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男子高校生のとある学校生活  作者: 彩島 明樹
第三章「やばい!ピンチ!たすけて!」
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 テストむずかスイ!


そう言えばというか、なんというか、まったく思い出したくもない物ってもんが学校生活には存在するのだけれども、それは誰しもが、一部の生徒やもの好きや、頭がおかしな人を除いた、普通に学校生活、スクールライフを有意義に過ごしている、私を含めてほとんどの人たちが、一番嫌うもの。

それはもちろん、勉強であり、テストでもある。

膨大な範囲の中から、テストに出るであろうところを、ピックアップし、そこを勉強し、テストでも同じように解けるようにしておくっていうのが一般的な教師どもの考えであるわけだが、それは、作る側の話であって、解くのは私たちの方。こっちからしてみたら、どの部分が、どのように、どれくらいの難易度で、どれくらい出るのかすらもわからない。そんな先の見えない、透明な壁を、どうやって回避しろというのだ。全く、持ってい理解できない。たとえ勉強しても、その範囲が全く出なかったり、簡単に、ほんの少しの量で終わってしまうような場合もあるわけで、逆に言うと、ぜんぜん勉強してなくて、その部分の授業なんてもんは、全く頭の中にはなく、しかしその部分が、テストの問題の大半を占めていたりという、なんとも悪夢としか思いようのない光景を、俺は、今までに幾度となく味わってきた。初めてこの想いを知ったのは、小学校から上がってきて、楽しいと当時は思っていた、幼稚な考えを持った、中学一年の、最初のテスト。俺は余裕をぶっこういて、勉強をあまりしていなかった。それでもできると思っていたからだ。当時はな。しかしだ。テスト本番では、問題用紙を見た瞬間にびっくりした。なんだこれは。こんなもん解けるわけないやんとか、これ習ったっけ?とか、いろいろ思ってしまっていた。結果はわかるとおり、最悪の結果だった。それから俺は取り残されていき、頑張って、勉強して周りに追いつこうとしても、周りがどんどん突き放してくる。授業もそれに合わせて、追いつけないものは、落ちこぼれとされ、置いてけぼりをくらうのだった。それから俺は、あまり勉強をしなくなってしまった。・・・・

・・・っとまあ、こんな俺の昔話なんか置いておいて、銀河の彼方の焼却炉で燃やし尽くしていまうとして、なんやかんややっているうちに、中学を卒業していた。高校を選ぶのは、少し大変だった。俺は大輝と同じ学校に行きたかった。親友だからな。だから、入試は大輝の特別講義のおかげでなんとか、私立西野也高校に入学できた。しかしまた、入学したはいいが、授業の内容が中学時代とは比べ物にならないぐらいハードルが上がっていた。高校は、恐ろしいダブりとか、留年とか、退学とかいう、ワードをだしても大丈夫な、出してくるようなところだ。せっかく、大輝に手伝ってもらってまで入った学校だ。早々退学になってたまるか。それに、ダブリなんかしちまったら、おれは、零子のことを、「中島先輩」と呼ばなくてはならないではないか。それだけは屈辱だ。絶対にそんなことがあってはいけない。

だからおれは、この前行われた、高校生活始まって初めての、高校一年一学期中間考査では、じぜんに、大輝に教えてもらいつつ、自分なりに頑張った。頑張ったはずなのだ。寝る間も惜しんで勉強した。なのに・・・なのに・・・


「なぜだぁぁぁ!!!!」

いきなり俺が大声を上げたため、教室内で、自分たちの成績を教え合っている者たちが、俺の方に視線を飛ばしてきていた。教師は呆れた顔をしていた。こいつは俺の成績を知っている。だからそんな顔をしてくる。「何やってんだ。落ちこぼれのペーペー。」とでも思っているに違いない。

俺の方を見ていた、生徒たちは、すぐのもとの会話に戻っていった。


そうこれは、この前行われた、中間考査の結果を返却している最中だった。

前記したとおり、俺は、今まで以上に勉強をした。「これでもか~これでもか~」というほどに。しかし帰ってきた結果は、残念虚しく、学校内最低ライン集団に仲間入りしていた。ギリギリ退学ラインはセーフだったが、高校一年の一学期にもう退学って、どんだけやねんとか思ってしまう。

追い討ちを書けるように、教師どもは、「赤点三つ以上ある奴は、コレから当分の間、居残り補修だからな~。」という、悪魔の宣告を受けてしまった。

もちろん俺はそれを逃れることなどできるはずはない。俺のテスト結果。赤点12こ。最悪だ。そして教師どもは「赤点教科全てに合格するまで補修は続けるぞ~」とまで言っていた。終わった。俺の大切なスクールライフはここで終わった。がくり。


