5話 決着の時、そして夢の中
「やっぱりまだあんたも力を隠してたのね。実にうれしいわ、そして今だけは私とあんた2人だけの時間ですわよ!全力で楽しみましょう!!」
強い者との戦闘をもっと楽しみたいミリーナは大男のタフさに喜んだ。
今のミリーナにはこの大男しか見えていない。
「かっかっかっか、儂も昔は戦闘が好きでな色々なやつらを殺し回っていたな。しかしそれよりももっと嬢ちゃんは戦闘が好きらしいな。だがよ、この勝負一瞬でけりをつけてやる。」
大男は言い終わると同時に魔法を発動してきた。
「<破壊の王よ、儂に力を授けたまへ!破滅砲!!!>」
大男の手には巨大な玉が生成されていった。
次の瞬間には10m以上もある巨大な玉が完成されミリーナのほうに解き放たれた。
しかしそんな状況でもミリーナは余裕の笑みを浮かべた。
「一瞬でけりをつけると言うから少々警戒してたけど、そんなものでこの私が倒せるとでも思っていたのか
しら?<深淵への道>」
その瞬間ミリーナの目の前に穴が開き、次の瞬間巨大な玉は吸いこまれていった。
<深淵の魔法>はほとんどの魔法を飲み込み深淵に送るというものだ。
ただ強すぎるが故戦闘を楽しみたいミリーナは普段使いはしない。
ミリーナが魔法を吸い込むという普通では考えられないことをしたにもかかわらず大男はとくに驚いた様子も見せなかった。
「うむ、どうやらそうらしいな。まぁしかし魔法がダメなら接近戦で倒すのみだ <黒雷の剣>」
「そうね、よかったわ。もしあなたが魔法だけしか使えない雑魚なら私の圧勝で実につまらない展開になっていたからね <終焉の桜刀>」
ミリーナも得意な刀を召喚し近接戦にそなえた。
「面白い冗談を言うではないか。もし儂が魔法しかつかえれなくても先ほどの技を封印し戦ったのではないか?」
大男はそう言いながらミリーナに近づき自身の体重をのせ剣を振り下ろした。
ミリーナの外見はか弱い女の子と言っても差し支えないくらいで
大男の剣を止めることなんて本来不可能なはずなのにも関わらず、
ミリーナはいともたやすく受け止めていた。
ミリーナは無傷だった。
しかし2人の周りは無事ではなかった。
その一瞬の攻防だけで周りの草木はすべて消えさり地面は抉れた。
しかし戦闘モードに入っている2人はそんなことは気にも止めずに戦う。
ミリーナは大男の近くに移動し刀を振り下ろした。
大男はその一太刀を受け流すと後退していった。
「そこよ!」
ミリーナが後退する大男に追撃をしかけようとして前にでると目の前に雷が落ちてきた。
「へーあの剣こんな効果もあったのね、けどもう通用しないわよ。」
ミリーナは大男から十分な距離をとれたと確認するまで引き
再び大男に向かって走っていく。
「遅いわね雷さん、私に当たりたいのなら今より10倍速くなることね!」
ミリーナが雷をよけながら来ると分かっていたのか大男はミリーナが目の前に来た瞬間にあらかじめ隠していた10個もの<毒玉>をミリーナに向けて放った。
「これは・・・毒?ふん、この程度で私を止めれると思っているのなら心外だわ?」
ミリーナは向かってくる<毒玉>を切っていった。
ミリーナが全て切り終わりドヤァってしていると
切ったはずの<毒玉>が合体しミリーナを覆いこもうとしてきた、
ミリーナは驚きながらも完全に覆いこまれる前に自分自身の体から魔力を放出させて毒を吹き飛ばした。
「あんたおもしろい攻撃してくるじゃないの。」
刀を大男の方に向けて言った。
そして「次は私の番ね」といわんばかりに、
<火の精霊たちあのものに終焉の業火をお見舞いしなさい!!!>
ミリーナが叫ぶと、大男のまわりに今までミリーナが見せてきたものとは比にならないような火の渦が出現した。
戦闘開始から数時間後
「はぁはぁはぁ、あんたしぶとすぎじゃない?もうとっくに死んでもいてもおかしくないはずよ。」
