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68.夏休みが終わる

夏休みの最終日は戸田の家に集まって、浅葱さんの宿題を終わらせた。


各教科の冊子は皆と一緒にやった分結構進んでいたし、解答欄が全部埋まってるのは浅葱さんの成績的に丸写ししたのがバレバレだから、ほどよく埋める感じなのでそこまで大変な作業ではなかったが、ここに来て読書感想文をまるまるやっていない事が発覚。

課題図書に指定がなかったおかげで、僕の箸にも棒にもかからなかった中学の時の読書感想文を押し入れのプリントの墓場から引っ張り出して、ちょっとアレンジはしたがほぼ丸写しをして提出させるというズルをさせてもらった。


あの時は今日中に全ての宿題を終わらせることに必死になっていたが、良く考えれば、現国の先生は優しいし、頭を下げれば提出期限を1週間くらいは伸ばして貰えそうだし、ちゃんと浅葱さん自身にやらせるべきだったか…と反省している。

他の人だったら高校生のズルや手抜きなんてあるあるだよね、と思えるが、浅葱さんにズルを覚えさせるとなんかとんでもく将来への悪影響になりそうな気がしてならない。

次からはもっと厳しく行こうと僕は気を引き締めた。



戸田の家の帰りに本屋に寄って一人で家に帰宅する。


自分の宿題は全部終わっていて、もともと中学の時も期限内には終わらせる方だったけど、今年は早く終わって、それも一緒に勉強するメンバーがいるおかげなんだろうな、となんとなく思う。


漫画でも読むかと思っていたら、テーブルの上に置いてあるスマホがポポポンと通知音をならす。

きっと今日の写真を野崎さんが送ってくれてるのだろう。

画面を開いて、写真を保存したついでにアルバムを何となく眺めた。


球技大会から始まって、勉強会やちょっとした遠出、キャンプにお祭り、自分のスマホのカメラホルダが家族以外の写真で埋まるとは思ってもいなかった。

少しニヤニヤしている気持ち悪い自分に気付いて、部屋には自分しか居ないのに恥ずかしくなる。



─キャンプの夜空は綺麗だったな。


星空はもともと好きな方だったけど、今まで見た中で1番な綺麗に感じた。

ふと、僕は皆のこと大事にできてるかな、といったことを不安げに言った戸田を思い出す。


あの時は戸田にも自信がないことがあるんだな、そんなこと考えてるんだ!と思うのと同時に、思ったことがある。



─そんなこと、考えたこともなかった。



そう、周りの人を大事に出来ているかなんて、意識したこともなかったのだ。


人と関わることでいっぱいいっぱいだった、と言うのは言い訳だが、人と関わるのが慣れてないからこそ″周りの人を大事にする″と言う意識を持つべきなのだと心底思う。

なんの意識もなしに、周りの人を大事に出来るような器用さを自分が持ち合わせてるとは、悪いが全く思えない。

中学時代の悪い意味での唯我独尊は、全然去っていなかったのではないか?と地味に落ち込んだのは秘密だ。


─僕一人の問題じゃないから、落ち込んでる場合じゃないんだよな。


僕はすぐさま今までの行動や発言を思い返した。


─戸田は自分の行動に不安を覚えて、僕に出来てるかどうか確認を取ってくるくらいだ、僕が戸田を大事に出来ていないかったら聞いくるはずがないだろうからセーフ。

浅葱さんはぼーっとしている様で関係に慣れたら言いたいことは空気を読まずに言ってくるタイプなんだよな…読書感想文を何故しなかったのか僕が聞いたら「本読むのきらい」とふてぶてしく答えて、野崎さんに怒られていた。

僕が周りを顧みない利己的な行動を取ってたら以外と注意してくれるような安心感があの子にはあるからセーフ。

野崎さん、野崎さんは…、嫌な人間に対しては笑顔で去っていきそうだ、死ぬほど怖い…でも今日も楽しそうにしていたし2学期も僕らと楽しくすごす前提の会話をしていた、まだセーフ。

母はどうだろう?あんまり怒られたこととかはないし、父が単身赴任になってからは特に家のこととかは手伝ってるから微力ながら親孝行はできていると思う。

これはちゃんと大事に出来ているんじゃないか?

父さんとは今はなかなか関われないから、母さんへの親孝行が今は回り回ってそれが父さんへの親孝行にもなってると思っておこう。

でも妹だ、妹は…今は関係性がいいからそれでOKと思っていたけど、思い返せば、妹が僕に対して態度が悪かった時、″そういうものだ″″僕が大人な対応をすればいい″で流して、僕はけっして妹に向き合おうとはしなかった。

僕のそういう姿勢が、妹の態度をさらに頑なな物にしたんじゃないだろうか。


─大事な相手なのに、大事に出来ていないってきっとこういうことだよな。


戸田と仲良くなってなかったら、多分妹は今も僕と目も合わせようとしてなかったはずだ。

僕はきっとあの時、妹になぜそんな態度を取るのかと、話を聞くべきだった。


─今更聞いても、妹の性格的にははぐらかされそうだけど、いつか落ち着いたら話せるかな。


僕はそんなことを考えながら、二学期は人を大事にする、と言う方法をしっかり確立しようと心に決めた。


人を大事にするって無意識でも出来る人間と、意識しないと出来ない人間に分かれると思います。

直哉は他人に迷惑はかけませんが、人を大事にするにはその方法がズレがちなタイプです。


次は二学期スタート。

ストックを作りたいので次の月曜日までお休みします!

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