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my都市鉄道経営記  作者: つぼみの紫陽花
10/10

Part9

P:社長 紫川 陽一

M:主人公/鉄道事業本部 花守 裕也

W:同僚/鉄道事業本部 和方 明人

R:同僚/鉄道事業本部 李 伊陽

O:上司/鉄道事業本部車両課長 追船 正志

E:鉄道事業本部長 榎田 和寛

A:建設課長 葦沢 拓

T:設備課長 十島 圭史

4月2日、花守たちが出社すると、1通のメールが届いていた。百ヶ丘駅(舞倉車両センター)の傍に建設中だった社員寮が先日完成し、入居の準備が整ったので、仮社員寮から転居しろというものだった。また、今年から入った新入社員は既に入居しているということだった。メールには部屋割りを示したエクセルテキストもあった。基本的に下層階から上層階にかけて役職が上がるような部屋割りで、課毎にまとまって部屋割りがしてあった。既に家を持っている、または自力で賃貸物件を借りた人は表には入っていない。


W:ところで部屋の中ってどんな感じなのん?

M:間取りは画像で送られて来てるけど…内装はわからんな…まあ仮社員寮と対して変わんないんじゃない?それよりお前角部屋だぞ。

W:えー、冷えるから嫌なんだけどな…ところで李さんってどこに住んでるの?この表の中にはないけど。

R:私は舞倉東駅の近くの賃貸に一人で住んでます。

W:あー、駅の東側の住宅街のとこ?

R:ええ。街の外れですのでそこまで家賃は高くないのでちょうどいいかと思いまして。

M:まあ社員寮と家賃ほぼ変わらんしな…

W:あ、でもこっちの方が少し広いのか…

M:でも利便性は向こうのほうがいいだろ。

W:まあどっちを選ぶかは自分次第ということか。

R:そうですね。私は利便性を選びましたが。あと部屋が広いのも掃除が大変になるだけですし。一人なら正直居間と寝室と水回りとキッチンだけで済みますし。

M:俺はPC結構デカイの置いてるから部屋が広いのに越したことはないかな出来れば今の他に二部屋欲しいかな…別に掃除はそんなに苦じゃないし。買い物は社員パスがあるおかげでいつでも市中心部に行けるからなんとかなる…あとこれからこの辺りも人口が相当増えるだろうから利便性上がるでしょ。

W:俺は…特にこだわりはないや…過ごしやすい部屋ならなんでも…あ、でも隣のハナのゲームの音とか奇声とかが聞こえてこない程度の防音は欲しいかも…

M:俺そんなに奇声発してる?

W:ああ。なんか負けると?なのかな…あーとか、うわー…とか…

M:あーそれはFPSゲーやってるからだと思う。

W:あとなんかずっとブツブツ言ってるような気がする。

M:そこまで聞こえるのか…あれは一緒のチームでプレイしてる人とじっk…通話してるだけ

W:今なんて?

M:いや、一緒のチームでプレイしている人と通話してるだけだって。

R:(花守さん完全に実況っていいかけましたよね…あの人◯ーチューバーだったんですか…)

W:FPSゲーね…時々暇つぶしに動画見てるけど、この人面白くてさー、声がハナに似てるんだけどゲームのセンスがあって、でも時々ネタシーンも作ってて、何よりトークが上手くてさ…

M:ふーん…なんてアカウント?それ。(嫌な予感がする)

W:これ。フラワーディフェンダーってやつ。

M:………それ…リアルで知ってる人だわ…。

W:えー、会わせてー、会ってみたいー

M:…え、絶対無理。

W:えー、なんで?

M:え、あ、あの人リアルだとスーパー引きこもりだから…

W:う、うん。察した。

R:(花守さんすごい勢いでごまかしてますね…)

W:ところでそんな人といつ出会ったの?

M:え?大学時代になんか地元の電気屋主催の大会でたまたま同じチームになってそん時意気投合したんだけど…

W:そんな大会あったの?

M:ああ、うん…そだよ。

R:(花守さん仏像みたいな顔してます…)

W:まあいいや。んでいつ引っ越しするの?