あからさまに首を落としていると、俺の周りにいつの間にか三人、人が集まっていた。それらは見なくてもわかる。いつもの仲間。白井大輝と中島麗子と雪風桜花さんである。お三方ともかなりの優秀で、学年のトップチームに入るようなものばかりだ。いつも上位者の張り紙に名前が載っているやつらだ。

「ゆうくん、大丈夫?ちょっと顔色悪いよ?保健室行く?」

優しく天使な雪風さんは、俺の様子が変なのか心配してくれている。やっぱり、雪風さんは、天使だ、女神だ、マリア様だ。

「雪風さん、そんなはずはないでしょう。この男は、この地球上に存在する、ありとあらゆる病原体が体内に侵入したとしても、それが何だと言わんばかりに、追い出してしまうような体なのですよ。そんな奴が、体調を崩すわけがないでしょう。」

なんだその言い草は。俺だって、時には風邪をひくし、熱も出て体調を崩すときだってあるんだぞ。インフルエンザにはまだなったことがないけども、それなりに、今までいろいろ、やってきたんだぞ。

「そうだな、確か、勇樹が一番最後に風邪をひいたのは、小三の夏だったな。そんときはほんとに死ぬかと思った。でも死んでないから問題ない。それからはずっと、この調子だな。たまに体調を自分では気づいていても、周りからはいつもと変わらないよと言われて誰にも気づかれないかわいそうな奴なんだ。勇樹は。」

なんにそれ!?途中からフォローおかしくね?!まあたしかに、調子が悪いといっても誰も信じてくれずに、ずるだと言ってきた。それによ~大輝さんよ~。

「もし気づいてんなら、最初からお前が証明してくれよぉ。そう言ってくれよぉ。」

大輝はそこは無視してきた。あらら。怒らせちゃった?

「怒ってはいない。」

そうか良かった。おれは、少しほっとした。今一瞬だけさっきを感じたが今は感じない。良かった。胸をなでおろす。

ってよくない。もっと良くないことが今起こっているし、どうにかしないといけない。それをどうするかが問題だ。

俺がひとり悩んでいると。

「そういえば、ゆうくんはテストどうだった?大輝くんと零ちゃんは順位一桁だって。すごいよね~。私なんてまだ10番代どまり。もうちょっとだったんだけど。惜しかった。えへへ。」

今更ですか!?いやいや。ちょっとまて、そうなると俺だけか!?赤点をとっちまい、補習にいかんといかんのは。それにさすがだな~三人とも。メチャハイレベルやん。そう考えると俺ってめっちゃ場違いじゃね。優秀生に囲まれるような人間じゃないよね!?

「雪ちゃん、それは、その、なんというか・・・。」

あの零子さえも、少し言葉選びに戸惑っている。すると大輝がなんでも内容にさらっと告白した。

「何って。そりゃあ、勇樹は、今回のテストが、ものすごく悪くて、きっと赤点を沢山取ったんだろう。だから補習に行かんといかんわけだ。そして俺たち三人はみんな、自分よりもはるか上を行く、優秀なやつらばっかり。俺の居場所はここで本当にいいんだろうか。とでも思っているんじゃないか?」

そのとおり。と言いたいけど。こらえる。なんとも恥ずかしい。隠しているつもりだったんだけど、やっぱり大輝には通用しない。すべてお見通しというわけか。

それを聞いた雪風さんは。

「それは大変じゃない!!ゆうくん、今すぐ勉強しよう!!そして補習なんて終わらせちゃお?ね?ね?」

なぜか雪風さんは、声を荒げてそう迫ってくる。なぜか?俺は少し記憶を頼りに考える。しかしこれといった、モノは出てこなかった。すると、玲子がその正体を喋った。

「わからないようだから教えてあげるは。ペーペー君。雪ちゃんはきっとさっき担任が言っていた事に懸念しているのよ。」

何言ってたっけ?赤点たくさん取ったら補習までしか聴いていなかった。

「それじゃあもう一度言うから、きちんと、覚えなさい。いい?補習を受けた人の中で、次の期末考査の日までに合格していない強化が三つ以上あった場合は退学もしくは来年はダブりだなと言っていたわ。」

は?思わずほうけてしまう。何?なんだって?退学?ダブり?そんなこんな早くのうちからそんなことを懸念しんといかんのか?恐ろしい。では早くし合格しよう。とおもったところで言葉を失う。大輝のこの質問で。

「そんで、勇樹。お前今回は赤点何個あったんだ?」

・・・。俺は少しの間、口を開けたまま止まっていた。思い出せ。俺は今回赤点を何個とったのか。

「じゅ・・12個・・」

・・・・・・・・・

一瞬空気がマイナス132度まで下がった気がした。三人とも言葉を失う。

少しかどれくらいかもう俺の時間感覚は麻痺しているため詳しくはわからない。だけど、多分少ししてから、雪風さんの表情が一変した。

「どどどどどど!どしよう!!!それじゃ、ゆうくんほんとにこれから頑張って補習受けないと、転校しちゃうじゃん。そんなのダメだよ。どどどどうしよう。ね?零ちゃん!大輝くん!」

