創作のお話
お話を読む時も作る時も面白いなと思うのは、登場人物同士の自己と他人の認識に加えて、読み手の認識が加わることです。
私自身、語り部の言うことは一切信用せずに読みます。嘘つきな語り部もいれば、意図せず認知が歪んでいる人物もいますね。後者の方がいい味がするかな。
モスリーンは自分を、得られない愛を健気に求めている可哀想な女だと思っています。でも、周りの人から見たら無理筋な恋愛に入れ込む強情な人物。そして、私から見ると欲しいもののためには手段を選ばず、他人に対して冷酷な女です。怖い。
プロットの段階で各人物にこう言う二重性を設定するのですが、なかなか、本文に反映するのは難しいですね。登場人物同士がお互いをどう認識して、その歪みをどこまでま読み取れる形にするか。
書いたものをClaudeやGeminiに読み込ませて各人物をどう読んだか聞きました。まあまあ想定通りの回答でしたが、やはり相手は人間ではないのでどこまで信用していいものか。
「このエピソードがこのアイテムに対応していることは分かりましたが意図は分かりませんでした」との回答は結構ずきっときましたね。今後のエピソードで少し補足したいと思いました。
そうそう、Claudeからの報告で、繰り返し表現がしつこく読みにくかった、一つの章で同じ単語が20回も出てきた、というのがありました。そこは私としては最終章への伏線だったので削除しません。ここは出口のない迷宮感も欲しかった。
そして、AI相手に憤慨して「繰り返し構造がただの冗長なのであれば、フランツ・カフカやベートーヴェンのことはどう思っているのか」と問い詰め、「狙いがあるのならよいのでは(諦め)」のような回答をもらいました。おとなげないことをして恥ずかしい。
創作って楽しいですね。




