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それぞれの時間

お客さんがいっぱいです。





 昼食を食べずに出かけるラインハルトとルイスをわたしは見送った。

 ラインハルトは機嫌がいい。

 意味深に見つめられて、わたしは居たたまれない。


(早く出かけてください)


 心の中で悲鳴をあげた。

 作り笑顔が引きつる。

 そんなわたしとラインハルトを不思議そうにルイスは見ていた。

 何かあると察しているようだが、問いかけるほど無粋ではないらしい。

 二人は馬車に乗って出発した。

 その少し後、アークがやって来る。

 一緒に昼食を食べた。

 アークにマルクスを紹介して、マルクスにアークを紹介する。

 マルクスはアークを気に入ったようだ。

 食事をしながら、いろいろ質問している。

 かなり楽しみにしていたらしい。

 そんなマルクスにアークの方が押されていた。

 だが質問に一つ一つ丁寧に答えている。

 仲良くやれていて、わたしはほっとした。

 アークにマルクスのことを頼むことは事前にアルフレットにも許可を取っている。

 王子であることを内緒にする方がいいということはアルフレットの方からも言われた。

 だが、護衛もつけずに送り出すことは出来ないとマルクスだけをアークのところに置いてくることは反対される。

 何もないとは思うが、そう言われるとわたしも心配になった。

 話し合った結果、ルークとユーリも連れてアルフレットも一緒に行くということに話は纏まる。

 自分の目の届く場所にいるならOKらしい。

 一緒に行くために子供たちにも体験させるという理由をつけた。

 ルークとユーリは何にでも興味があるらしく、単純に喜ぶ。

 だが子供たちの面倒までアークに頼むのは忍びなかった。

 アークにはマルクスの相手に集中して欲しい。

 子供たちの面倒はわたしが見ることにした。

 しかし、それをシエルに反対される。

 自分が相手するから、わたしは家で父と話をした方がいいと言ってくれた。

 客人が多くて、わたしと父はゆっくり話をする時間をとれないでいる。

 なんとなくだが、父には話をするのを避けられている気もした。

 みんなが留守にするのだから、ちょうどいいタイミングだといわれて納得する。

 わたしの弟はやはり天使だったと、感動した。

 シエルは子供たちとはもちろん、いつの間にかアルフレットとも仲良くなっている。

 アルフレットがシエルにいろいろ気を遣ってくれているようだ。

 ルイスよりシエルの方がアルフレットの弟のように見える。

 可愛がってくれていた。

 アルフレットは意外と年下に弱いらしい。

 予想外にいいコンビだとわたしは思っていた。






 アークの畑まではわたしも同行する。

 マルクスが何を体験するか、アークと二人で決めた。

 わたしはそのまま帰ろうとするが、アークに呼び止められる。


「マルクス様って、あれですよね?」


 言い難そうに問われた。


「あれ?」


 何を聞かれているのかわからなくて、わたしは首を傾げる。


「王子様ですよね?」


 こそっとアークは聞いた。


「え?」


 わたしは驚く。

 ばれたことに動揺した。

 そんなわたしにアークは苦笑する。


「表彰式で見ています」


 知っている理由をアークは口にした。


「あっ……」


 わたしは表彰式に他の王子たちもいたことを思い出す。

 国王が参列しない代わりに兄である王子たちが参列するとか聞いた気がした。

 いろいろありすぎてすっかり忘れていたが、いた気がする。

 あの時に比べるとマルクスはとても地味な格好をしていた。

 だが、同一人物であることはわかるらしい。


「あー……」


 わたしは困った。


(さすがに王子様の相手は気が重いよね)


 どうしようと悩む。

 とても頼みにくくなった。

 それに気づいたアークは苦く笑う。


「引き受けないって言っているわけではないんですよ」


 先回りして、そう言ってくれた。


「ただ、王子様だと言わないのには何か理由があるのかと思いまして」


 それが気になったらしい。


「何もないのよ」


 わたしは首を横に振った。


「王子様って知ったらアークがやりにくいと思っただけなの。気を遣ってしまうでしょう? マルクス様はそれを望んでいないようだったから」


 正直に答えたら、アークは小さく笑う。


「同じですよ」


 呟いた。


「オレたち農民にとっては、貴族も王子様も一くくりで同じ存在です。自分たちとは違うと思っています」


 その言葉に、私はなるほどと頷く。

 わたしたち貴族にとっては階級の差は大きい。

 男爵と公爵なら同じ貴族でも全く違う。

 だが農民から見たら貴族は男爵も公爵も同じようだ。

 そこに差はないらしい。

 王子様でも同じようだ。


「改めて、マルクス様のことを頼んでいい?」


 わたしは確認する。


「大丈夫です」


 アークは引き受けてくれた。

 わたしは安心して家に帰る。

 屋敷に戻ると、父の姿を探した。

 部屋にいると思って訪ねたら、いない。

 使用人たちに聞いて回った。

 庭にいると言われて、庭に向かう。

 父は庭で母が好きだった花を見ていた。





お父さんと話すための時間を作りました。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] ちょっとキャラ名の間違いが多すぎ
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