48話 コバンとジョージのダンジョン特訓(地獄篇)入り口
短編ランクインしてたwww本編に流れてきてくれるといいなあ……スローペースですが更新ですw遅くなってすみませんwww
アメリカから遊びに来たジョージフェニックスがにこやかに俺に話しかけた。
「アキヲ!ミュータントに変身するとかぶっ飛んだスキルじゃん?!面白そうなんで飛んできたよ!!!!」
ニホンゴうまいな!?コイツ!!!!ミュータントって…怪人って概念無いんやったっけ?アメリカには!?
「マジか?!?!」
魔獣化能力を持つアメリカ軍のヒーローはこともなげにそんなコトを言うがコチラはただの一般人やぞ!?
たまたま似たようなスキルが発現しただけで、ジョージと俺に共通点は無いはずだ…。
そう思ってたら、このアメリカ野郎。
「アキヲ!!一緒にダンジョン行こうぜ!!」
「うそやん?!」
カイちゃんを見ると………。うんうん頷いとる。
あ、行って来いと?
なんの危険もないもんな?片や世界最強で片や久宝寺ダンジョン最強レベル(自称)やもんな…
しゃーない!!いつも通りの10層マラソンやるか!!
初めにジョージに説明する。
「今からやるんは、俺が普段やってる久宝寺ダンジョンのやり方やねん。せやからジョージは、ねこねこ忍軍と一緒に下りてきて。俺は10層から上がってくから、5層で合流な?」
「オッケー!猫さんと一緒に下りながら間に居るやつを叩き潰してきゃいいんだね?」
さすが世界最強…こわぁ。
「ん、そんな感じ。索敵とアイテム回収はねこねこ忍軍に任せといたらエエから全力で下りてきて!」
「オッケー!5層よりも下でアキヲに会えるように頑張るよ!」
バチコーンとウインクかまされた…。
いや、ときめかんて!?ええ年したおっさんやぞ!?
こちとら!?
と、二手に分かれて俺はコバンとシロガネと牙王を連れて、10層へ。
軍団系はすべてジョージのところへ預けて下りた。事故が起こる確率はほぼゼロだが、何が起きるか分からんのがダンジョンだ。万全を期す。
下りて来たのは10層ボス部屋前…一応、ゴブリン軍団がこちらの味方やけど、なんかあるやろか?
と、ボス部屋のドアを開けるといつも通りゴブリンキングが待っていた。
「サダハルとは違うんやろな〜。」
っとボス部屋へ突入。戦闘開始。
今回は武器担当がシロガネ、防御担当がコバンと牙王。負ける要素は何一つ無い。
全力で行かせてもらう!!!!!!!
刀に変化するシロガネ、当然のようにいつものスライム樹脂ブーストは使える。牙王は取り巻きのゴブリン軍団をやすやすとブチのめしていく。こっちに飛んでくる魔法はすべてコバンのイージス艦レベルのカウンターで防ぎつつ、その発射元をおとす!10層シークレットボス、ゴブリン王国を秒殺して上へと向かう。
世界一の男が、5層以降で合流するって言ったんだ。負けてられるか!こちとら久宝寺ダンジョンのプロやぞ!?
全力殲滅してアイツより速く5層へ行く!!!!
と………。
いきごんだものの実力差は埋め難くて…
ジョージとは7層で合流した。
バジリスクを爪で真っ二つにするジョージ(ビーストモード)と覚悟ガンギマリのねこねこ忍軍とゴブリン王国のメンツ。さすが世界一。あきれるほど強い。しかも魔獣化してて超怖い。
そして軍団員………。何があった!?!?!?
死んだような眼で、
「殺すにゃ〜ぶち殺すにゃ〜………」って言ってるねこさん達や血走った眼でゴブゴブ言ってるゴブリン王国民。
違う!思ってたんと違う!
思ってた以上に怖い!!!!軍人と一般人の差!?
確かにあるかもしれん………。容赦の無さはそりゃ軍人さんにあるだろうな…。
「ジョージ!さすが世界一やな!?めっちゃ速いやん?」
ジョージはビーストモードから元に戻りながら、一つ息を吐く。
「アキヲ?ちょうどよかったよー……お腹すいた………」
何なん?こいつ?つーか、変身といたらやっぱりそうなんや!?
