世界一周
今回は小説の舞台を設定する上で念頭に置いておきたい話です。
小説の舞台を設定する際、そこにどんな国があって、どんな人や種族が住んでいて、どんな歴史があるのかというのは必須と言って良いでしょう。
そんな中で、私が是非舞台設定時に考えて欲しいのが、あなたの生み出す世界は「世界一周」が可能かどうかということです。
如何にこれが重要かということを説明していくことになりますが、始めに断っておきたいのは世界一周が可能かどうかを物語の中で明言する必要はないということです。
ただし、頭の片隅に置いておくことで舞台設定の幅が広がるのではないかと思い、提案させていただきます。
世界一周が重要な第1の理由は、それを考えることすなわち世界の形を決めることになるからです。現在皆さんが住んでいるこの地球という惑星は大まかに言って球形をしており、「世界一周」が可能な世界の形をしています。地球が球形であり、太陽の惑星であるからこそ陽が昇り沈みします。
熱い場所といえば低緯度地域を想像し、寒い場所といえば高緯度地域を想像するのも太陽光が極地付近では届きづらいことに由来します。高地などの例外を除いて気温の違いは地"球"だからこそ生まれると言って良いでしょう。
私は球形でない世界であったとしても気候の違いはあっても良いと考えています。球形でないからこその独自の裏付けを設けることで設定に深みを持たせることも可能でしょう。平板な世界には平板な世界なりの、気候の差を生じさせる要因を用意しておくことが必要だと考えているのです。
第2の理由は地政学的要衝が生じることにあります。ご存じの通り、現在住んでいる世界が球形であると広く受け入れられたのは文明の興りから考えると最近の話です。それまでは海の果ては断崖になっており、落ちたら二度と帰っては来れないなどと考えられていました。つまり世界には「端」が存在したのです。
世界の片方の端からもう一方へと行きたいとき、陸路や海路を使用する際に現れるのが地政学的な要衝です。代表的なものにはチョークポイントと呼ばれるジブラルタル海峡などが挙げられ、この一点を抑えるだけで大きな面を制することができるという特徴が挙げられます。例えばジブラルタル海峡であれば地中海と大西洋をつなぐ唯一の海峡であり、ここを閉ざされれば海運は一気に滞ります。
世界一周が可能な世界であるならば、1つの方向から向かう場合と真逆の方向に進んだとしてもたどり着くことができます。それが不可能な世界である場合、もし地政学的要衝が途上に存在すれば国際社会においてそこを抑えた国家が大きな影響力を持つのは間違いありません。
世界一周が可能かどうかを考えることは、単にそれ自体を考えるのではなく自分の想像する世界の気候や風土、国家の在り方や国際情勢を考えることになります。それだけ大事なことであるからこそ、直接的に言及せずとも在るべき姿というものを用意しておくべきだと思います。
ジブラルタルあたりの地理ってイベリア半島にイギリス領ジブラルタルがあると思えば対岸はスペイン領セウタだったり面白いよね




