潤、佐伯に報告→母がカラスガレイを食べる
広瀬潤(39)は、昨日の「軽いやけどで料理放棄事件」をどうしても佐伯に報告したくて、昼休みに駆け寄った。
◇佐伯への報告
「佐伯……聞いてくれ……僕、昨日……カラスガレイの煮つけ作ってたんだけど……蒸気で指を“ちょっと”やけどして……」
佐伯はすでに嫌な予感がしていた。
「……で?」
潤は深刻な顔で言った。
「その瞬間……全ての気力がゼロになったんだ……」
「軽いやけどで?」
潤は頷いた。
「うん……火を止めて……鍋を放置して……そのまま布団にダイブして……朝になってた」
佐伯は机を叩いた。
「潤!!料理中断の理由が弱すぎる!!蒸気ちょっと触れただけだろ!!」
潤は静かに言った。
「僕の中では大事件だったんだよ……」
佐伯は遠い目をした。
「……もういい……帰って鍋片付けろ……」
◇帰宅後、衝撃の事実
その日の夜。潤は意気揚々と帰宅した。
「よし……昨日のカラスガレイ……今日こそ完成させて食べるぞ……!」
キッチンへ向かう。
鍋がない。
潤は固まった。
「……あれ?」
そこへ母が登場した。
「あ、潤。昨日のカレイね、レンジでチンして食べちゃったよ」
潤は叫んだ。
「ええっ!?」
母は平然としていた。
「だって鍋に入れっぱなしだったし。ちょっと味薄かったけど、普通においしかったよ」
潤は膝から崩れ落ちた。
「僕の……カラスガレイ……煮つけ未遂のまま……食べられた……」
母は続けた。
「煮つけってレンジでもいけるのね。新発見だわ」
潤は頭を抱えた。
「僕が昨日、気力ゼロで放置したカレイの煮つけ……レンジで完成してたなんて……」
◇最後のひと言
潤は静かに呟いた。
「佐伯……僕のカラスガレイ……レンジで完成して母に食べられてたよ……」




