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九泉万緑 ‐常夏世界の底でまた会いましょう‐  作者: ガリガリワン
第一章 復活編

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プロローグ


 現在から九千年前──

 世界を支配していた二人の女が封印された。


 二人の封印に至るまで十年以上戦争が続き、

 多くの戦士が慰霊碑へと名を刻んだ。


 戦争に敗れた二人のうち一人は、身体を十三個の部位に分けられ、十三の王国が各一個ずつ所有して今も封印を維持している。

 そしてもう一人は世界の中心にある底の見えない大穴、冬淵とうえんへと落とされた。


 史上最悪の戦争は冬滅とうめつ戦争と呼ばれ、二人のうち、氷の魔力を有する女は、封印される際に世界から氷の魔力を吸い尽くしてしまった。


 未来永劫、彼女らの封印が解かれることはないとあの日までは誰もが思っていた。


 現代魔法学の基礎が生み出されおよそ千年。


 夏魔かまの暦、千二十九年。


 凍塵とうじん。ペルポネ・ライダイア──復活。


 十三個の部位のうち、右目の魔眼まがんが突如爆発。白煙の中からは真っ青な光を瞳に宿し、五体を持つ彼女が現れたのだ。


 彼女が愛した存在は常夏世界の底にて、

 封印に縛られたまま眠り続けている。


 魔妃まひ。ヘカーテ・ラヴレルラ。

 ペルポネの側近として知られる者だ。


 冷気纏しかつての災厄は、白煙の中から一歩ずつ地を踏みしめて歩み出す。自身がとてつもなく弱体化していることを察しながら警備の戦士を睨めばそれに返されるのは魔法による攻撃。


 弱体化した彼女にとってその魔法は以前のように弾ける物ではなく、逃亡を選択することしか出来ない。


 ただ逃げる際、一つの約束を思い出す。


「……ヘカーテ。今度は余が迎えてやろう」


 それは彼女が目を覚ましてから初めて発した言葉。彼女を追う戦士はその言葉を耳にして足が凍りつき、ペルポネは逃亡に成功。


 彼女の言葉はすぐさま国王へと伝わった。


 そして──九千年ぶりの宣戦布告となる。

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