第65話 配信!【ワイルドホーンの決闘!】
「さーて、オアシスの方へと到着しました~。富士ダンジョンの平原はサバンナに近い気候となっていて、ところどころにこういったオアシスが点在しています。平原のモンスターたちにとってオアシスは生命線。自然と多くのモンスターや生き物たちが集まります。」
:めっちゃ水飲んでる
:かわいい
:めっちゃ舌ぺろぺろしてるな
:普通の動物もいるんやね
「はい、現実のサバンナと同じような動物たちも生息しています! まぁ、動物たちはこの平原における被捕食者層なんですけどね。」
:ひえ
:まぁそうなるよな
:攻略勢も化け物揃いだし、ただの肉食獣や猛毒生物くらいなら相手にすらならないか
:すげえ世界だな
:なんか音しない?
:土煙みたいなのが見えるぞ
「お、どうやら別のお客さんたちも来たみたいです。あれは…ワイルドホーンだ! ワイルドホーンの大規模な群れです!」
:すごいすごい
:すげえ数
:でっかくね?
:他の攻略勢の動画とは違った迫力
:スプリントモニターよりは小さいのか
:小さいと言っても、3mはありそうだぞ
「スプリントモニターたちの体長は5m程度、対するワイルドホーンたちは3mくらいでしょうか。スプリントモニターはしばしばワイルドホーンを捕食しますが、このような大群に対して無計画に襲いかかったりはしません。エサを食べるために散らばっている個体を狙ったりします。ほら、現に今も、双方大人しいままでしょ?」
:ほんまや
:はえー
:めっちゃ見てるけど
:なんか、すごい光景だな
:でっけえモンスターたちの群れの中に、普通にモンゴローがいるの何
:もはやシュールだわ
「ではスプリントモニター君たちとはお別れして、今度はワイルドホーンたちの解説をしていこうと思います! ばいばい、スプリントモニターたち!」
『ギュギィッ!』
:ばいばい
:ばいばーい
:ぽまえらも健気やな…
:じゃあな、おいしくなれよ!
「やぁやぁ、久しぶりだねワイルドホーン君たち! あはは、子ホーンたちがぐりぐりと頭を押しつけてきてかわいいですね!」
:かわいい
:懐かれてるな
:こう見るとデカめの牛
:尻尾ぶんぶんでかわいい
「ワイルドホーンはヌーや牛に似たモンスターで、大規模な群れを形成し、社会性を持ちます。この角は雄の方が大きく発達しており、魔力を纏わせて突進し、群れのリーダー争いや外敵への攻撃を行います。」
:魔力使うのか
:銀龍のチャンネルで突進を真正面から受け止めていたけど、すごい音してたぞ
:最近高松兄妹も戦ってたな
:群れの中でも争うのか
「群れのリーダーは最も強い雄が務めます。リーダーは巨大なハーレムを築いて、雌を半分以上独占します。残った雌は、二番目に強い雄がまた半分独占して、という感じで、強ければ強いほど雌を囲うことができるんですね~。」
ガコォーーーーーンッ!!
:なんの音!?
:耳いって
:すごい音したぞ
:なんだ!?
:爆発か!?
「あっ! どうやらこの群れのナンバー2が、リーダーに戦いを挑んでいるみたいです! ちょっと観戦しに行きましょう!」
○
『『ブフーッ! ブフーッ!』』
「うわぁ、立派なワイルドホーンですね。見てください、二頭の立派な角! 左がリーダーですね、角に大量の傷が刻まれていて、歴戦個体って感じです。対する若いナンバー2は、脚の筋肉の張りがすごいです!」
:でっかいな
:こいつらだけ4mくらいはありそう
:歴戦個体かっけえな
:こいつらも闘牛みたいに前脚で地面蹴るんやな
:モンゴロー、こいつら相手にマタドールやってくれ
「ちょ、無茶言わないでくださいよ!」
『『ブフヒィーーーーーンッ!!!』』
ガコォーーーーーーーーーンッ!!!
:うおお
:すっげえ
:爆音
:これ首折れるやろ
:やっっっっば
:すげえ迫力
:探索者とモンスターの戦いとは違った迫力
:こんなん食らったらミンチになるわ
「す、すっごい音でしたね…! あんなのでマタドールして失敗したら、骨折しちゃいますよ…。」
:骨折…?
:骨折だけで済むんかい
:普通の探索者なら即死するやろ
:やっぱこいつも化け物なんやなって
:そもそも失敗しなさそう
「お、またぶつかるみたいですよ! 衝撃に備えろッ!」
『『ブフフフィーーーーーーンッ!!!』』』
ガゴォオオオオーーーーーンッ!!!!
:ひえええ
:さっきよりもすげえ音!
:土煙で見えねぇ!
:どっちが勝った!?
:モンゴロー主審、勝ったのはどっちや!?
「か、勝ったのは…、う、うん??」
『『…ブモ???』』
「あ、これあれだ。記憶喪失だ。二頭とも衝撃がでかすぎて、脳が揺れて短期的な記憶喪失になっちゃってますねぇ。」
:えぇ…
:草
:ブモ? じゃないが
:アホの子
:なんやこのオチ
:どういうことやねん
:不思議そうな顔でキョロキョロしてて草
:ちょっとかわいい
「あー、普通にバトル終了ですね。その場で草を食べ始めちゃいました。さっきまでの緊張感はどこへやら、牧歌的で穏やかな空間が展開されております。」
:草
:草食うな
:戦え
:ハーレムを築く夢はどうした!?
:もっと熱くなれよ!!
「いや~、まさかこんな形で終わるとは…。ん? あ、おーい! こんにちは! 狩りの帰りですか~!?」
『!? ガ、ガルル…』
「あ、行っちゃった。顔見知りのピューマンの方がいたのですが、びっくりされたのか逃げられてしまいました。いやぁ~、実はピューマンたちとはまだあんまり仲良くなれて無くて。」
:?????
:なんて???
:ピューマンって、確かめっちゃ頭良かったよな?
:俺らと同じくらいの知能あるらしいぞ
:マジかよ
:めちゃくちゃ困惑顔してて草
:!? ってなってたもんな
:ってかもうコンタクトとってるんかい
:黒い疾風だったらどうすんねん
:出た、黒い疾風
「彼女は黒い疾風じゃないと思います。ブチ柄でしたし。さて、今回の配信はこの辺りで終了したいと思います! また少しずつ配信頻度増やしていきたいと思っておりますので、引き続きどうぞよろしくお願いします! モンゴローでした、ばいばーい!」
:ばいばーい
:今回もおもろかったぞ
:がんばれよー
:ばいばい
:乙~
:乙やで~
視聴者数:3,247人
○
『バ、バカな…。あのニンゲンが…。』
ピューマンの集落のゲルの一つ。怪しい炎がゆらゆらと揺らめき、室内には様々なモンスターや動物の骨が飾られていた。
複数の薬草を調合して作られたお香が、独特な匂いを放っている。
その中心で、年老いたピューマンの老女、オババが、真っ黒な水晶を見つめていた。
『あのニンゲンが、我らの救世主、じゃとぉ…?』
己の呪術スキル、未来を予知するその術が、告げていた。
作者のおしり炒飯と申します。
どうぞよろしくお願いいたします。
面白ければぜひ、リアクションと評価いただけると嬉しいです。
また、本作カクヨム様にて、先行公開しております。
続きが気になりましたら、ぜひ下記よりご覧ください。
https://kakuyomu.jp/works/822139844400383614




