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クソスキルのせいでハードモードでニューゲームしたref 〜人生はクソゲーの連続だ!〜  作者: 九楽
第六章 孤絶のドワーフ王国編

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第百五十八話

「やっとついた…。はははっ……。なんか、モグラみたいだな」

「たしかにな…。へへへっ…」

 しばらく息を止めていると、先程までいた灯りのついた空間に戻った。緊張の糸が切れた僕はようやく終わったと思いながら笑っていると、憎しみと怒りの入り混じった声が聞こえた。

「ぎっ、ぎさまらぁあああ…!! …なにをしたぁぁあ!!!」

「おっ、お前は!?」

 それはカジノのオーナーだった。ただ、それは僕の知っている顔ではなく、ひび割れて崩れたその奥に醜悪な魔物の顔が覗いていた。

「…なにしたって……地下にいた魔物を相棒と俺で倒したんだ…。これで世界は平和にな……」

「黙れぇええ……! 平和だと…!? そんな…そんな…クソみたいな理由で……。よくもよくもやってくれたなぁあ……!!」

「なんだと!?」

「はぁはぁはぁ…。……そこの小僧…見覚えがあるな…。…確かエリックといたやつだなぁあ!?」

「知らねぇ…。お前みたいなやつ…」

「とぼけるなぁあああ! あと…もう少しだったのに…。…お前ら…三十年…この数字がなにかわかるか? …あぁあ!?」

 魔物は片目を抑えながら少年を指差し、取り乱した様子で僕達を終始睨み続けていた。僕は気付かれないようにゆっくりと剣に手をかけた。

「…なんだっていうんだ?」

「私がこの国の悪魔を呼び覚ます為に費やした時間だぁあ! …わかるか! よくもよくもよくもよくも……よくも台無しにしてくれたな…。……お前らは殺す…。絶対に殺す!」 

「……」

「いや、殺すだけではダメだ…。怒りが収まらない。貴様らには毎日地獄のような生きていて…後悔するような痛みを与えてやる…」

 僕は剣を鞘からいつ抜こうかと、西部劇のガンマンのように相手の一挙手一投足を見守っていた。対照的に隣の少年は頭の上で手を組んだ後に退屈そうな顔をして欠伸をしながら呑気に口を開いていた。

「…相棒…この人なんでさっきから怒ってるの?」

「さぁな…。…ただ…敵って事は確かだ……」

「やっぱりかー…。……そうだと思ったんだよな…。どう見ても雑魚キャラみたいなやつだし…」

 その言葉で完全に敵はブチ切れたようだった。急激に体を膨らませ、身体から生えた緑色の毒々しいトゲをそこら中に発射させた。

「…シィィィネエエエ!!!」

「…なっ! …おらぁぁ!」

 正面の攻撃だけはなんとか防ぎきった。いや、防ぎ切るので精一杯だった。辺りの壁が一瞬で穴だらけになっているところを見ると、一瞬の判断ミスでゲームオーバーだ。

「…バカ…! …挑発するな!!」

「だって……」

 体がウニョウニョと動き、傷ついた部分が回復している。警戒させない様にするためあえてチャージしなかったのが、裏目に出てしまった。だが、逆にこの程度の攻撃しか出来ないと思ってもらえれば儲けものか。

「…なぁなぁ、相棒!」

「…ん?」

「…あいつ、ハリセンボンみたいだな……」

「…っ!」

 …そんなこといったらまたさっきの攻撃が!? ……こない?

 攻撃が来るかと思って警戒していたが、なぜか敵の体が空気の抜けた風船のように萎んでいき人形の体型になっていった。しかし、弱くなったとは少しも思わない。

「久しぶりだこの感覚…。…いつ以来だ? あの塵を逃した以来か…」

「……」

 …塵? …誰のことだ?

「この私が…直接手をくだすところだったよ…。全く…今の一言で完全に我に帰ることができた。少年、ありがとう…」

「えっ、どういたしまして…。…相棒…よくわかんないけど、お礼いわれちゃった!」

「……」

 …こいつ…無敵だな……。

「…下僕よ! ……こいつらを皆殺しにしろぉおおおお!」

 咆哮を上げながら目の前の敵が空間を歪めると、何十体もの大きなゴブリンと黒い狼のようなモンスターがいたるところに現れた。気づけばやつの姿はどこにもなかったが、コレで終わるはずがない。どこかで僕達の様子を伺っているのだろう。

「…こいつはきついな……」

「…まっ、大丈夫だろ?」

「……確かにな…」

「へへへっ…!」

 いつもなら大ピンチだが、まだ余裕がある。なぜならこちらにはこの子がいるからだ。あんな強そうなやつを雑魚キャラ呼ばわりできるってことは、純粋にそう見えているんだ。無邪気な子供のように見えるが、恐ろしい実力も証明されている。この子に力を借りよう。

「まあ、お前がいれば大丈夫か…。…頼んだぞ!」

「なにいってるんだよ、相棒…。俺はMPほとんど使っちまったよ」

「…つまり?」

「…役立たずだ」

 僕はその言葉にサーと血の気が引いた。大ピンチじゃないか!

「よし、逃げよう…」

「うーん…。無理っぽいぞ…。さっきのやつ出口塞いだみたいだ」

 僕は少年を抱きかかえて出口を探したが、確かにどこにもなかった。少年は僕の腕を解いて地面に降りた。

「…なっ、なにいってるんだよ。さっきみたいに土の中を移動すればいいじゃないか?」

「そうじゃなくてさ…。空間ごと隔離されてるんだ。まあ、こいつ等を全員倒せば嫌でもでてくるさ…。相棒なら余裕だよ余裕…!」

「余裕っていっても…」

「じゃ、そういう事で俺は隠れとくよ…! …頑張ってな!」

「おっ、おい!」

 少年は手を振りながらスッと地面に入っていった。取り残された僕はモンスター達の様子を見ると、正気を失った目をして僕に一歩ずつ近づいてきていた。

「……お前達…。…一応聞いとくけど、やめないか?」

 ピタッと止まったかと思うと、一斉に僕をめがけて飛びかかってきた。なんとか全ての攻撃を避けることができたが、壁際に追い込まれてしまった。次は避けれそうにない。

「…っ! だったら…!」

 僕は壁に引っ付いていた小石を拾った後に無茶苦茶なエンチャントを思いっきりかけて、飛び込んできた奴らめがけて投げつけた。

「これでもくらえ!」

「…ギャァァァ!」

 簡易的な閃光弾の割には音や光が凄まじく、爆散した小石が奴らの動きを一時的に止めた。大したダメージは与えれなったが、僕はその隙に風の魔力をチャージして周囲を思いっきり両断するように振り切った。

「……おらっあああ!」

 チャージ量、少なかったか!? HPは…!?

「…残りHPは……。……ゼロ?」

 奴らが再び動き出したので、チャージ量が少ないかと思ったが、僕の羽から風が放たれると、モンスター達は崩れさり、やつの声が聞こえてきた。

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