第二十一話 決着
「もう……勘弁してちょうだい……」
目の前のアルラウネは姿を戻し、ひどく疲弊した状態でそう言った。
結果的に最後の一撃となった俺の正拳突きで、周りの木々とぶつかりながら奥に飛んでいき、かなり遠くの地点でのびていた。
どうも俺は、このアルラウネをとことん吹っ飛ばす技ばかりのようだ。いや、まぁ、他の魔物にも効くんだろうけどさ。
「で、ラウさんを元に戻すことは出来るのか?」
ともかく、俺はこのアルラウネと戦う主な理由になったこの事をアルラウネに問う。戻せないなら、目的は半分程度しか達成できない。まぁ、ラウさんを元に戻せるかは、不明なんだが。
「可能だけど……アルラウネとして身につけた能力は全て失うわよ?」
アルラウネから人に戻るんだから、当然のことのはず。何故そんなことを言うんだ?
「その子、私に捕まったときと何ら変わらない能力に戻っちゃうんだけど、それでもいいの?」
……これは困った。
ラウさんは、このままアルラウネの姿で居続ける代わりに、普通では手にできない力を持ち続けることが出来るし、捕まった時のまだまだ弱いパラメータに戻る代わりに人間に戻ることも出来る。
ラウさんのプレイスタイルにもよるが、この二者択一は今後のゲームの進行の仕方に大きく関わっている。しかし、これはラウさん本人しか選べないことでもある。
「どうするんだ、ラウさん?」
だからこそ、俺はラウさんに質問した。
ラウさんは酷く悩んでいる様子で頭を抱えている。だからといって、俺たちが決める訳にはいかないので黙って見続けるしかなかった。
最終的に三十分ほどかけてラウさんは戻らないことを選択した。
アルラウネの姿で戦闘や行動をするのに慣れて、今さら人間に戻るもあれだと思ったらしい。
それがラウさんの考えなら、俺たちが止める理由はない。
そんな訳で、一連の迷いの森の出来事は終わりを告げた。
因みにその後、町にラウさんと共にいくと、ラウさんは町いたプレイヤーから質問にあっていた。
その姿になった理由だったり、戦闘や行動はどうしているのかだったりの質問が多かったのだが、実はこんな質問があった。
ラウさんもびっくりしたし、聞いた俺たちも驚いて呆気に取られた質問だったのだが……その質問はこうだった。
「どうやったらその姿になれますか!」
……世の中には、多種多様な人が本当にいっぱいいるんだな、と思った瞬間だった。




