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1 ドパガキってなんだよ…

これは暇つぶしで書いたものなのであまり真剣に読まないでください。

脳死で書いてます。

 俺は黒瀬涼。16歳、高校生。

 夏休みはスマホを見て時間が溶けるタイプのアホだ。


 ショート動画を見て、長尺動画を2倍速で見て、またショート動画を見る。

 なぜ2倍速なのかって?

 たくさん見たいからだ。

 制作者の努力? 知らんね。もっとドーパミンをよこせ。


 つまるところ、俺は典型的な「ドパガキ」だ。

 ドーパミン中毒のガキ。動画を見ていないと死ぬ種族である。


 ネットで「ドパガキ」なんて言葉を見つけたときは、俺のことを言っているみたいでちょっと誇らしかった。

 友達に自慢したら、

「アホだろ、お前」

 と、冷たい目で言われた。


 なんでだ。


「…どうしてこうなった。」


 そんなダンジョンにあまり興味がないドパガキな俺は近所にあるダンジョンに来ている。

 なぜならば親に「動画ばっか見てるんだったらダンジョンにでも行って有意義に稼いできなさい!」と恫喝された。


 親が子どもに向かって、死地に行ってこいと言っているものだ。

 まぁ死ぬのは、安全マージンを取らなかった馬鹿どもの末路だ。

 そして、俺はそのタイプの馬鹿だった。


 親の小遣いで買った金属のバッドで一階層のスライムを倒して、「雑っ魚www」と笑いながら、二階層、三階層通って降りてきた俺だったが、気づけば五階層まで来ていた。

 普通の探索者ならば、1〜2階層で引き返すらしい。

 階段をダッシュで下ってきてたから、ほぼ戦闘もせずにここに来ている。

 だからこの階層の敵がどれぐらい強いのか皆目見当もついていなかった。


 馬鹿だろマジで過去の俺。何してんだよ。俺の迷惑になるだろうが。

 俺すぐ死ぬカマセ役みたいになってない? 目の前にはでっかいイノシシいるんだから。

 こんな最後は嫌だよ? もっと長生きしたいよ?


 どうやって金属バッドで勝てっていうんだよ。

 今日来たばっかでレベルなんてクソ低いし、スキルだって持っていない。

 だってほぼ戦ってないからね☆


 HELP ME GOD! 


 神に祈っても、大した収穫もなく、魔物から落ちた魔石がずっとポッケに突っ込まれているだけだ。

 祈ってないだって? 誤差だよ誤差。

 ――絶体絶命 これが一番今の俺に似合う言葉だ。

 いや、自業自得、因果応報か? 


 そんな事を考えるよりもまずすることがある。


「……あのー、見逃してもらえたりしませんかね?」


 そう、対話だ。対話が出来れば穏便に解決することが出来る。


 ドシッ ドシッ


 でっかいイノシシがこちらに一歩ずつ向かってきている。

 あー だめだこりゃ 対話できねぇタイプの奴だったわ。


「逃げろぉぉぉぉぉおおお!!!」

『プギィィィ!!!!!』


 ヤバイヤバイヤヴァイ! 元カノに不倫がバレたときぐらいヤバい!


 ―――元カノどころか彼女いねぇけど!

 いや、今そんな事クソどうでもいいんだよ! 逃げなきゃ死ぬ! やばすぎて、死ぬぅ!


パカッ


「はっ?」


 急に足元が開いて、下が真っ暗になっている。

 あ、これ落とし穴だ。


「うわぁぁぁぁぁああああ!!」


 ツイてねぇな、俺。




バッシャーン


「オボボボボボボ!?」


 やべぇ、下が水じゃねぇか!

 早く、早く上に上がらないと!!


 必死に上へ上がろうとするが、全く水面が近づく気配がない。

 それどころか、遠ざかっている気もする。


 ――あ、俺、カナヅチなんだった

 テヘッ☆


 そんな事言ってる場合じゃ…ねぇ―――




「ブハァッ!!? ゲホッ ゴホッ ゥエッ!」


 急に空気が入ってきて、むせ返った。

 おいそこ、最後汚いとかいうんじゃない。死にかけたやつには労いをかけろ!


「あーもう、ダンジョンなんか来るんじゃなかった。」


 本当に酷い目にあった。これはやっぱり親のせいだ。あとで説教をさせてもらう。

 ダンジョンがいかに危険だったかをな。


 ―――理不尽だってことぐらい分かってる。普通に探索してればよかったものを。

 あーあ、服もビッショビショだ。こんな不運な目にあったんだ。帰ったらソシャゲでガチャ引こっと。

 多分良いものでてくるだろ。


「―ん? なんだあれ。宝箱?」


 俺の目の前には、七色に光るめっちゃ自己主張の激しい宝箱があった。

 なんだこいつ、どれだけ俺に開いてほしいんだよ。


 逆張りして開けないっていう選択肢もあるよな。


「―――っうおい!眩しいわ!わかった!わかった!開けるからもうちょい光量抑えてくれ!」


 なんだよこいつ。かまってちゃんか。 今俺は不機嫌なんだからそんな事するなよ。

 はぁ、開いてやるか。感謝しな!


「じゃ、さっそくオーペン!」


 オープンは英語でopenだから、オーペン。ネイティブっぽいからこう言っているだけ。

 特に深い意味はない。


「あ、牡蠣だ! いただきまーす! ………あ、生だった。まぁいっか。」


 俺は牡蠣が大好物。ショート動画の次に好きなものだ。

 考えるという能力がショート動画によって消滅した今、目に入った牡蠣を掴んで口に放り投げた。


 生であるからこそ、ミルキーな味わいが口に広がり、体が温まる。

 当たる可能性なんか考えてるわけもなく。


 ―――体が温まる…?


