JK、魔王と野宿する。
「私の仕事は、魔物達が増えすぎたり減りすぎたりする事のないように、監視し、管理することだ。それに日々魔物や人間の様子を報告させ、この国の人間達が平和を保ち、戦が起きないように監視もしている。」
魔王なのに!?魔王って、人間を滅ぼす役目なんじゃないの???
はてなしか出てこない。引きこもりの魔王だからじゃなくて?
確かにセル様が戦ってるとことか、見たことないし、なんか想像つかないけど。
「えっと、でもそれって、魔王っぽくないですね?」
「魔王っぽくないか?ユリは、どんな風なら嬉しいのだ?魔王は、好みでは・・・ないか?」
不安そうなセル様。尊い・・・尊すぎる。きゅんきゅんする。わたし、ドSだったのかな、泣きそうになるセル様見ると、可愛くて、もっとからかってみたくなっちゃう。なにこれ。
「いえ、イメージでは、なんかもっとこう、勇者とかと戦うっていうか、ラスボスっていうか・・・ゲームとかラノベでは。」
「げーむ、や、らのべ?は、知らぬが、不要な戦いはしないし、するつもりもない。もちろん、向こうから戦を仕掛けてくれば別だが・・・人間の国など、滅ぼそうと思えば指一本で滅ぼしてしまえるからな。だから人間達も余程のことがない限りは、私に手を出すことはしない。・・・魔王は、嫌か?」
はあ・・・指一本ですか。こわっ。歩きながら、セル様は私の手をとる。不安そうにぎゅっと、握りしめて、小さな子供みたいだ。あんまりいじめたら、かわいそうかな。怒らせて、滅ぼされたくないし。
「いえいえ、魔王、大好きです!」
あれ、セル様今度は耳まで真っ赤になっちゃった。照れてるセル様もかわいい。これもやばたん。
「・・・・・先を急がねば、街に着かぬな。」
照れちゃったセル様と、休みをはさんで森を歩き続けて、夕方になった。
セル様は、背負っていたカバンっていうかおっきな袋から、地図を取り出し、辺りの様子を伺う。
若い頃・・・いや充分若く見えるけど。意外にもセル様は人間界によく遊びに来てたらしい。もちろん正体を隠して。城にあまり居たくなかったって言ってた。反抗期みたいな?この森は100年前とそんなに変わってないらしい。
「・・・うむ、この辺りで、良かろう。」
明日の昼前くらいには、街に到着するみたいだけど、今日はここで野営するらしい。
ん?野営って、キャンプってこと??こんな森のど真ん中でキャンプとか、初めてなんですけど!!てかここ異世界だし、魔物とか、出てこないの!?っていうか、わたしなにも考えてなかったけど・・・えっ、セル様とふたりきりで、森で一夜過ごしちゃうの!?心の準備とか、なんもしてなかった!!
色々パニクってる私ににやりと笑って、セル様は言った。
「先程も言ったろう。私の仕事は、魔物達を監視する事だ。この森の魔物達もわたしの加護を受けているから、オーム達から伝達が届いているはずだし、こちらが人間のふりをしていても、襲ってくる事はない。それになにがあろうとも、ユリの身は守る。・・・まあ、もし理性を失った魔物が襲ってくることがあれば、その時は一族郎党、滅ぼせばよいまでの事だ。」
なにその大人対応。ドキドキしてるのは、わたしだけ?
ああ、なるほど。セル様、チートだもんね。・・・今のセリフ、いままでで1番、魔王っぽかったです。




