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6

いつの間にかインド系の人たちだったひとは徐々に異変を起こし始めた。

「腐っていってやがる!」

なんと腐り始めたのだ。

それでも歩み寄ってくる。

それはとても気持ちの悪いものだった。

グロテスク。

一言で言えばそうだろう。

内臓が見えるものもいれば目が腐って地面に落ちたやつもいる。

それでも歩み寄ってくる!

しまいには骨が見え出してきた。

まだ肉のついた生々しい骨が。

岳は動けない。

とうとう1人が崩れ落ちた。

周りのやつらも崩れ落ちる。

そして、全員が崩れ落ちた。

骨は瞬く間に砂と同化して消えた。



「うわっ!」

岳は飛び起きた。

まだ状況はつかめない。

あれ?どうなってやがる・・・

岳は一人で語った。

「夢?」

背中の汗は気持ち悪いぐらいにかいていた。

服とべったりくっついていてぬめぬめする。

「た、助かった・・・」

未だに心臓の鼓動がドクドクいっている。

しかし本当に夢なのか。

夢なのに鮮明に覚えていた。

周りを見渡す。

病室?

どうやらあの夜に何かあったらしい。

記憶に従えばUFOにさらわれたはずなのだが。

頭には包帯が巻かれていた。

「いったい何があったんだ・・・」

そのとき扉が開いた。

そして看護婦が駆けつけてきた。

「どうしましたか?」

どうやらさっき起きたときによほど大きく叫んでしまったらしい。

近くにいたようだ。

「い、いえべつに大丈夫です」

「よかった。山名さんがいきなり驚いたように叫ばれた声を聞いたのでびっくりしましたよ。」

「すみません。少し悪い夢を見ていましたから」

「そうですか。でももう大丈夫ですよ。安心してください。ここは病院です。」

「はい。」

岳は安堵の息を洩らした。

しかし本当の恐怖はこれから始まるのであった。


時間が過ぎた。

岳は寝てしまったらしくはっとなって目を覚ました。

質問をとりあえずしてみた。

ついでにもう起きたと知らせるためにもだ。

「僕はどうしてこんな怪我をしているんですか?」

「・・・」

看護婦は後ろを向いたまま答えない。

「どうしたんですか?」

「・・・」

明らかに看護婦の様子がおかしい。

岳の声に反応しないどころか身動きひとつしないのだ。

「あのー」

「・・・」

ついさっきまで普通に会話していたのが不思議に思うぐらい看護婦は無言だ。

岳はベッドから体を起こした。

「どうしたんですか?」

「・・・」

岳は近づく。

「聞こえてます?」

「・・・・・・」

そして岳はついに看護婦の顔を覗き込んだ。


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