かなりの慌て用に、雪風さんの顔は血にけが完全に引き蒼白としていた。

雪風さんにふられたふたりは、「うん・・・」とか「えっと・・・」とか言って、何も言ってくれなかった。そんな二人を見て諦めたのか、なにか思いついたような顔になった。

「そうだ!ゆうくん。これからは私と勉強しない?ていうかしよ?補習の勉強。私でよければ、なんでも教えるし、時間も使うからさ!さ!ね?これから期末考査までの間、頑張って最低赤点を3ついかにはしよ?ね?ね?」

俺はそんな雪風さんの、申し出を断る意味はなかった。もちろんそんな、申し出をしてもらえるのは嬉しい。だけど、俺に構っていたせいで、雪風さんの期末の成績が落ちるのだけは勘弁してもらいた。俺はそんなことをしたくはないしして欲しくもない。

「大丈夫!私なら全然大丈夫だから!私は自分の成績が下がることよりも、ゆうくんがここからいなくなってしまう方が恐ろしいよ。もう想像もしたくない。だから、一緒に頑張ろ?」

そこまで言っていただけるなんてものすごく光栄です。それでは迷惑をかけるかもしれないがよろしくお願いします。

おれが、雪風さんの申し出を受けようと口を開こうとしたとき、割り込んでくる奴がいた。それはもちろん、さっきから俺と雪風さんのやり取りを黙って傍観していた奴が我に返ったようでこういった。

「そんな、雪ちゃん。男と二人で勉強なんて、危険すぎるは。もしもこいつが、あっち系に覚醒したろどうするの!?そんな奴に、ゆきちゃんを汚されるのだけは勘弁。年頃の男女がふたりっきりっていうのはやっぱりダメだわ。私もそれに参加するわ 。ついでに大輝くんも来なさい。」

は!?という感じの反応をした大輝だったが、少し考え込んで承諾した。

雪風さんは少ししょんぼりしていたが、その理由はわからないので、気にしなかった。それに今更ながら考えるに、さきほどの会話、勢いに任せすぎていたきがする。やはり零子の言うとおり、年頃の男女ふたりっきりっていうのは少し、いやめっちゃやばいシチュエーションだ。良かった。

って待てよ、もし二人っきりだったら、雪風さんとマンツーマンっで近距離な関係を築けたんじゃ・・・って、だめだめだ。

俺は、雪風さんを守るもの。その守り人が、主に近づくなんてしてはいけない。禁忌だ。よし落ち着け。一回深呼吸だ。スーハースーハー。よし落ち着いた。

でもやっぱり今更だけど、少し残念な気もするが、まあいいか。

雪風さんは、さっきまでのしょんぼり顔は今はなくして、笑顔でいた。

するとそこへ、普通なら来るはずもない奴が来た。

それは生徒ではなく、教師であった。

教師は、俺の顔を少し見てこういった。

「赤丸。お前は、このクラス、いや学年で最下位付近をウロウロしているような結果だった。そんなお前を補習なんかで、学力がつくとも思えん。よかろう。このクラス、トップの三人に勉強を教えてもらえるんだ。ありがたいことこの上ない。お互いな。だから、お前は、補習には出なくていい。そのかわりみっちり三人から施しを受けろ。テストはいつでも受けられるから、準備が整ったら、来い。それと、もしお前がそれでも次の期末までに赤点3つ以下にならなかったら、そんときは覚悟しておけよ。わかっているな。それに、もしお前が最悪の事態をまぬがれたとしても次の期末で、三人の成績が落ちるようなことが起これば、お前の少ない成績から、どんどん引かせてもらうからな。わかったな。」

俺にそう言い、ほかの三人に

「それじゃあお前ら。この問題児をよろしく頼んだぞ?絶対に甘やかすなよそれじゃあな。」

雪風さんは、はい!!と元気に返事し、残りのふたりは、頷くだけだった。そんなことは言われんでもわかっている、とでも言いたげな顔だった。

しかし、補習免除とはなんともありがたい。これで、雪風さんとの時間が増えるのであるからな。しかし、最後普通に、問題児って行ったよな!?

まあいいや。頑張って三人の、特に雪風さんには迷惑をかけないように頑張らなくてわ。



てなわけで俺たちは、俺の赤点補習を減らすために、俺の地獄といってもいいほど過酷な、たまに天国な数週間が始まった。これは、俺が、合格するまで続くため、早く終わらせる必要があるな、と一人ながら思うのでありました。


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