15話 後編 謎のピラミッド
店内のライフルを手に取って構えてみる。するとノワールが「様になっているじゃない」と茶々を入れてくる。
ライフルを置いて色々見ていると店員が声をかけてきた。
「お客様、お目にかなう物はありましたでしょうか?」
「え、ええ。ちょっとライフルが気になっていまして」
店員は「お目が高い」と言う。
「こちらは五百メートル先も狙えます。これならどんな獲物もズドンッです」
吉塚もライフルを手に取り構えてみる。
「こりゃあいい。俺が買おうかな」
にやっとした笑みがなんともわざとらしい。
奏楽は他の武器も手に取ってみた。剣を鞘から引き抜き構えてみる。弓矢の弓を引く素振りをしてみる。
だが、結局のところライフルを購入した。
〇
早速腕試しとばかりに森に入って印を書いた紙を木に括り付けて射撃をすることにした。
弾を込めて狙いを定める。
――ダンッ。
一発の弾が狙いを定めた木をかすめた。
「難しい」
弾を込めてもう一発放つ。
――ダンッ。
見事に印に命中する。
吉塚は「お見事」と言って拍手する。続いてノワールとナナも拍手をする。
「実戦で使う時は前線で戦う人に当たらない方角から狙撃することにするよ」
〇
奏楽たちが武器屋に行っている間、エクスマキナの少女は霧の町でモンスターを狩っていた。
蝙蝠の翼を広げて空を飛び回る人型の怪人。
少女は背中のホルスターから拳銃を取り出し構える。数発弾丸を撃ち込むと怪人は墜落して発狂した声を上げながら地面に転がりのたうち回る。
さらに弾丸を撃ち込むと動かなくなった。
「任務完了。これより保護対象を探し出し教会へ連行する」
背中のホルスターに拳銃をしまうと少女は辺りを見回し、霧の町の中を探索した。
〇
ライフルをライフルバックにしまいこむ。時は夕方、ノワールとナナは家へと帰ることとなり奏楽と吉塚はモーテルで泊まることとなる。
モーテルへと行く前に二人はピラミッドへと寄っていくこととなった。結局気になったのだ。
ピラミッドへとたどり着いた二人は入り口を探した。
奏楽は隣を歩く吉塚の腰を肘で突く。
「やっぱりこういうのって気になるよな」
「ああ、よくわからんものほど知りたくなる」
すでにダンジョンとしての機能は失っておりアンデッドも出現しないらしい。戦う必要もなく気軽に入ることができる。
入口を見つけ入る二人だが、一つ気になることがあって奏楽は吉塚に問う。
「スフィンクスがないよね?」
「ああ、ないな。これも世界の文明の違いだな」
エジプトのピラミッドはエジプト神話に深く関りがある作りとなっている。ここはエジプトではないのでスフィンクスはない。
〇
ピラミッドの中へと入った二人は薄暗い明かりのついた通路を進んでいく。
人の手が入っているようで明かりも付けられており、罠なども発動しない。宝もなければミミックもない。王のミイラも既に豪華な棺桶とともに引き出された後だろう。
吉塚は不思議に思ったことがあり奏楽に話しかける。
「なあ、ちょっと思ったんだけどさ。異世界の神話ってなんなんだろうな」
奏楽はその疑問に転生の際に世話になった女神を思い出した。
「女神フリイグ。俺を転生させた女神だ」
「そうか、俺もだ。女神がいるということは神話があるってことだ」
空っぽになったピラミッドから出てくると明日の予定について話し合った。明日は神話について調べることにしたのだ。どうにもこうにも自分たちが転生したのも神話に関わっているかもしれない。だとしたら調べるに越したことはない。




