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第一話
「眠い…、それに暑い。」
じめっとした大気が体にまとわり付く。
眩しそうに目を細めて頭上を見上げると、雲一つない晴快な青空とじりじりと焼き付ける太陽があった。
「お前何回同じ単語を繰り返してる?まだ梅雨が開けたばかりだろう。少し黙っとけ。」
ダルそうに赤みがかった前髪をかきあげて、宙に浮きながら頴逸は瀞麗と一緒に歩く。
「あー、やだなぁ。これからもっと暑くなるんだ…。どうせ家に帰っても暑いだけだしなぁ、図書館に行こうかな。」
瀞麗が回れ右をして行こうとすると頴逸が瀞麗の束ねてある髪を思いっきり引っ張った。
「うぎゃっ!」
「早く帰らないとまた庸江に怒られるぞ。」
「分かったよ、分かった。そのまま家に帰りますよ。」
瀞麗は少しふてくされてスタスタと早足になった。
それを見てため息をついてまた瀞麗と並ぶ。これが今までの日常だったが、その今までの日常が家に近づくにつれて刻々となくなって行くのにまだ二人は気づいていなかった。
どうも、有明です。
初投稿なんだけど、気に入ってくれたらうれしいな。




