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21話

 そんなこんなでパーティーを結成したクーガー達。取り敢えず今後の事を話し合うため、ギルド内の集会所に来ていた。


「とりあえず討伐系の依頼をうけましょう!街道の魔物討伐の依頼が残ってたから持って来たわ!」


「いやいきなりお前の意見で決めんなって!普通どうするかの相談とか――」


「いいぞ」


「いいのかよ!?」


「そもそも俺も討伐系の依頼を探していたからな」


 むしろ報酬が比較的低い素材の採取とか、拘束時間の長い護衛系の任務はやる気は無い、と続けるクーガー。ルセアの方は自分の意見が通ったと見て喜んでいる。


「マジかよ……、パーティー三人の内二人が戦闘狂(バトルジャンキー)とか……」


「誰が戦闘狂よ、人聞きの悪い。そんなんだから魔物相手に腰が引けるのよ」


 対するソーマはクーガーならばもう少し話し合ってから決めてくれるとばかり思っていたので、その予想が外れ肩を落とす。こうなったらどうあがいても依頼が変わることはないだろうと考え、ルセアの持ってきた依頼を確認する。


「――となになに?街道に出る魔物の討伐、か」


「そう。ウォレスの近くの街道で最近はぐれと思われる魔物が出ているみたいなの。幸いまだ大きな被害はでていないみたいだけどね。これはそこの道を利用する商人からの依頼よ」


 ふむ、とクーガーも依頼書を確認する。商人の情報によれば出没する魔物はゴブリンとのこと。ウォレスから次の村へと向かう道中に出没するらしいので、そこまでの護衛を兼ねての依頼だった。少々物足りなさを感じながらも、ルセアの暫くぶりの実戦にはちょうど良いだろうと納得する。そして依頼を受けるために受付へと向かう。


「あら、クーガーさん。おはようございます、今日も依頼ですか?」


「ああ。この依頼なんだが」


 そう言って依頼書と自身のギルドカードを提示する。


「お預かりしますね。――はい確かに。それでは今回のメンバーなんですが、クーガーさんとソーマさん。そしてルセアちゃんの三人でよろしいですか?」


 パーティーメンバーの確認をされ、それでいいと返すと、受付嬢は依頼の受領書を書く。後ろを向くと早く戦闘したいと待ちきれないのか拳を手のひらにパン!と打ち付けるルセアと、やっぱり戦闘狂じゃないかと頭を抱えるソーマの姿が。


「お待たせしました、これが依頼の受領書です。依頼主さんは正午まで北門で待っているとの事なので、早めにお会いになってください。――それと、ルセアちゃんとソーマさん、この二人を纏めるのは大変だと思うけど頑張って下さいね」


 そう言って受付嬢は手招きをし、クーガーにしか聞こえない声で応援した。クーガーとしては応援の言葉を貰った事よりも、受付嬢にすらこう言われる二人なのかと驚き苦笑いをする。

受領書を受け取ったクーガー達は依頼に出発する前に、集会所に戻り準備を兼ねて互いの状態を確認することにした。


「さて、まずは俺からだな」


 そう言って投影石に魔力を流す。投影石が淡く輝いた後、空中にステータスが映し出される。


名前 クーガー Lv2 →Lv3

種族 人間

〈能力〉

筋力値 11 → 13

器用値  7 → 8

機敏値  4 → 6

生命力  8 → 10

魔力値  5 → 6

〈スキル〉

武器 鎚

魔法 土属性

補助 毒耐性


 ギルドに来てから毎日の依頼で戦闘を行ったお陰で、一般よりも早いペースでレベルが上がったクーガー。ステータスの成長率も良く満遍なく上がっており、クーガー的には満足のいくものだった。


「じゃあ、次は俺ですかね」


 ソーマもそれに続き投影石に魔力を流す。


名前 ソーマ Lv2 →Lv3

種族 人間

〈能力〉

筋力値  6 → 7

器用値 13 → 15

機敏値 15 → 16

生命力  6

魔力値  8 → 9

〈スキル〉

武器 短剣

魔法 風属性

補助 料理 識別 夜目 解体 投擲 気配察知 道具作成


 ソーマもレベルが上がっており、自身の長所をさらに伸ばすようなステータスの伸びだ。ソーマはそれを少し誇らしげに見せる。


「あら、なかなかやるじゃない。それじゃあ、最後は私ね」


 そして最後にルセアのステータスが映し出される。


名前 ルセア Lv4

種族 人間

〈能力〉

筋力値 11

器用値 10

機敏値 12

生命力  9

魔力値 13

〈スキル〉

武器 拳

魔法 雷属性

補助 気配察知 直感


「ほう」


 ルセアのステータスを見てクーガーは感心した。バランスの取れたステータスも勿論だが、特に目を引いたのはスキルだ。"拳"が得意ということは手甲やバグナグ等を用いての近接戦闘のスタイルということ。それだけでも充分に珍しいのだが、魔法の欄に記されている属性もまた珍しいものだった。

雷属性は属性としては光に分類されるもので、光属性を持つ者の中で希に変化する貴重な属性である。違いとしては、一般的な光属性の魔法に加え、更に攻撃的な魔法が使えるという点だ。


「ふふん」


 まじまじと見ているクーガーの様子に気を良くしたのか、胸を張りドヤ顔をするルセア。それを見ていたソーマは多少ウンザリとした顔をしながらも、話を進めようと促す。


「そうだな。これで全員ステータスの情報共有は済んだことだし、あとは依頼に向かうだけだが…、手持ちの道具は大丈夫か?」


 クーガーの言葉に二人は問題ないと返す。ルセアは今日から戦闘が出来ると思い、既に準備は済ませており。ソーマは本人の性格ゆえ常日頃から本人にとっては最低限の、他者からしたら準備万端と思われる程の備えはしてある。


「よし、なら行くとするか」


 そうしてクーガー達はギルドを出発する。ルセアは意気揚々とした足取りで、ソーマは少し緊張した面持ちで、そしてクーガーは先ほど確認した各々のステータスを頭に浮かべ、これからの戦闘プランを組み立てながら歩く。三者三様な足取りでクーガー達は依頼主の元へと向かっていった。

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