「エエけど、コバン!なんかあげて!」
コバンが空間収納から高カロリーコバンエナジーゼリーを取り出し、ジョージに手渡す。
「thanks!コバン!」
と、ゼリーをチューチューするジョージ。そういうところ小動物みたいなのあざといなコイツ。
「アキヲ!!このダンジョンめっちゃ楽しいね!!」
「さよか?俺はココしか知らんけどアメリカはどうなんや?」
「俺が3つめにステイツで入ったダンジョンはマジで地獄だったよー。できたばかりで情報何もなしだから、軍で突入するしか無くてさ!最初にエンカウントしたモンスターに、メンバーがバタバタふっ飛ばされてさ。俺がビーストになってようやく何とかなったんだよね〜。」
「魔獣化、破格すぎるやろ!?なんそれ!?」
「その時のモンスターの姿と能力をコピーしたのが今のビーストモードなんだ。」
「いや、よぉ生き残ったなお前?!」
「複合的にモンスターの能力を使えるんだけどさ、あの姿ってエレガントさに欠けるじゃん!?アキヲみたいなスタイリッシュな変身に落ち着きたいんだよね〜。」
「俺かってなりたくてなったわけやないからなぁ………ヒーロースーツみたいなもんはコバンが作れるけど変身に関してはそれなりに身体と心に馴染んでからでないとスキルにならんみたいやからなぁ。」
「じゃあ変身できるようになるまで日本に居るかー……?日本のフォロワーにデザインしてもらったヒーロースーツのイラストがあるんだ!コレを作ってもらってイイかな?!」
腰のマジックバッグらしき小袋からタブレットが出てくる
そこに映し出される設定画像集。
「コバン?イケる?」
ふるふるとお返事が返ってきたので、オッケーとジョージに伝える。
コバン工房スイッチオン。今回の買い取りが終わる頃には出来上がってるだろうな〜。コバン工房なら当たり前。
さて、周回も終わったし5層ポータルから帰還するか〜
間にリスポーンしたモンスターをジョージと二人でテキトーにはじきながら上を目指して進む。ビーストになってなくてもジョージはムチャクチャ強かった。軍隊格闘技って奴か?接近戦と関節技でモンスターを折り畳むように斃していく………こわぁ…なんなんあいつ!?!?
あー、ねこさんもゴブリン軍団も、コレをご教示いただいたのね?エグい…あっという間に5層ポータルから入り口へと戻り、買取所へ。
「おかえりなさい〜!!」と、カイちゃん。
「ただいま〜!上行ってるわ〜。」と、俺。
いつものように2階の応接室へ。今回の成果物を、魔石と肉を除いて積み上げる。
もちろんキチンと種類ごとに分けて。コバンかしこい。
「お待たせしましたー!」と、元気よくカイちゃんが入ってきた。相変わらずノックは無用のようだ。
もう、気にしないけど。
「お疲れ様です!お二人とも!久宝寺ダンジョンは如何でしたか?Mr.フェニックス?」
「ジョージで良いよ?Missトリコ!とても楽しいダンジョンだったよ!テーマパークみたいだった!」
「お楽しみいただけたようで何よりです!日本にはしばらくご滞在ですか?」
「うん、アキヲにヒーロースーツ作ってもらって馴染むまでは、日本でバカンスするよ!Missトリコにもお世話になるからよろしくねー!」
「え?変身スキルを獲得するまで?米軍、大丈夫なの?」
「ノープロブレム!ダンジョン攻略部隊はそんなにヤワじゃないよ。俺一人ぐらい、いなくてもちゃんと回るさ!それがステイツだからね!!」
バチコーン!と、ウインクするジョージ。
多分、胃を痛めたり、ハゲそうになるやつは居るんだろうな〜と、マイペースな世界一の男のワガママを眺めつつアメリカ軍の偉いさん達の心労に思いをはせた…。
そして、ジョージが滞在中に一つ、頼み事をしようと、思っていた。
さて…どうなりますことやら…アメリカ軍の偉い人たち(そっちかい)www




