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人間というもの
次の会議が来るまで、結人は考え続けた。
仕事をしながら、電車に乗りながら、コンビニでスイーツを選びながら、考えた。
自分は何を言うべきか、ではなく。
人間というのは、本当はどういうものか。
自分が知っている人間というのは、せいぜい数百人だ。職場の人、学校の友人、家族、街で見かける人たち。その全員を思い浮かべた。
怒鳴った人もいた。意地悪をした人もいた。騙そうとした人もいた。
でも、助けてくれた人もいた。どうでもいいタイミングで優しくしてくれた人もいた。何の理由もなく笑いかけてくれた人もいた。
どちらが多いか、と問われれば、多分後者だ。
でも、それはたまたま自分の周りがそうだっただけかもしれない。
「難しいな」
またひとりごとを呟いた。
一人暮らしの部屋に、月の光が差し込んでいた。
月もまた、宇宙の一部だ。
あの会議室のどこかに、今もクロノスたちがいるのかもしれない。次の会議の準備をしているのかもしれないし、別の文明の話をしているのかもしれない。
「人類って、どう見えてるんだろうな、外から」
答えは来ない。
でも、来ないことはわかっている。
だから、自分で考えるしかない。
それもまた、人間らしいことかもしれない。
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