表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
子供の遊び  作者: Ryo Yoc
7/35

ギーシフンケキ島1・バーイ文

 7:ギーシフンケキ島1・バーイ文


 ヤマ君の指示によりグループごとに違う場所からギーシフンケキ島に上陸して行った。砂浜や岩場や崖から。ヤマ君のグループは砂浜から上陸し、草原を横切り、森に入った。

 「これじゃジャングルだ。暑い。痒い」

 湿った大木が横たわる。密集する葉を透過した黄緑色の光。柔らかく伸びて絡まりあう草。赤、青、黄色、原色の鳥。美しが、それ以上に蒸し暑い場所だ。

 「暑―ね。ザオ」

 「わしはこのくらいの暑さではなんとも無い」

 ザオはアー助に微笑んだ。

 「だからザオって素敵!」

 カトリーはザオを見上げて言った。

 「まあな」

 「あ~♭」

 「オレは、力は強いが女はいない」

 キーポは進路を阻む蔓を切り開きながら言った。

 「うはあ。素敵なとこっしゅねえ。この黄金の木漏れ日!イイッしゅね~」

 タチバナさんはそれについて何か言おうとした。

 「おいマホ語。本音を言え!」

 文は言った。

 「暑くて死にそうっしゅ!」

 「よろしい」

 タチバナさんは黙っていた。

 「ヤマ君向こうに何かがいる。 動いてるよ!」

 アデはヤマ君に注意を促した。

 「かなり巨大な生物だな。みんな構えて。自分の命は自分で守れるように」

 ヤマ君はみんなに警告した。サクライさんは拳を固くし、ピピピピピ、と音を立てる細い雷を生やした。無数の赤い雷で拳を覆った。文はそれを見て、自分にも同じことが出来る、と思ったが、やり方がわからなかった。

 「それどーやるん?」

 「自分の無くしてしまいたくない人や場所を守ろうと強く思うのよ。そんなところから生まれる力よ」

 文はサクライさんの事を守る、と思った。文の手からピピピピピと音を立てる雷が五本生えた。他の者たちもそれぞれの方法で力を溜めている。アー助は口の中に深紅に燃える火の玉を、メガネ外人は両手に黒い蛇のような空気を巻きつけ、ザオは機械の右手からブルーライト・ソードを、カトリーは長い鼻の先に淡黄色の光を、アデは頭に白く光る熱を、テンネコはしっぽに蚤を、タチバナさんは短い髪の毛が吹き荒れるほどの風を体に、ヤマ君は目の中に青い光を、キーポだけはただ構えている。

 「あれ?キーポ君力を溜めないの?」

 「おれは、力は強いが、そういう光るやつとかは出来ん」

 キーポは文を叩いた。

 「いらんこと訊いて失礼しました」

 みんなは力を溜めながらゆっくりと巨大生物を迂回して進んだ。後もう少しで避けられるというところで、文が巨大生物めがけて力を放った。

 「馬鹿、何してるのよ?」

 「もう力を溜めておくのに疲れた。ごめん」

 「いっていぞ、バカ」

 地鳴りのような声が響いた。文の雷球は巨大生物に命中していた。みんなは逃げ出した。文だけは力を放った後で思うように体が動かなかった。

 「僕、泣くよお」

 巨大生物は地面を震わせながら歩いてきた、小石や倒れた木が破壊される音が続き、文の目の前に姿を現した。

 「コアラか!」

 巨大生物は耳だけが翼になっている、黄土色の毛の、巨大なコアラだった。

 「オレはビッグコアラのバグンだ。いっていなあ」

 「すみませんバグンさま。許して下さい」

 「肉が食いたい。持ってきたら許す」

 「え!?コアラは肉を食べませんけど」

 「オレは変わったコアラだからな。耳みりゃ解るだろうが」

 「確かに。翼だもんね」

 「解ったらもってこい」

 「Yes!」

 文は肉を捜しに出かけた。

 

 「あれ?あー文がおらん」

 アー助が言った。アデは頭を抱えた。

 「さて、引き返すか」

 ザオが言った。

 「いや。もう生きてはいないだろう。文君の力であの巨大生物を倒せるとは思えない。逃げ遅れたとしたら、もう生きてはいないだろう。先へ進もう」

 ヤマ君は言った。

 「そりゃあちょっとひどいっしゅねえ」

 メガネ外人は抗した。

 「引き返そうぜ」

 タチバナさんは言った。

 「もともと文君のミスなのよ。ヤマ君も言ったように自分の身は自分で守るしかないの」

 サクライさんは説いた。

 「どうするかはやく決めてくれ。おれは、力は強いが自分の意思は弱い」

 キーポは言った。

 「ヤマくん、引き返してみようよ」

 テンネコは言った。ヤマ君の目に青い光が宿った。

 「この世界のことを第一に考えるんだ。先へ進む」

 みんなはヤマ君からとてつもない力を感じた。その力によってみんなの考えは流され、先へ進み始めた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