…本当におまえの娘か?礼儀正しくないか?おまえがこれくらいのときって」

「煩い。正真正銘オレの娘だ。」

「奥方の教育のお蔭か。おまえに似ないでよかったな」

「余計なお世話だ」


ニルベール様がニヤニヤしながらお父様で遊んでいる。うん。これは遊ぶが正しいかな。お父様いつもの私からオレに一人称が変わってるし。面白い。


「じゃあ、オレ達は行くな」

「おー、じゃあな」


ニルベール様と別れて再び神殿を目指す。ニルベール様はじめはダンディな紳士って感じだったけど違った。あれは人で遊ぶのが好きなタイプだ。あまり会わないと思うけど会ったときは要注意だ。


「じゃあシャル、私は儀式の間は神殿に入れないからここまでだ。執務室にいるから終わったら人を遣しなさい」

ニルベール様を要注意人物に認定してる間に神殿に着いたらしい。お父様は宰相をしている。はじめて知ったときは家族にデレデレな人で大丈夫なのか心配だった。でも仕事中はクールビューティをしているらしい。じゃなきゃ一国の宰相なんて務まらないか。


「わかりました。ではいってまいります。」

「頑張っておいで」


お父様と別れて神殿の内部へ足を踏み入れる。

「シャルネーゼ・アニスと申します。精獣の儀を受けに参りました。」

近くにいた神官に声をかける。

「わかりました。では儀式を行う部屋へご案内いたします。」

事前に知らせておいたためすんなり部屋まで通される。


「ではこちらの部屋で祈りを捧げてください。時間がきましたらお迎えにあがります。」

そういって神官は出ていった。


部屋にはテーブルとソファが置かれておりテーブルの上にはティーセットが置かれている。精獣に応えて貰えなくても退屈しないように本棚まである。普通の部屋と変わらない。唯一変わるのが床に陣が描かれていること。

この陣の中で祈り精獣の応えを待つ。


「さっさと終わらせよ〜」


私は陣の中心に跪き手を組み目を瞑る。

いらえ、いらえ、精獣よ。いらえ、いらえ、我の盟友よ。

我はシャルネーゼ・アニス。我の声を聞き届け我の友として契約を。ル・ブェルル・シャイン」


言の葉を唱え暫く待ってみたがなにも変化なし。

よかったぁ〜。あとは時間を潰すか。

ホッと一息ついて目を開いた瞬間私は固まった。


「え?」

目をこすりもう一度見てみる。やっぱり気のせいではなかったか。


目の前には精獣がいた。

しかも2匹。


マジかよ。え?えぇ?なんで精獣いるの?しかも2匹。精獣って滅多に応えないんじゃないのぉ?

ココでもチートかよ。



ニルベールはいつもお父様で遊んでます。

よく昔のことを引き合いに出される。幼馴染なんてそんなもん。


多分そのうちまた出てくるかな。

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