ミリーナは息を切らせながら大男に向かってそう言うと、
「くはぁ、くはぁ、儂でもこれ以上はきついかもしれんな。だが嬢ちゃんだってそれは同じことではないの
か?」
そうミリーナだって自分と互角かそれ以上のやつと戦っているんだ、無事なはずがない。
しかし、
「ええ体の至るところが痛いわ、でもね不思議と楽しいのよね。久しぶりに味わえるこの感覚が。」
片手に刀を持ちながらそう言うミリーナの姿は戦闘狂といっても過言ないくらいに見えるだろう。
「でもね、さすがにもう決着をつけましょう、じゃないとこのまま仲良くあの世行きよ。あなたもそれは嫌でしょ、だから次の攻撃で最後にするわ。」
「ああ、そうしてくれると助かる。」
大男はボロボロの体でそう言うと剣を構えた。
しかしすでにミリーナに攻撃を与える力はもうほとんど残っていないのだろうか、
大男から攻撃を仕掛ける様子はない。
大男が狙っているのはミリーナの全力の一撃を受け止め満身創痍になったミリーナにとどめをさすことだ。
ミリーナは自分が出せる最もはやいスピードで大男に迫っていった。
大男はミリーナの攻撃を防ぐために剣を前にだした、
ミリーナはその一瞬で大男の意図全てを読み取った。
だが引くことなんて絶対にしないだろう。
なぜならこの瞬間はミリーナにとって最高の時間なのだから
力が拮抗しているときにおこる最後の最後の純粋な力比べ
勝った方は生き残り、負けた方は死ぬ
こんなにもシンプルな戦いなのにこれほどおもしろいものは他にない。
刀と剣は火花をあげながら交差する。
しかし、それは一瞬の出来事
次の瞬間剣は折れ、刀が大男の体に入り込む。
刀は大男の体を切り裂いた。
大男なその大きな体が2つに割れ地面に倒れた。
ミリーナはフラフラになりながら大男の方を見た。
そうすると大男は独り言なのかミリーナに言っているのか分からないくらいの声の大きさで、
「ああ、お前のその全力の顔を見てやっと思い出したぞ。貴様があのときの・・・チッ、クソ魔王この世界が崩壊したらてめえの・・・」
ミリーナは微かに聞こえたその言葉に疑問を感じ、
「どういうことかしら?」
ミリーナは問いかけたが返事は返ってこなかった。
大男はもう息をしていなかった。
ミリーナはさすがにここで倒れるのはマズイと思いその場から町まで帰ろうとするが、さすがに疲れたのか倒れこんで寝てしまった。
そしてミリーナは夢で自分自身の過去を見た。
そうミリーナ自身ですら忘れていた過去を・・・
『ミリーナ聞こますか?ミリーナ?』
女の人が私の名前を呼んでくる。
はい、はい、そんなに名前を言われずとも聞こえてますよ!
『あう、あう!』
へ?ミリーナの声とは別の方から声がしてそちらに視界やると
『おお、ミリーナさまが今お母さまの言葉を理解しましたよ!』
お母さまと呼ばれている人の隣にいる侍女ぽい人がそう興奮したようのに言った。
ミリーナさま?
ミリーナはお母さまとよばれてる人と侍女ぽい人が見ている方向を見るとそこには赤ちゃんがいました。
なに?この空間は?
なんであの赤ちゃんが私になってるの?
ていうかなんで誰も私に反応してくれないの?
そんなことを思っているミリーナのことなんてお構いなしに急に視界が回り初めた。
ミリーナが目を開けると
そこには大きなテーブルがあり4人が食事をとっている場面でした。
『ミリーナ今日こそはパパと一緒に遊びにいくぞ!!』
『いやです、今日もおうちで魔法の勉強をします。』
『そこをなんとかしてくれよ、たまにはミリーナと遊びたいんだよ。』
なんですの、これは?
あのミリーナと呼ばれている5歳ぐらいの子供が私だとして
今の会話から推測するにあの人が私のお父さんなの?
いや、違うわ!私のお父さんはもっと...
もっと...あれ?お父さまってどんな顔だった?
