↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
JKは魔王の嫁になる。  作者: かつらぎ
第二章 逢瀬&告白編
32/93

魔王の告白

一瞬、何が起こったのか、理解できなかった。


ユリが私に回復薬を飲ませている・・・それも口移しで。


初めて触れるユリの唇は、柔らかく、温かくて、動けぬ身体で、思わずユリの唇を貪ってしまった。


薬を全て飲み干し、苦しそうなユリに気付く。口を塞いでしまった。・・・息が出来なかったか。


もう少しだけ、味わっていたかったが・・・己の唇をずらし、離した。ユリは・・・涙を堪え、心配そうな瞳で真っ直ぐ此方を見つめてくる。


ゆっくりと・・・開いていた傷口が光を放ちながら消えていくと、痛みも収まり、私の身体は大分楽になった。


「・・・ユリ」


(やっと此方を見てくれたな。)


言葉にならぬ思いを伝えようと、ユリの頰に手を伸ばす。


「・・・すまぬ・・・」

「死んじゃうかと思いました!!!」


ユリは安堵した様な表情(カオ)だが、その瞳からは涙が次々と溢れ、流れてゆく。


「セル様が、死んじゃったらって・・・わたしが、洞窟を見たいなんて言っちゃった、からな、ん・・・」


最後の言葉は、嗚咽に変わる。私は漸く身体を起こすと、ユリの手を取り、此方に抱き寄せた。


「・・・怖い思いをさせた。守れもせず・・・すまなかった。」



ユリは私の腕の中で、暫く泣いていた。嗚咽を漏らし、震えながらも、私の背に優しく手を回す。


(・・・ああ、この娘が愛おしい。私の為に涙を流し、私の事を大事に思ってくれる。)


「、っく・・・セル、様?」

「ユリ。愛している。」


ユリの髪を撫で、顔に手を添えて此方に向けると、その黒い瞳の中に私が映し出される。


「私は・・・お前の事が愛おしい。」


ユリの黒い瞳が大きく開き、頬が紅く染まってゆく。この娘は、ほんとうに表情(カオ)がくるくるとよく変わるな。私は、一瞬足りとも、見逃したくない。この娘が見せる全ての表情を、私だけのものにしたい。


「セル様・・・あの、あの、わ、わたしも・・・です。」


顔を真っ赤にして、下を向こうと俯く。ユリの小さな声は、聞き取れない。


「うん・・・?」


「!!!・・・わたしも、セル様が、好きです!あ、あいして・・・ます。」


ユリは小さな声で呟いた。もう我慢など出来ぬ。ユリの顎を引き、此方に寄せる。ユリの瞳が、戸惑いなのか一瞬揺れた。だが、止めるつもりはない。ゆっくりと、再びユリの唇に口付けようとしたその時・・・・・


後ろでどしんと大きな音がした。


「「!?」」



「我が王に、ユリ様!お待たせ致しました!参りましたわよーーーー!!!」


(・・・フェイ・・・お前・・・何故だ、何故姿を現した?今の、この瞬間に・・・。)


「魔物達の報告を聞いて、飛んで参りましたわ!縮小サイズですけれども!」


フェイは、いつもの人型ではなく、(ドラゴン)の姿をしている。


「え・・・フェイ、さん?」


フェイの人型ではない姿を初めて見たユリは、唖然としていた。


(・・・此奴は何時も、気を利かせるという事を知らないのか?)


「あら、なんだかお邪魔でした、かしら?」


フェイを睨み付けると、フェイは眼をそらしながら答える。


(・・・・・気付くのが遅いわ。)



邪魔が入ってしまった。いや、今はユリの膝の治療が先だ・・・また頬を染め、唖然としているユリを立ち上がらせ土埃を払う。水で濡らした手拭いで傷口を拭ってから、少しずつゆっくりと回復薬をかけた。


ユリの白い脚、その膝には、紅い血が滲んでいる・・・この傷は、私の所為だ・・・ユリの傷口が仄かに光り、塞がっていった。


ユリの傷跡にそっと触れ、治っているか確かめる。ああ、また先程の怒りが湧き上がってくる。ユリは大丈夫だと言うが・・・大丈夫なものか!!!役立たずでしかなかった、情け無い己に、腹が立つ。ユリに怪我をさせてしまった・・・。


(あの人間共・・・絶対に、許さぬ。)

告白 こくはく 心の中で密かに思っていたことを、ありのまま打ち明けること。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。