第1話 序
※主人公スハの物語は、こちらの第二部からスタートです(第一部は、スハが生まれる前の前提になる部分のお話になります)
第二部からでも読める形で進める予定のため、どちらからお読みいただいても大丈夫ですが、お時間ある方はぜひ第一部からお読みください★
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かつて、天と地が今よりも近かった時代。
地上の争いを嘆いた天の神は、一羽の白い鴉を一人の小さき国の王に遣わした。
「天に住まう白い鴉は、地上においては吉祥の証。この鴉が、そなたの国を唯一無二の存在へと導くだろう」
周辺の国々はこの王の元へ集い、いつしか争いは途絶え、王は地上で唯一の存在となった。
「天より遣わされたこの鴉は、まさしく吉祥の証。以後は国の守り神と定め、我が国を白い鴉の国とせん」
―――失われた国の建国神話―――
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ある大陸に、北の尚景、東の冲景、南の蔡景、人呼んで「三景の地」と呼ばれる場所がある。
この地の本来の名は亡びて久しく、遥か昔、東西南北数百里にも及ぶ広大な一つの国であったことなど、人々の間からは忘れ去られていた。
名が亡び、ただ「三景の地」と呼ばれるだけのこの場所には、大小数多くの国が乱立し、長きに渡る戦乱の世が続いている。中でも、南の蔡景では覇権争いが激化しており、毎日どこかで国が消えていると言われる程、激しい争いが続いていた。
その蔡景にあって、烈火のごとき勢いで領土を拡大し続ける国がある。
大鷹、と他国に恐れられる大王クァク・ソンドが治める大国、紫微国―――。
その勢いの右に出る者はおらず、これまでの戦で挙げた王や将の首は数えきれない。三景全土でその名を知らぬものはいない程、蔡景、ひいては、三景統一に一番近い王だと言われている。
そんな王がいることに、紫微国の民は心から感謝していた。
紫微国に生まれ、紫微国に生きる我々は、他国に侵略される心配などしなくていい。紫微国にいる限り、我々の生活は脅かされることなど無く、未来永劫安泰なのだ、と―――。




