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8 出られない理由1



トントン。


「ルーナ、入るよ」


待ちに待ったノック音に私はドアへ駆け寄った


「にいっ…!」


しかし、部屋の中を何時間もグールグルしていた私の足は

かなり疲れが溜まっていたのだろう、見事にもつれた。


ベシャ。


硬い床とご対面。

あぁっ、鼻の頭が痛いです…


「ルーナ!?」

「ルーナ大丈夫か?」

「だっ、だいじょうぶでしゅ…」


部屋に入って来た兄様達が私を抱き起こしてくれた。

だが私は、転けたことよりもドアが開いたことの方が重要だった。

なんたって兄様達なら、私が部屋から出させてもらえない理由を知っているはず。そう、無理矢理にでも聞き出してやります。


「わたし、へやからでられなかったんです」

「それは、前から父さんに言われてるだろう?」

「母さんにも、ね」

「えっ?」


忘れちゃったの?

そう言って兄様達に首をかしげられる

忘れちゃったのって言われても、私そんな特殊な設定作ったっけ?


…いやいや、知らないぞ!?


「さっきはでられましたよね?」

「僕達が一緒だったからね」

「今日はやけに元気だけど、ルーナは元々体が弱いんだからな?」


…ん?

体が弱いって一体誰が??


「まさか、ルーナそれも忘れちゃったの?」

「わすれたもなにも…よわくないですし」

「……ヴァン、こういうのはお前の方が得意だったよな?」

「……わかったよ。ルーナにはもう一度説明しなきゃだね」


もう一度説明

そういわれても、私は説明何て一度もされた覚えがない。

覚えていないんじゃなくって、知らないのだ。

まぁ、兄様達に言っても仕方の無いことなのだが…


「んーと、じゃあルーナ自分の『ステータス』は開けるかな?」

「ひらけません」

「そうだよね。ルーナには魔術の先生もついてないし」

「まだ3歳になったばっかだしな」


じゃあどうやって説明しようか…

それならヴァンが見せてやればいいんじゃね?

…そうか、その手があった!


……あのっ、私を除け者に2人で話さないでくれませんか?

全然話についていけません。


「と言うことで、ルーナ許可出してくれる?」

「…どういうことですか」

「あ、あぁ、ごめんね。今話すから」


ヴァン兄様の話をまとめると、私が部屋から出してもらえなかった理由は

私のステータスに1つの原因があるらしい。

それを言葉で説明するのは骨が折れるから、ステータス画面を見て説明したいとのこと。

しかしステータス画面は、本人かその本人から許可を出された人

しか開けないので、ヴァン兄様は私に許可を出して欲しいと。


「にいさまにきょかをだせば、わたしもみられますか?」

「うん、ルーナのステータスだからね」

「じぁあ、きょかだします!」


私も自分のステータスにはとても興味がある。

いくら下級魔法だからといって、私が自分でステータスを見れるようになるまでには、それなりの時間がかかることが予想されていた。

なんたって『字』も読めないんだし。

…あれっ、でもステータス画面も、もしかして読めない?

読めなかったら最悪だ…。

ただ、言葉が通じた事に関しては、とても救われた。

これで言葉まで通じなかったら…

考えるだけで恐ろしい。


「それじゃあ、『ステータス使用許可、ヴァンフリード』って言って貰っていい?」

「ヴァンフリード、ですか?」

「うん。偽名とか、愛称は駄目なんだ」

「わかりました。ステータスきょか、ヴァンフリード」

「ありがとう。ステータス代理使用ルーナ」


ヴァン兄様がそう唱えると、兄様の前に半透明の画面が表れた。

うおぉっ、初の生魔法は感動するなぁ。


「うん、問題ないね。ほらっ、ルーナ」


見てみな。

そう言って、ヴァン兄様は自分の前に私を入れてくれた。

さて、ステータス画面は私にも読めるでしょうか…?


使用魔法 ステータス

使用者 代理使用ヴァンフリード


「どう、ルーナ読めるかな?」

「はい。もんだいなく」

「ならよかった。じゃあ見ていこうか」


*

使用魔法 ステータス

使用者 代理使用ヴァンフリード


名前 ルーナ=フェルト・レィリレース  Lv1

性別 女

歳 3歳

職業 幼女Lv1

配偶者・恋人 なし


Hp 2/10

Mp 550/550

状態 重傷


物理攻撃 3

物理防御 1

知能・魔法攻撃 5

精神・魔法防御 5

器用さ 6

素早さ 5

幸運 146


固有スキル 病弱Lv1 病弱の加護(子)Lv1 方向音痴Lv1 愛される者LvMax

使用可能スキル なし

使用可能魔法 なし

転職可能職業 なし

*


「これがわたしのステータスですか?」

「そうだよ。ステータス画面でその人の事は大体把握できるんだ」


これは、すごい個人情報満載…。

恋人欄とか、えっ、本当に必要ですか?!

他にも色々突っ込みどころ満載だし、それに職業が幼女って

それは本当に職業なのか?


「しょくぎょう、ようじょって…」

「おっと、そこは俺が説明してやるよ」


この言葉を待ってました!

そう言わんばかりに、話に飛び込んできたヴォル兄様。


「ヴォルにいさま?」

「ステータス鑑定、ルーナ!もういっちょ鑑定『幼女』んでもって展開」

「まったく、僕に任せるんじゃなかったのかよ」


ブツブツ言いながらも、ヴァン兄様は止める気は全く無いようだ。

その間にも私達の前に色々な画面が表れていく。


*

展開魔法 使用者表示不可

鑑定『幼女』 

職業の一種 評価Aレア職

取得条件 両親共に愛されていて、尚且つ不特定多数の異性から好意を寄せられていること。幼い時にしか取得出来ない女性限定の職業。

効果 スキル『甘える』を取得可能

*


わぁー、すごい。この『幼女』の取得条件

不特定多数の異性から好意を寄せられていることって…

二人って多数じゃないですよね?

ってことは、この兄様達の他にも居るって事ですか?

いくら口説かれゲーと言ってもモテモテすぎじゃあございませんか??

他にも攻撃力とか、防御力ってなんかシミュレーションゲームが

いきなりRPGみたいになってるんですけど。

私、こんなRPG設定してないですよ。

なんですか、これは戦う令嬢ここに爆誕みたいな?


「やっぱルーナはMp特化だね」

「ルーナのステータスは、父さんのほぼ生き写しらしいからな」

「そんなそっくりな親子も珍しいよね」

「確かに」


どうやら私のステータスは、未だ会ったことの無い父に似ているらしい。

設定はかなり作り込んだルーナの両親だが、(両親でゲームが1本作れる程)

いかんせん立ち絵を作る前に私は死んでしまった。

なので、両親の顔を決められなかったことはかなり心残りだったりする。


「でっ、ルーナ他に見たいものはあるか?」

「ほんとうで…」

「ヴォル、調子乗りすぎ。先にルーナの質問に答えるんだからな」


うっ、忘れるところだった。

私は「部屋から出られない理由」を聞いていたんだった

まぁ、なんとなーく固有スキルが原因な気がしてならないけど。


「ほらっ、ルーナここを見て」


そう言ってヴァン兄様が指を指したのは案の定『固有スキル』だった。



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