[パパーン! 貴方はドパ牡蠣に適合し、スキル【ドパガキ】を入手しました!]


「うるっさ! …もっと静かにファンファーレ鳴らせよ! 【ドパガキ】ってなんだよ! ついに俺をドパガキだってダンジョンも認めちゃったってことじゃねぇか! もっと説明よこせよ! ……ハァ、ハァ。」


 大声で叫んだせいで疲れた。おい、どうしてくれるんだよ。

 あーもう、変なもん食ったせいだ。とっとと帰らせろ。

 パッと家に帰れねぇかなぁ?


 ―なんてことが起こるはずもなく。期待させやがって。


 まぁ階段を地道に上がっていくか。


 直ぐ側にあった階段を上がっていくと、第一階層のスライムがいた。

 なんでここに?


 …後ろを振り返ると、何もなかったように壁が「やぁ!どうしたの?そんな不思議な顔して!」みたいなツラしてる。


イラッ


ガンッ!


「痛っ」


 ふざけんな。もっと柔らかくあれよ壁。拳が痛いじゃねぇか。壊すぞてめぇ。

 壊せねぇけど。


 早く地上に戻るかぁ。散々な目にあった。

 びしょ濡れで外に出たら注目浴びるだろうなぁ。


 少し乾くまで八つ当たりでスライム撲滅しとくか。


……

………


 そろそろ乾いたか。ポケットがパンパンだ。

 魔物って確定で魔石落とすから若干邪魔だ。次から鞄持ってくるか。

 次来るかは知らんけど。


 入口を出て、受付に行き、魔石の査定をしてもらった。


「魔石の査定を頼む」

「わかりました。こちらに魔石を出してください。」


ジャララッ


 ポケットからちょっとしけった魔石を取り出して、テーブルへ置く。


「小魔石ですと、一つ20円ですので、38個で760円ですね。」

「数えるのはやっ」

「仕事ですので。」


 割に合わねぇ。俺もうダンジョンに入って2時間は経ったぞ。

 いや、時給380円低すぎるだろ… 死にかけたってのに。


 もうダンジョンにはいかなくていいかな。いや、でも金稼ぎにはちょうどいいよなぁ。

 友達に自慢して煽りてぇ。


「ステータスオーペン」


 これで開くのかは知らんけど、周りはオープンとしか言ってないから、ちょっとした遊び心だ。


―ステータス―


名前:クロセ リョウ

Lv.4


体力:100

魔力:100

SP:12


【スキル】

・ドパガキ



「なんじゃこりゃ」


 体力と魔力は初期値が100。

 SPはレベル×3で増えていく。

 つまり今の俺は12ポイント。

 どちらかに振って、自分好みのビルドを作るらしい。


 ……めんどくせぇ。


「体力全ブッパでいいか」


 と言って、全ブッパした結果、体力が112となり、常人の約1.1倍の身体能力を手に入れたわけだ。

 というか、ダンジョンに行く人が多すぎてこれぐらいが常人って呼ばれるぐらいなんだよなぁ。


 それより、ドパガキってなんだよドパガキって。悪意しか感じねぇよ。

 え、てか俺スキル持ちのすげぇやつになったんじゃねぇの?

 …早速スマホ開いて友達に自慢しよっと!


 ――――水没してる…


 ま、まぁ家に入って水没の対処方法をYooo!tubeで見ればなんとかなるはずだ!

 多分TikTak(チックタック)とかでライフハックもあるはず!


 俺は家に向かって走り始めたわけだが、いつもより疾走感があって気分が良かった。


「ただーいま!」

「あら、早かったじゃない。ほんとに行ってきたの?」

「しっかり行ってきた!スキルだって手に入れれたし!とりあえず部屋にこもるわ!」

「ちゃんと課題はやりなさいよー」

「わかってるー」


 階段を駆け上がると、後ろから冷静になった母親の、「へっ!? スキル!?」と言う声が聞こえたが、無視して部屋に閉じこもる。


 ドパガキの検証だ!…の前に、スマホの水没をなんとかしないとな…


……

………


 スマホと乾燥剤をジップロックに入れたまま、俺は「ステータスオーペン」と唱えて、ステータス画面と向き合っている。



―ドパガキ―

lv.1

・スワイプ



「――いや、どういうことだよ!」


 思わず叫んでしまった。


「うるさい!お兄ちゃん!」


 壁の向こうから愚妹の声がした。


「あーごめ、鈴」

「気持ちがこもってない!」

「オメーのほうがうるせぇよ。」


 ギャースギャースうるせぇ。もっと静かにできないのか?

 これだからSNS中毒の奴は。リアルじゃスピーカー音量調節できねぇんだよ。


 とりあえず乾いたらネットで調べるか。


 ……の前に、スワイプってなんだよ。試しに壁でもスワイプしてみるか。

 別に壁である意味はないけど。


ズズズッ


 ……壁が横に移動して消えた。

 何言ってるのかわかんねぇかもしれねぇけど、俺にもわからねぇ。 


 気まずそうに俺は、壁の向こうだったはずの愚妹と目を合わせていた。

初めての人はこんにちは!

いかがだったでしょうか? この作品はテンポの良さと、涼のアホさと、考えの軽さ。時々あるシリアス。このギャップや落差を売りにしているつもりです。


続けて読んでいただけると嬉しいです! 

さらに、ブックマークや、評価を☆☆☆☆☆から、★★★★★にしていただけると作者のモチベーションとドーパミンにつながります!


ぜひ、このまま涼のアホさを読み進めていただけると幸いです!

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