ミリーナは思い出そうとするのだけどどうして思い出せれない。
必死に思い出そうとしていると、また視界が回り始めた。
ミリーナが目を開けるとそこは・・・
広場だろうかミリーナがあたりを見渡すと
中央にお父さんとお母さんが倒れており、そのすぐそばに10歳ぐらいと思われる泣いている私がいた。
そしてつい先ほど戦い敗れた大男
大男の手には血が付いた剣が握られている。
『なんでお父さんとお母さんが殺されないといけないの!』
さきほどまで泣いていた10歳のミリーナが大男に聞くと、
『ああ!?なんでだ?それはなお前が<神血>を持っているからだ。いいか<神血>を持ってるやつはいずれ己の力に制御が効かなくなりすべてを破壊しつくす。だからよ本来なら生まれた瞬間にでも殺さなくてはならねぇんだ、だがこいつらはそれをしなっかた。こういえば分かるか?』
10歳のミリーナは今言われたことが理解できないのか理解したくないのか黙っていた。
大男はさっさと終わらすかと思ったのか
『おいガキ!せめてもの情けだ楽に死なせてやる!』
大男は剣を振り下した。
ミリーナは10歳のミリーナが殺さると思い、大男に攻撃をしたがその攻撃は大男を通り抜けて消えてしまった。干渉できない以上万事休すかと思ったが、
大男の攻撃が10歳のミリーナにあたろうとした瞬間光が放たれた。
10歳のミリーナが毎日毎日練習してた魔法だ。
大男は突然のできごとに剣を離してしまった。
10歳のミリーナは逃げてもどうせ殺されると思ったのか、大男が怯んでいる間に剣を取り自分のすべての力を使い大男めがけて振り下ろした。
そのときには大男の目は見える状態になっていたが体が動かなかった。
いや、あえて動かなかった。
なぜならいくら<神血>を持っていようとまだ覚醒前、つまり大男の体に剣があったたところで仕留めれるわけがないのだから。
その事実を証明するように10歳のミリーナが放った剣はいともたやすく弾かれた。
そしてその事実に10歳のミリーナはどうやっても自分には死しかまっていないんだと悟りその場に座り込んだ。
大男は剣を持ち座りこんでいるミリーナのもとに行き、剣を振り下ろした
『死ね、<神血>をもって生まれてきたもの!!』
誰もが死んだと思う場面
現にミリーナも10歳のミリーナそして大男もそう思った。
だが10歳のミリーナは死ななかった。
『おい、貴様何をしている』
そう威厳のある声が聞こえた。
その男の手には10歳のミリーナの首を跳ね飛ばすはずだった剣が握られていた。
『誰だお前は!なぜ<神血>を持ってるやつを庇う!』
大男はそう言うと
『何を言っている?<神血>をもっていようがこいつは人間だ。』
『お前はバカか、そいつが覚醒する前に処理しとかないとこの世界自体が崩壊しかねないんだぞ。しかもお前が今そいつを庇ったとしてもいつかお前はそいつにいつか殺されるだろう。それなのに何故庇う?』
『そうだな、方法はお前に言うつもりはないが俺は覚醒したやつらをマトモな状態にする手段を持っているからだ。』
そう堂々と言った
大男は意味が分からないという様子で
『何をバカなこと言っている、そんなことできる訳ないだろう!それにもしできるなら何故お前は人間どもにその方法を教えない』
『明白なことだ、<神血>をもっているやつらを覚醒させないようにするためには<神血>と同等もしくはそれよりも強いを力をぶつける必要があるからだ、要するに人間どもの力ではどう頑張っても無理だ。ではお前には覚醒したものと同等の力があるのかっと言いたげだな、お前も魔族ならば俺の名を一度ぐらいは聞きたことがあるだろう。』
『俺の名は魔王イヒタ・ガーライア』
へー、こいつが最強の魔王イヒタ・ガーライアなのね・・・・
ん?
え?え?今こいつ自分のことを魔王って言ったよね!???
やっと、魔王様が登場しました。おそらく次々回ぐらいからこの物語の主題であるミリーナが魔王様のために全力を尽くしていくと思います。




