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クラフトアルケミスト"第三部"海底底中のヴォイド・レイヤー ~重力は買収されました。至高の青春は、逆流の中にしかないのです~  作者: モカルドルラテ(ねこちぁん)
【兎姫の章】さかさまの海流商店街

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RssW.03:熱対流の水平線なのです!――膨張する温度、熱力学の連送

【場所】垂水海底ドーム最上部・『海上サーマル・テラス』

ドームの「蓋」にあたる海上エリア。ここには海底のような激流チューブは存在しない。代わりに、静寂の中に巨大な「重力平衡タンク」が水平に並んでいる。かつて水を重しにして昇降したエレベーターの原理を横転させ、温度差による体積変化と浮力の移動を利用した『熱対流トランスポーター』が、音もなく住人を運んでいく。


アリシア

「海底の動力が『圧力』なら、海上の動力は『温度』です。この輸送システムは、お湯と水の密度差を利用した完全な自律循環。タンク内の流体が熱せられ膨張(ρ_hot < ρ_cold)することで、

カウンターウェイトとの平衡が崩れ、推進力が生まれます。


dQ/dt = m * c * ΔT


熱量を加えるほど加速し、冷やすほど停止する。新平さん、この『ぬるま湯』のような水平移動こそ、あなたの低賃金な人生にふさわしい、緩やかな絶望だと思いませんか?」


咲姫

「にゃうにゃ!激流を抜けた先の、この陽炎かげろうのように揺らぐ平面世界。お湯が流れ込み、冷水が弾き出されるたびに、レイヤーが熱で歪んでいく。サクッ!蜃気楼の向こう側に消えていく新平の背中……至高の余白なのです!!」



【移動:熱対流のゆりかご】

新平

「(ゆっくりと横に動く巨大な水槽タンクの中で、お湯に浸かりながら)……さっきまでの激流が嘘みたいだ。でもアリシア、これ移動手段っていうか、ただの『動く露天風呂』じゃないか!隣のタンクに冷水が注がれるたびに、僕のいる方が押し出されていく……。……あ、ダメだ、温度が絶妙すぎて、抗う気が失せていく……」


うさちぁん

「(自分の酒樽をお湯に浮かべ、熱燗にして楽しみながら)ヒック……!新平くん、これが『熱力学の抱擁』だよぉぉ!急ぐ必要なんてないんだよぉぉ!お湯が冷めるまで、私たちはこの水平線の一部になっていればいいんだよぉぉ!!」


未生

「(湯気でレンズが真っ白になりながら、奇跡的にピントを合わせる)ああ……!蒸気の向こうで、輪郭が溶け始めた先輩……!熱膨張で歪んだ空間が、先輩の存在を『概念』へと昇華させていく。この温度差、私の心臓の鼓動ビートと共鳴して、もうシャッターが止まりませんぇぇ!!」



【海上サーマル・テラスの特性】

平面移動:高低差のない「平面帯」での、熱対流による緩慢な輸送。

激安店エリア:海面に浮上したばかりの「激安キャベツ」が、お湯の熱で勝手にボイルされている。

報酬:移動時間はかかるが、アリシアにより「入浴料」として別途22NkQを徴収。


猫二

「にゃ……。……あ、今、僕のタンクにプリンのカラメルが注がれて、適温のプリン風呂になったにゃ。……膨張して、浮いて、流される。……もう海底に戻る理由が見当たらないにゃ……(完全な脱力)」



湯気と陽炎が混ざり合い、海上の水平線が曖昧に溶けていく。咲姫のレンズが捉えたのは、熱対流に身を任せ、抗うことをやめた人々の、茹で上がったような「至高の幸福感」だった。


咲姫

「サクッ!全員、温度の迷子になって蒸発するのです!!」


(RssW.04へ続くのです!)

着想としては、滑車を使った物の上下。そのまま使ったら面白くないので、横にしてみました。横にするだけじゃ無意味なので、湯と水の寒暖差を利用した水流の移動をミックスしてみました。

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