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クソスキルのせいでハードモードでニューゲームしたref 〜人生はクソゲーの連続だ!〜  作者: 九楽
第六章 孤絶のドワーフ王国編

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第百五十七話

 痛っ…くない…。尻尾がクッションになったのか…。

「まさかこいつに助けられるとはな…。しかし、なんて威力なんだ…。あの魔物、瀕死じゃないか…」

 あれだけ切ってもダメージをくらわすことができなかった魔物のHPは残り一万になっていた。しかも、HPが回復していない。

「…相棒、大丈夫か?」

 少年は手を差し伸べてきたので、その手を取ると子供とは思えないような強い力で引っ張られた。

「ああ…。びっ、びっくりしたよ…」

「狙い通りいい感じにHP減らしたといたからさ。まあ、俺も野暮じゃないし、わかってるよ」

「わかってるって…。…なにが?」

「トドメはさしていいよ。はいっ…! 剣かしてあげる」

「えっ? ちょっ、ちょっと、なんだこれ!? おっ、おもっ! ぐぬぬぬ!」

 神様の装備をつけて重いってどんな剣なんだ!? まずいっ…。剣が落ちそうだ!

 少年はポンッと僕の手元に小さな剣を軽く置いた。本当に軽くポンッと置いたはずだったが、僕は気づけば空中で逆さまになって、変なポーズをとっていた。段々と頭に血がたまっていくのを感じて、すぐさま助けを呼んだ。

「相棒…遊んでるの?」

「こっ、これが遊んでるふうにみえるか!? はっ、早く持ってくれ!」

「仕方ないなー。ほいっと…」

「はあ…はあ…。なんて剣なんだ…」

「…そんなに重いかな?」

「しっ、死ぬかと思った…」

「うーん…。困ったな…。どうしよう。…ん? っていうか、持ってるじゃん。ちょっと貸して…」

「おっ、おい…」

 少年は神様からもらった剣を強引に手に取ると、なにやら呪文を唱え始めた。次第にキラキラと光り輝いていき、剣の柄に妙な光る紋章のようなものが現れた。

「うーん…。…あれ? まっ、いっか…。こんな感じかな…。…はいっ!」

「重っ…くはないな…。でも、なにしたんだ?」

「相棒、剣に数字みえる? まぁ、メーターでもいいんだけど…」

「…数字? …メーター? …ん? なんか、かいてあるな…」

 目を凝らすと柄の近くに丸いメーターらしき中に薄っすらゼロと浮かび上がっていた。この数字が一体なんだっていうんだろうか。

「まぁ、相棒の好みでその辺は変えれるから…。まぁ、それはおいといて…。そのメーターがマックスになるまで風の魔力込めてみて?」

「…こうか?」

 剣に魔力を込めていくと重いというより、なにかこう寒気のするような恐ろしく、そして重苦しいような力を感じた。まるで一瞬でも動かせば自身をも消し飛ばしてしまうかのような切れ味の刃を柔らかい指の上にただただ静かに乗せているような感じだ。

「それをそのまま思いっきり魔物に向けて振ってみて? さっきの感じだと、ちょっと離れてたほうがいいよ」

「大丈夫なのか!? ばっ、爆発するんじゃないんだろうな!?」

「だっ、大丈夫だよ…。たぶん…」

 ほんとに大丈夫なのか…。まあ、離れてれば大丈夫か…。

 僕はメーターがマックスになったことを確認すると、強く輝くその剣を思いっきり魔物に向けて振ってみた。

「…おらっあああ!」

「…なっ!?」

「……なっ、なにもなってないな…」

 …失敗か……?

 すぐに逃げれるように身構えて様子を伺っていた。しかし、いくら時間がたっても、なにも起こらない。ガクッとなって下を向いていたが、ふと横を見ると少年は唖然として尻もちをついていた。

「あっ、相棒…。次からはもっと少なくしとけよ…」

「…えっ?」

「かっ、風の剣でよかった…。俺の剣、使ってたら…とんでもない事になってたぞ…」

「おい…。一体なんの話なんだ?」

「わっ、わかんないのか?」

「…だから、なにが?」

「もう少ししたらわかる…。大きな灯りをつけて前を見てくれ」

「…前?」

 火の魔法を発動して前方を確認すると、あの黒い魔物は一気に風化するように消えていき、それと同時に辺りの尻尾はゆっくりと地面の中に溶けていった。その姿を見て、僕はひとまず安心していたが、スッと顔を撫でるような妙な風を感じて奥の方をみると、光さえも届かない深く広い空間がどこまでも続いているようだった。

「…よかった。倒せたのか……」

「そうだけど…」

「…どうしたんだ?」

「…わかるだろ?」

「魔物は倒せたってことくらいしか…。…っていうか、暗すぎて先まで見えないし…」

「相棒がやったんだよ…」

「…ん?」

「だから、相棒がさっき振った剣で、このどでかい空間ができたんだ!」

「はっ、はあ!? ここ洞窟じゃないのか!?」

「入口は真上だよ…。おっ、恐ろしい力だ…」

 上を見ると確かに人一人入れるかわからないほど、小さな穴がポツンと空いていた。あまりにも現実離れしすぎている力に驚いて尻もちをついたあと、少年の方に這いずりながら近づき問い詰めた。

「なっ、なにしたんだ!? おっ、俺の剣に!」

「なっ、なにもしてない…」

「…そんなわけないだろ!」

「…俺がやったのは剣の強化とチャージ量がわかるようにしただけだ。ホントはやろうと思ったけど元々そういう術式が組まれてたんだ…」

「つまり…もともとこの剣にはそういう事ができたって事か?」

「そうなる…」

「……あっ、あの…駄女神がぁああああ! なんでこんなチャージ機能があるっていわなかったんだ!」

「…だっ、大丈夫?」

「……いっ、いや、待てよ…。そうか、僕が魔法をここまで使えると思わなかったのか…」

「…おーい」

 …後は単純に忘れてたってのが濃厚だな。……そっちのような気がしてきた。

「…大丈夫だ。…まあ、なにはともあれ…。ボスも倒したし、こんなとこから早くでよう…」

「…そうだな!」

 少年が僕の手を握ると、まるで水の中に潜るように体が沈み込んだ。相変わらずなにも見えない暗闇の中を進んでいるが、上がっていく時はまるで顔にスポンジがポコポコと当たるような感じだ。





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