M:(やっと地獄が終わった…)んー、今週末かな…今日金曜だから、帰ったら荷物まとめて、知り合いの軽トラに乗っけて運んでもらおうと思ってる。

W:お前いつの間に知り合い作ったし(汗)

M:え?2ヶ月くらい前にPCショップでグラボ買った時に店長と意気投合しちゃってあとはまあ…

W:お前ほんとコミュニケーション能力高いよね…

M:そう?大学までほぼお前としかつるんでなかったけど…

W:でも会社じゃフッツーにみんなと喋ってんじゃん。

M:んーでもそれだいぶ無理してるよ?特に上司とか他の部の人と喋るときは本部の人ならほぼ普通に喋れるけど…やっぱ他はね…一応鉄道に直接関わる各部の統括が本部じゃん。話しかけても身構えられちゃうし時には本部の出来る人だからって馴々しく話しかけんじゃねえみたいな目で見られるし。

R:わかりますそれ。私なんか去年入社していきなりこうですから余計にそういう反応がキツくて…危うく精神病になりかけましたから…

W:え、そこまで悩んでたの?

R:ええ。でも幸い本部の雰囲気は良かったですし自分でそこは割り切って考えるようになりましたから。

W:強いなあこの人も…

R:あ、そういえば、空港線作るって話、さらに続きがあったらしいんですよ。どうやら白崎から30km北の横蔵市に延伸する計画があるって聞いたですが…

M:(やっと話題がそれた…)

W:ふーん…採算取れんのかねそれ。

R:それが舞倉空港今パンク寸前らしいんです。それで国内線用の空港を平原がある横蔵市に作ろうって話に

M:ちょっと待った。今の舞倉空港って、平均4分に1便の間隔だよね?だったらまだ余裕があるんじゃ…

R:それは旅客便の平均ですよね?私が言っているのは貨物便も含めた容量の問題です。それも含めるとパンク寸前らしいので…

M:なるほど…ん?貨物便?そんなに入ってるの?

R:ええ。比較的広い貨物地区があるので、船から航空便への積み替えでそれなりに便数があるんです。大体毎時2〜4便程度ですが。ただ、まだまだ余裕があるので、白崎港まで鉄道が通れば、さらに便数が増え、うちも貨物輸送で潤うかと。

M:へー…

R:まあ、向こう5年くらいは今のままで耐えるしかありませんが。

M:あー、横蔵に空港作るの時間かかるもんね…

R:そうです。

W:ところで、白崎まで伸びるのっていつだっけ?

M:線路が繋がるのが8月で営業開始が10月くらい。

W:それまでは採算ギリギリで耐えるしかないと。

M:そゆこと。


無事に花守たちの引っ越しが終わった後の4月7日、難工事が予想される舞倉中央〜舞倉空港の建設が始まった。こちらは環状線と違い、全線立体交差である。基本的に道路の真上を通していくので、工期も長くなると予想され、先に着工した。続いて百ヶ丘〜白崎市の区間も着工した。また、百ヶ丘〜舞倉中央の区間は、環状線の支線扱いから、空港線の一部とするように書類の変更が行われた。空港線は舞倉空港〜百ヶ丘、舞倉高速鉄道建設倉崎線(仮称)が百ヶ丘〜白崎市となった。また、白崎市〜白崎港北貨物駅までと、西白崎〜白崎港南貨物駅〜白崎中央埠頭貨物駅までは白崎臨海鉄道が建設することとなった。これにより、開業後は白崎〜舞倉で高速貨物列車の運転が可能に出来る体制が作られた。

翌月の5月23日、花守たちに予期せぬ知らせが届いた。


M:はい?新車は130km/h対応だけを作るですって?

O:ああ。社長に、わざわざ分けるメリットがない。車両は統一して、一定数製造したほうが安上がりだ、そもそも分けると空港線運用内での共通運用が組めないから論外って言われて、結局130km/h対応の車両だけを作ることになった。

M:仕様等は…

O:それは130km/h対応の車両の初期案でいいって言われた。

M:はあ…分かりました。

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