閑話
閑話
ワシとマリーは女神にエタニティドラゴンの半身として転生した。
女神は使い勝手は変わらないと言っておったが、完全に変わらないわけではない。
「尻尾というのは扱いづらいものじゃな」
身体を慣らすためにちょいと魔物でも狩るかと考えておったら、ワシより先にマリーはすでに動いていた。
「お爺さんも食べますか、小型のドラゴンです」
マリーが狩ってきたドラゴンはコヴァナと呼ばれておる。
コヴァナは身体中に頑丈な鱗と翼が存在し、鱗を飛ばすことで空中からの攻撃も可能である。
しかし翼の関節に呼吸器官があるため翼さえ落とせば仕留めることが可能である。
成長すればオオヴァナと呼ばれさらに厄介になり村を壊滅させるコヴァナは町を壊滅させるほどになる。
オオヴァナは翼に飛行能力を失う代わりに呼吸器官が強化される。
一呼吸で、村レベルを消し飛ばしてしまう。
それは武器でもあり弱点でもある、強化された呼吸器官は心臓より巨大で狙いやすい。
そしてコヴァナ、オオヴァナも食べる際は生より焼きの方が美味くてな、あれは酒のつまみにも最高にいいんじゃよ!
マリーはこの尻尾で飛びコヴァナを仕留めたのなら、ワシもすぐに使いこなす必要がある。
「お爺さん、ほら早く食べないとなくなりますよ」
ワシは食事中のマリーを止め、コヴァナを炙った。
「こっちの方が断然美味いんじゃよ、ホラ食ってみな」
マリーは焼いた肉にかじりついた。
「ありがとう、こっちの方が美味しいよお爺さん!」
この笑顔を守るためにギルドを作ったのじゃがな。
「「ごちそうさまでした(じゃ)」」
「食後の運動に付き合ってください、お爺さん」
「ちょうどワシも提案しようと思っておったところじゃよ」
この身体でどこまで出来るのか、同じ半身であるマリーになら全力を出しても構わんじゃろう。
それにマリーはすでに尻尾を使いこなしている。
見習えるところは見習わなければな。
マリーは尻尾を打ちつけながら片翼を剣に変えた。
「準備はいいですか? 私は出来ています、この通り。どこからでもかかってきてください」
この身体はこういうこともできるのか、新しい発見ばかりだ。
ワシはその辺の木を斧に変え強化魔法で鍛えた。
「行くぞマリー」
一振りの威力は生前の全盛期より少し下がってはいたが、これならば鍛え直せばそれ以上になれる。
尻尾を使い、攻撃を舞うように避けられてしまった。
……使い方はこんな感じじゃろうか?
シュッシュッ
「よし動いた。じゃが、もう少し慣れればマリーのように出来そうじゃな」
「お爺さんにそう言ってもらえるなんて嬉しい!」
ワシたちが二分ほど食後の運動をしていると森を切り拓いてしまった。
「これぐらいにしておきましょうか、お爺さん」
「そうじゃな。食後の軽い運動にしてはいいじゃろ」
莫大な魔力の持ち主を相手にしたセティアスの魔力が消えたのを確認した。
ユリアにではなく転生者に殺されたか。
あの莫大な魔力、おそらく女神の仕業か……ワシたちは尻拭いというわけじゃな。
「…………はぁ」
呆れて深い溜息が溢れてしまう。
「お爺さん、私たちの方に誰か来てる」
……この魔力はユリアか。
「安心しろマリー、敵ではない」
マリーはホッと胸を撫で下ろしあくびをした。
「……ふぁあ、お腹が空いてきた」
この身体には燃費の問題もあるのかもしれない。
引き続きこの身体について調べるか。
「ワシがいない間にどうなったかも確かめさせてもらうぞユリア」
読んでいただきありがとうございます!!
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