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帆咲の過去
ポタポタ
水の滴る音がする。
屋根はボロボロで一筋の光が差し込んでいた。
手には手錠をはめられて足には枷をさせられて塔の中に閉じ込められていた。
理由は双子は悪い、どちらかをいないことにしてしてしまおうというものだった。
少年はうずくまって毛布をかぶって暮らしていた。
だがあそんな暮らしに終止符が打たれるときが来た。
村は大洪水に見舞われて村人は一人残らず死んでしまった。
残るは塔の中の少年のみ。
そんな時だった。
雷が塔に落ちて少年の手錠と足かせに命中してはずれた。
「……」
少年は無言で涙を袖で吹いて
隣町の書店に行き、名前の本を買って
自分の名前を空夏帆咲と名乗ることにした。
「これなら画数もいいし完璧な名前だ」
役所に出生届けも出して街から街を旅する『街人』となった。
「ねえ聞いた? 猫の街に100万回生きた猫がいるんですって」
風の噂で聞いた。
「会いに行ってみよう」
僕はもう自由だ。
「神様、ありがとう」
神に感謝して猫の街に向かった帆咲であった。
最初の話に戻る。




