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"なろう"小説ネタ帳  作者: ネタ帳
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異世界を近代化するには(第4回)

第4回は大量生産のための技術、規格化について書きます。

異世界において、仮に十分な需要が見込まれる産業があったとします。

その際に必要となる技術とは規格化、つまり大量生産の技術です。


製品を沢山作るのにはどうしたら良いか、という問いに対してはいくつかの答えがあります。例えば収率を上げ、不良品を減らすこともその1つですし、単純に作業の習熟度を上げて生産速度を上げることもできます。中世においては個々の産業で様々な技術が開発され、生産の速度を上げる試みが行われてきました。


イギリスで産業革命が興った約100年後、アメリカは南北戦争をの時代を向かえます。このときアメリカでは火器の需要がこれまでにないほどに高まるのですが、その需要に応えたのが規格化という技術です。

規格化というのは寸法や品質などを一つに統一することを指します。大きなメリットは熟練工に頼らなければならない作業が減り、故障時にも部品の交換がしやすいという点にあります。

それまでの工業製品は工房、工場単位で独自の規格を使用していることが多く、1人の作業者が最初から最後までを作るということが一般的でした。仮に高度な技術を要する箇所があった場合、新米の技術者では製品を作ることができず、徒弟として先達の技術を習得しなければなりません。ところが、規格化された部品を使用して製品を作る場合には新米の技術者には腕のいらない部品を作らせ、熟練工には大事な部分の作製に集中させることができます。これにより無駄なく人員を配置でき、生産性が向上します。


規格化された部品を使用していると、壊れたときの修理も容易です。大破してしまった場合には新調した方が良いかと思いますが、バネ1つの反発が弱くなった程度であればバネだけ換えるほうが合理的です。現代では何の部品にしろ名前をしっかり覚えていれば交換したい部品と全く同じものを購入することができます。中世ではそれぞれが独自のものを使用していたため製造された工房に持っていかなければならなかったのです。


産業革命が始まり工業化の道を最初に歩み始めたのはイギリスです。しかし、大量生産の技術を利用し工業を効率化したのはアメリカです。規格化の技術を採用したアメリカは南北戦争において数百万丁という数の火器を製造します。それはスプリングフィールド兵器工廠で開発された、規格化されたマスケット銃だからこそと言えます。

マサチューセッツのあたりって博物館たくさんあって楽しい

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一部誤字がありましたので訂正しました(2021/5/17)

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