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序章
争いが絶えないこの時代、徴兵された、あるいは自ら望んで出兵した兵士たちの間で、ひそかな憧れを乗せた噂が、語り継がれていた。
『戦死したときに、ある一定の条件を満たしていると、その魂は聖なる地で生き永らえる』と。
どこから広まったのか、誰が言い出したのか、何も分からないが、兵士たちにとって最大の目指すところとなっていた。幼くして徴兵された者も、一旗挙げようと出兵した者も、国のために戦う者も、今では皆がその存在を知っていた。
――――その地を兵士たちは、『ヴァルハラ』と呼んだ
ヴァルハラのたくさんの噂が飛び交う中、そこにいる陰の存在の話は誰一人として語ることはしなかった。いや、誰も知らないのかもしれない。
ヴァルハラの戦士たちの存在を。
短編連載の形式で書いていきます。
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