第0話「プロローグ」
―――プロローグ―――
「————ひぃぃぃぃっ!!!!!!」
な、何なんだあのスライムとゴブリンを足して2で割ったような怪物は……!?
少年は逃げていた
辛うじて道がわかる程度の明るさの場所に突然飛ばされたと思えば
目の前にいきなり怪物が立ちはだかったのだ
普段ゲームなどでモンスターは見慣れているはずだが、
実際に出くわしてみるとそれは禍々しくとても恐ろしいものであり、改めてゲームのモブや村人の気持ちがよくわかる気がする
なにより、突然すぎるその光景に何が起こったのか未だ理解が追い付かない
ハッ!と我に返る
……そんなことを言っている場合じゃないっ!!
とにかく、逃げないと……
逃げないと……殺されるッ!!!
直感的にそう感じ、全速力で逃げ続ける先……
唐突に分かれ道が現れ、すぐに体の向きを変える……が、
動きに体が追いつかず、先ほどよりも走り方がもたつき始める
そろそろ限界のようだ……かれこれ2、30分ほどずっと全力疾走なのである
こんな時に救世主でも現れないだろうか……
「そんな都合のいい話………ないよな……」
これはゲームなどではないのだから……
確証はもちろんないが、自分の本能が、直感が、そう感じてならないのだ……
段々と迫ってくる……怪物
とにかく逃げなくては……その考えに従い体をなんとか動かす
果たして、その判断が合っているかさえも確かではないが……
必死に逃げながらそんな事ばかり考えていた……
―――――――ッ!?
ふと、一瞬眩しすぎるほどの強い光が目に入った
そしてその瞬間
思わず目をつぶってしまった――――――
つま先に何か固いものが当たるような感触
そして……激痛が走る
それと同時に自らの体は体勢を崩し、やっと光に慣れた目に地面が段々と近付いてくる……
「……あ」
気づいた時には地面に激しく体を打ち付けていた
「……ッ!!」
痛みで声を上げそうになるが、それをなんとか抑え、顔を上げ振り向く……
「……………!?」
振り返ってはみたものの
もうとっくに追いついているはずの怪物の姿が見えない
つかの間の安心感、
「ほっ……」と胸を撫で下ろした
そして再び周りを見渡す
「……嘘……だろ!?」
視界に入ったのは
真っ暗な闇だけであった――――――
あんなに眩しかったはずが
一筋の光すらも見えない
先程まではあった筈の光源すら見つけられない
それをしっかりと認識した瞬間
視覚以外の感覚が鋭くなる
そして……感じてしまったのだ、怪物の気配を…………
「うわぁあああああああああ!?」
悲鳴だけが空虚な闇に響いた――――――――――




