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エターナルリプレイ  作者: ドン
リプレイ1回目~剣士への道
20/23

リプレイ1回目(13)

後方では相手の騎馬隊にムーアたちはかなり苦戦していた。あたりを見回すと、死んだやつこそ少ないようであったが皆傷ついている。状況は非常にマズイ。


「おらおら!!こっちにかかってこいや!!」


ムーアは大声をあげ、敵の注意を少しでも自分に引き付ける。


「そら!“爆烈斬”!!」


ムーアが大きく飛び上がり、斧を振り上げそのまま目の前の騎馬兵に向かって振り下ろす。ムーアの体と斧が光り輝く。騎馬兵もあわてて槍を掲げ、それを防ごうとするがムーアの斧は槍をいともたやすく両断し、そのまま人間と共に馬をも両断した。そのまま地面までめり込んだ斧は半径5メートル内の地面をも爆ぜさせた。



ゴォォオオオオン!!!!!

近くにいた盗賊の2人が爆風にやられて落馬する。



「ちっ!相手にも気の使い方がうまいやつがいるらしいな。」


スキルを使えるやつがいたとは少々誤算だ。盗賊の頭領であるグースは側近に向かってそう漏らすと、大きく声を張り上げた。


「余裕のあるやつぁ、そのハゲを狙え!!スキル使ったばっかで、気が弱まってるはずだ!今がしとめ時だぞ!!」


おう!!その声におえて、ムーアに何人か盗賊たちが殺到する。



「くそ!統率が取れてやがる」

内心で思い切り舌打ちをしたくなる。人数は多いわ、統率は取れてるは並みの盗賊とは思えなかった。

「ったく、マジでついてねぇ。」

思わず愚痴が口をついて出たが、愚痴ってもしょうがないと思い直して迫りくる敵に応対する。



「隊長!助太刀するぜ!」

そう言ってグレイがムーアに殺到する盗賊の一人を引き受けた。周りからも仲間の加勢が入る。少し余裕のでたムーアはシュンがいないことに気づいた。


「おい!坊主がいねぇじゃねぇか!」

「あいつは前の方に加勢に行ったよ!」


なるほど、死んではいないらしい。あんな若造に死なれちゃ目覚めが悪い。


「なんとしても生き残るぞ!!」

「「「おう!!!」」」




◇◇◇



前衛の方はかなり戦力が拮抗していた。というのもどうやら敵は余剰戦力を商隊の中心部に差し向けて馬車の積み荷を物色しているらしい。なにかがおかしい。


シュンは冷静に状況を分析していた。普通の盗賊なら相手を全滅させるか完全制圧してから荷物に手をかける。荷物を物色している間に殺されたんでは割に合わないからだ。獲物は確実にしとめてじっくり味わう、それが盗賊の流儀のはずだ。なのにこいつらはまだ護衛たちが抵抗しているのに、なぜ荷物の物色を始めたのか・・・



ほかに目的がある!!



「頭!見つけやした!!」


シュンがそこに思い至った時、ちょうど荷物を物色している男の中の一人が少し長めの木箱を掲げあげた。




◇◇◇



押しきれていない。それがグースの正直な感想だった。30人以上の手下を動員して押し切れなかったのは久しぶりのことだった。慢心していたのかもしれない。


「へっ!盗賊は臆病になってなんぼのもんなのによ」


グースは内心反省していた。悪戯に手下の命を失わせるのは彼の本意ではない。思った以上に苦戦しているこの状況にグースは歯ぎしりした。


「頭!みつけやした!!」


遠くから手下の声が聞こえてくる。その声にグースは口元を釣り上げた。


「やっとか。ふん!土産にあの禿の頭でも持って帰るか」


そう言ってグースは、乱戦状態にあるムーアに向かって馬ごと突っ込んでいく。



「自分だけがスキルを使えると思うなよ!!“三連川”!!」


グースの右腕と槍が光ったかと思うと、瞬間形がぶれて見えなくなる。かわりに三条の残光が川の字を描く。ムーアはグースの攻撃には気付いたが、敵に抑え込まれた状態では反撃はできない。


「ぐ!!」

「ぐぁああ!!」


二つの悲鳴が重なる。




「・・・グレイ!」


ムーアは肩を槍に刺されていたが、本来なら心臓と腹に受けていたはずの槍を、自分の前に割り込んで代わりにグレイが受けたようだ。


「ふん!運のいいやつめ、引くぞ!!」


グースが右手を上げると、「ピーーーーーーーーーー」甲高い笛の音が響いたかと思うと、盗賊たちはいっせいに退却を始めた。素早く引きながら、仲間の死体をも回収していく徹底ぶりだ。条件反射に護衛たちは追撃しようとする。


「追うな!分が悪い!!」

「生き残ってるやつは怪我をしてるやつの治療にあたってくれ!」


矢継ぎ早に指示を飛ばしたムーアは、目の前のグレイを抱き起した。出血がひどい。


「くそ!」


一目で助からないと思った。こんな場所でできる治療などたかがしれている。グレイの傷は鎖骨と胸に対する刺し傷であったが、胸の傷は肺を貫き、鎖骨の傷はその下の血管を傷つけたらしい、どす黒い血が溢れ出ている。


「くそったれが!」


二度目の呪詛を口にするとムーアは、グレイを抱き起し馬車まで運んだ。


「状況はどうだ?」

「やられたのは護衛が7人、商隊の人間が5人、重症者も3人ほどで絶望的です。ほかの人間は少なかれ傷ついていますが命に別状はありません」


思った以上に状況が悪かった。寧ろ相手が引いてくれたのがよかった。あのまま戦闘を続けていたところで負けていた。それを悟らざるを得ない状況だった。


「手当を急いでくれ!」


ムーアはとりあえず目の前の状況を改善することに決めた。




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