勝負の後
遅くなりました。
明けましておめでとうございます。今年も頑張ってかいていきたいとおもいます。
応援よろしくお願いします
「シャル!」
スタジアムを出るとマルクル達が待っていた。
「怪しい人間居ましたか?案の定来ましたわ。やはり視界が悪くなったときに毒を塗ったナイフが飛んできましたの」
そういって飛んできたナイフを皆に見せる。
「やっぱりかぁ。これも死道?」
「多分そうですわね。ディアがいま居ないので確かなことは言えませんが…」
「なんでディア?」
「前の毒もディアが調べてくれましたの。」
「さすが精獣。そんなこともできるんだ」
いや、多分聖獣のディアだけかな。
『シャル。ナイフを投げた奴が入り込んだ場所がわかったぞ』
戻ってきたディアの第一声。
「まぁ、それはどこですの?」
『この学園の敷地内だ。教授とかいうやつらが多かった』
と言うことは教授が実行したか、手引きをしたかかな。うーん、判断材料が少ないから断定出来ないな。
「やはり、まだ泳がせた方がいいですわね。判断材料が少なすぎます」
「そうだね。多分主犯じゃないだろうから繋がりも確認したいしね」
「だか、そうするとまたシャルが危ないぞ?」
「あら?私はそこまでか弱くないですわ。それに警戒する対象が絞られてますし、ディアも居ますから大丈夫ですわ」
お兄様とフィルベルト殿下と言葉を交わし、サラ達に向き直る。
「私と居ると危険ですわ。まだ間に合います。私から離れてください」
さすがに私のせいで皆を傷つけたくない。いま離れればまだましなはず。そう思って言った言葉は、3人に拒否された。
「「「い・や‼」」」
「え⁈」
「だってオレ達もそこまで弱くないしな」
「そうね。これでも特別クラスだし」
「ここまできて友達見捨てるなんてできないよ」
リューク、サラ、マルクルの順に答えてくる。
「でも、危険ですのよ?私にはディアが居ますから害せないと思った後皆が標的になるかもしれないのですよ⁈」
「それもわかってるぞ。それでもオレ達はシャルと友達を辞めたくない」
「そうね。まだ出会ってから数日しかたってないけどシャルは大切な友達よ」
「それに困った時はお互い様っていうだろ?泳がせて見張るにしても人が多い方がいいしね」
3人の顔を見る。意識は固いようだ。なら私が言うことは1つ。
「…ありがとう」
皆の安全を考えたらここで私が折れちゃだめなんだろうけどね。本当はかなりホッとしてるのも事実。この3人の友達を無くしたく無かったみたい。
顔が紅いのは気にしないでくれるとありがたいけど、
「シャル可愛いー。お礼言うのに照れてるー‼」
そんな叫びと共にサラに飛び付かれた。
「て、照れてませんわ」
「シャル、顔紅いぞー?」
サラに反論したらリュークにからかわれた。リュークのくせに‼マルクルもニヤニヤしないでよ!
「と、とりあえずディア。このナイフに塗ってある毒はなんだかわかる?」
なんとかサラを引き剥がしディアに気になっていた毒の種類を確認する。
『これも死道だな』
「やっぱりそうなのね」
予想があたり思わず眉間にシワがよる。
「シャル、顔が怖いよ」
眉間を指しながらお兄様に注意された。
深呼吸をし、気分を落ち着ける。
「ごめんなさい。お兄様」
貴族たるものそうそう感情を表してはいけない。特に負の感情は滅多なことでは表してはいけない。これが我が家の教えなのです。それを破ったからお兄様に注意された、ということ。
「シャルはいま何を思ったの?」
先程の顔をバッチリ見たらしいサラが聞いてきた。
「ナイフを投げるなんて他者を巻き込みかねないことをされたことが不快だったのです。2回とも視界の悪い中でしたし、それて別の誰かに当たったら?当たらなくとも刃の部分を別の人が触ってしまったら?ディアが居る分、私が毒に倒れるより他の人が巻き込まれる可能性の方が高い気がして…。そしてそれは私の周りにいる人達が可能性が高いのです。巻き込みたくない。もう協力してもらう時点で遅いですが…」
思わず早口になってしまった私をサラが抱き締めた。
「大丈夫。さっきも言ったけど私達はそこまで弱くないし、殿下やシャルのお兄様なんてもっと強いわ。毒に関しては怪しい物はハンカチかなんかを使って直接触れないようにする。だからシャルが不安に思うことはないんだよ?」
「サラ…」
「サラの言った通り。だからシャルは気にしないで」
「そうそう。特にマルクルなんてしぶとそうだし?簡単に倒れほうに無いな」
「マルクル、リューク…」
「だからシャルが責任感じる事なんてないし、こうやって不安なんかを話してくれるほうがうれしいのよ?」
「シャル」
「お兄様…」
みんなに対して言葉が出ないでいるとお兄様に声をかけられた。
「いい友達に出会ったね」
「はい!みんな、ありがとう」
今度は満面の笑みでみんなにお礼が言えた。