村と襲撃1
今回若干短めです。
初めてゴブリンを見た俺とマリーちゃんとカーナちゃん。
狩るしかないよね?と思ったが、ゴブリンの数は見えるだけで80匹近くいる。小屋の中にも居るかもしれない。
そんだけの数に同時に襲いかかってこられると、二人を無傷で守りながら戦うのは厳しい。
二人にはこのまま隠れていてもらい、俺がバレない様に少しずつ狩ることにした。
手前には広場みたいなものがあり、20匹近く集まっている。流石に同時に20匹を相手にするのは厳しい、といか戦闘中の音でバレる可能性がある少し離れたところに居る2匹くらいを狙うことにした。
多少大回りになるが、森の中を見つからないように動き小屋の近くの2匹の近くで止まる。周りを確認し、一度深呼吸をして、飛びかかった。
飛び蹴りで1匹仕留め、回し蹴りで、もう1匹を仕留め、アイテムボックスに収納する。周りを確認するが特にバレた様な感じはしない。なんとかなりそうだ。
近くの小屋の中や周りに居たゴブリンを仕留めてはアイテムボックスに入れていく。
索敵スキルを使いながら、辺りを探す。少し前の小屋からゴブリンが出てくるのを物陰に隠れて、後ろを向いた瞬間飛びかかって、頭を掴み、首をねじって仕留め、そのままアイテムボックスに収納する。
10分もしないうちに、最初の広場に居たゴブリンとその正面の一番大きな小屋の中以外は倒しきったと思う。一応小屋一つ一つ確認し、索敵スキルも使用して確認たので、間違いはないと思う。倒してる最中レベルが上がったが、相変わらず自分では確認出来ないのでスルーする。昨日の狩りから結構上がってると思う。確認する時が楽しみだ。
広場の近くの大きな小屋の陰に隠れながら広場を確認すると、狩った中に広場のやつが居たのか残り15匹ほどになっていた。小屋の中を確認したかったが、入り口が広場の方面しかないので諦める。中にも居るのは確認出来たのでよしとする。
このくらいなら、俺が頑張ればマリーちゃんとカーナちゃんでもある程度狩れるかな?レベル上げの為に狩ってもらうか。
多少迂回して、二人のところに戻る。
「あ、ジンさん」
「お待たせ。あそこの広場と小屋のやつ以外倒したよ」
「え?確か80匹以上居るって言ってませんでしたっけ?」
「小屋の中にも居たから、100匹以上居たね」
「じゃあジンさんもう倒してきたんですか?10分くらいしか経ってないですよ?」
「まあね、でこれから外の15匹を狩るんだけど二人も狩らないかなと思って。1人2匹ずつくらいなら大丈夫だろうから、反対側から俺が奇襲してる間に倒してみて欲しいんだよね」
「いいんですか?ここまでジンさんが倒したのに・・・」
「構わないよ。少しでも経験は積んでおかないとね」
「ありがとうございます。頑張ります」
「じゃあ反対側に行くよ。俺が声を出したら確実に1匹ずつ倒してね、無理そうなら防御だけでいいから、全力で自分を守ってね、すぐに助けるから」
「分かりました」
「頑張ります」
来た道を通り反対側に向かい、小屋の陰に隠れる。
一度様子を見てから、ゴブリンに向かって一気に駆け出した。
近くの奴に飛び蹴りをして仕留め、すぐ近くのやつを叫びながらアイテムボックスから大剣を取り出して、一閃。
「はあぁぁぁ!」
2匹の首を飛ばし、すぐに近くの3匹に飛びかかる。
「おらぁぁぁ!」
3匹同時に斬り飛ばす。これで6匹。
俺の声が聞こえたのだろう、二人は森の中から一番近くに居たゴブリンに襲いかかっていっていた。
声に反応してきたゴブリンが剣を振ってくるので、流して斬る。
反対側からも来たので、切り返して、剣を弾き、ゴブリンを斬る。
中々俺も剣使えてるんじゃねぇ?
こう、ゴブリンが振ってくる剣を流す。更にもう1匹が槍で突いてくるのも、手首を捻り軌道を変え、後ろから来たゴブリンに当てる。
これはもう一端の剣士と名乗ってもいいんじゃないんでしょうか?
そこ、ステータスのおかげとか言わない。・・・分かってるから。
11匹目を倒した時、2人も2匹目に止めを差していた。
二人を労い、ゴブリンを回収し、二人を下がらせ、一人小屋に入る。
小屋の中は異臭がしている。さっきはあまり感じなかったが、我慢できないほどキツい。
奥の部屋に入って、目を覆いたくなるような光景を見る。ああ・・・この世界のゴブリンはゲームのような唯の雑魚キャラではなく、人に害をなす害虫だってことか。
吐き気を抑えながら周りを見ると、まだ、息のある切り傷だらけの女性が二人鎖に繋がれて倒れていた。
鎖を断ち切り、二人を抱え外に出る。
外に待っていた二人に。
「この二人を頼む、中に亡くなっている人がいるから、回収してくる」
「分かりました」
水が入った土鍋と布を渡し、もう一度小屋に入る。
吐き気を我慢しながら、亡くなった人をアイテムボックスに収納する。
全員を回収し、外に出る。この人達は村に帰ったら、供養しよう。
マリーちゃんとカーナちゃんは助け出した二人の体を拭いてあげていたので、反対を見ながら周りを警戒する。
二人から拭き終わったと言われ、振り向くが、助けた時はそんなに意識しなかったが、布の面積が小さ過ぎる。
お気に入りの黒のジャケットとワイシャツを脱ぎ、二人にかける。
「悪いけどシャツ1枚なのは勘弁してね。後二人を村まで抱えてもらえるかな?魔物は全部俺が倒すから」
「分かりました、お願いします」
「ジンさん、お願いします」
色々歩き回ったから村から離れているように感じるが、直線だと1時間くらいで着くだろう。二人の様子を見ながら行くか。
休憩を挟み1時間を少し過ぎたくらいに森の入り口に着くが、村の周りをゴブリンの群れが押し寄せていた。あのゴブリンの村に居たのより、多いな。リン姉は大丈夫・・・だろうけど、村人がヤバいな。
「二人共良く聞いてくれ、村がゴブリンに襲われてる。二人は隠れながら、気を失っている二人を守って欲しい。出来る?」
「え?それは大丈夫ですけどジンさんは大丈夫なんですか?」
「はい、でもジンさんは?」
「俺は大丈夫だ。二人は自分達を守ることを最優先で、いいね」
「・・・分かりました。無理はしないでください」
「ジンさんお気をつけて」
「二人が目覚めたらこの武器使ってもらって、じゃあ行ってくる」
ゴブリンの村で手に入れた武器を出し、ゴブリンの群れに向かって駆け出した。
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