グランディオーソ 【決戦!! マジックコロシアム】 20
[吹雪]:「うー、イテテテ」
[聖奈美]:「く、甘かったか……」
[実況者]:「大久保選手、立ち上がりました!」
[吹雪]:「すげー威力だったぜ……」
[聖奈美]:「直撃の前に、威力軽減の魔法を唱えたのね」
[吹雪]:「ああ、出なきゃ、俺は立ってない」
[聖奈美]:「倒れていればよかったのに……」
[吹雪]:「そんな簡単にはやられんよ。じゃなきゃ、つまんないだろう」
[聖奈美]:「ふん、いいわ。あたしの力、とくと見せてやるんだから」
周囲からは、何故か大きな歓声が上がった。
[実況者]:「さすがは決勝戦、両者、一歩も譲りません」
[繭子]:「ふーちゃーん、負けるなー」
[翔]:「吹雪ー、気合いだー!」
[女性生徒]:「聖奈美ー、その調子でガンガンいっちゃえー」
[男子生徒]:「大久保は疲れてるぞ、押し切れー!」
どうやら会場はもう一段階ボルテージが上がったようだ。
それにしてもだ、さっき喰らってみて分かったが、やっぱり杠の魔法の威力は増幅しているように感じた。威力を軽減してもあんなに俺の体は吹き飛ばされた。一体あいつは何をしたんだ? そんな素振りは見えなかったはずだが……。
[聖奈美]:「いくわよ。――エル・エルジオス、氷の精霊よ、我に力を与えたまえ。――アイスインパクト!」
よく目を凝らせ、杠の動きを読みとるんだ。俺は攻撃を交わしながら、杠をじっと観察する。
[聖奈美]:「…………」
[吹雪]:「ん? 何だ?」
杠のオーラが、さっきよりも濃くなっているような……。気のせいか? さっきまでは気づかないような感じだったのに今ははっきり分かる。
[聖奈美]:「もう一度、――アイスインパクト!」
[吹雪]:「――ライトニングジュエル!」
防御してばかりでは気づかれる。一度ここは攻撃をしておく。
[聖奈美]:「く、……そんなのじゃあ効かないわよ、――ブリザード!」
[吹雪]:「…………」
氷系がほとんどだというのに、こんなにも厳しい戦いを強いられるのは、やはり杠が実力者だってことだろう。いい加減何とかしないと、俺の攻撃は奴に届かない。
[聖奈美]:「ほら、今度はどうかしら?」
[吹雪]:「ちっ……」
[実況者]:「大久保選手、怒濤の攻撃に耐えられるのか?」
よく見るんだ、きっと、きっと何かがあるはず。
[聖奈美]:「…………」
[吹雪]:「ん?」
気のせいだろうか? 杠の口がわずかに動いていたように見えた。詠唱は終わっているはずなのに……。
ひょっとしたら、あいつは本当に単純なことをやってたんじゃないか? このままじゃあどっちみちやられる。温存してきた魔力を使って、一度試してみよう。とりあえず、時間を稼ぐためにも――。




