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【長編連載中】クソスキルのせいでハードモードでニューゲームしたref 〜人生はクソゲーの連続だ!〜  作者: 九楽
第六章 孤絶のドワーフ王国編

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第百四十話

「……おきろ…」

「……」

 ドスをきかせた低い声で話しかけると、ピタッと震えが止まった。どうやら聞こえてはいるようだが、反応がない。僕もう一度、更にドスをきかせた声を出した。

「……おきろ…!」

「ひぃ!」

「私を呼んだのはお前だな…」

「まっ、まさか…。ほっ、本当にいるなんて…!」

「…おい、聞いているのか!?」

「…っひぃ!」

 情けない声をだして更にブルブルと震えていた。僕はその姿をみてこいつではない事を複雑な気持ちで少しだけ祈った。

「…いくつか聞きたいことがある。…戦闘用の補助魔法器具を作れるのか?」

「…え? まっ、まあ、作れるけど…。それがどうしたっていうんだ?」

 ということは…本人か…。

「…それはすぐに作れるのか?」

「まっ、まあ、家にあるやつを使えばすぐに作れるけど…」

 …なるほど…こいつをここからだす必要があるな…。

「わかった…。ならばお前をここからだしてやろう…」

「ほっ、ほんとか!?」

「ああ…。契約成立だ…」

「ちょっ、ちょっと待ってくれ! 俺はなにを払うんだ? いっ、命とかなら断るぞ…」

 ドワーフは毛布に包まったまま立ち上がり、慌てた様子でキョロキョロと僕を探していた。

「…いや、少し協力してほしい事があるだけだ」

「協力してほしいこと?」

「ああ…。お前に作ってほしいものがある。…どうする?」

「それくらいなら…。わっ、わかった…。契約する…。…あんたの名前は?」

「…俺?」

「ああ…」

 なににしよう…。まあ、逆でいいか…。

「我が名は…ルア…。…お前の名前は?」

「おっ、俺は、エリックだ…。よろしく頼む…」

「ああ…。…それでいくら負けたんだ?」

「一億だ…」

「すまない…。聞き方が悪かったな…。今回はいくら負けたんだ?」

「……だから一億だ」

「バッ、バカなのか!?」




 僕はその金額に驚いて、つい素の声がでてしまった。だが、逆にいえばすごいのかもしれない。このドワーフには一億貸しても元が取れる。つまり…こいつは本物なんだ。

「むっ、無理なのか!?」

「まっ、まあ…善処する。待っててくれ…」

「たっ、頼んだぞ…」

 さて、どうするかな…。

 僕は部屋をでようとすると足になにかが当たり転がっていった。拾ってみると銀色のコインだった。

「…ん? …なんだこれ?」

「ああ…。多分…俺のだな…。まあ…今更ワンコインあってもなにもできないけどな…。まさか…一日で一万枚もなくなるとは……」

「カジノのコインってことか?」

「そうだけど…。なあ、あんた…さっきから、声変わってないか?」

「ごっ、ごほん! かっ、変わってなどない…。そんなことをいうなら帰るぞ…」

 僕は咳払いして精一杯の低声ボイスで怖がらせた。

「すいません…。冗談です…」

「わかればいい。じゃあ、いってくる…」

 地下室からでていき、一階の端にあるトイレで透明化を解除した。問題はここからだが、まずはそこらへんをブラブラと歩いてみることした。とりあえずはカードゲームをやっていた場所に戻り、しばらく辺りを眺めていた。



「うーん…」

 ルールがわかりづらい。ポーカーに近いルールだったが、こういうゲームはルールを完全に理解していなければカモにされる。他にもいろいろカードゲームはありそうだが、どちらにしても退散だ。僕はポーカーフェイスはできない。あまり僕向きの勝負ではないだろう。

「次だな…」



 今度はルーレットの周りを歩いてみた。くるくると玉が回っている。この一投に全てをかけているやつもいるのだろう。

「うーん…」

 僕は目をぐるぐるとさせて玉の行方を見ていたが、掛け金が少なすぎてなにもできない。なにより、このトリプルゼロはどう見てもボッタクリだ。

「次は…スロットか…」



 最後にスロットコーナーをみてみることにした。こっちのルールは簡単だ。コインを回して、レバーを押すだけ…。ルールは簡単だが、勝てる感じはないな。どれもこれも勝てるようには作られてはいない。負けるようにうまく作られているシステムだ。

「はぁー…。歩き疲れたし、ちょっと座るか…」

 僕は目の前のスロットの席に座った後、試しに銀色のコインを入れてみた。すると、左側の画面に一と表示された。

 なるほど…。この柄を揃えればいいのか? これで千倍…。一千万か…。……なんとかしてエンチャントできればいいんだけど…。

「…ん?  …この文字少しカタカナに似てるな…。…なんてよむんだ? …ヴォ…ル…ト?」

 僕がそうつぶやくとあたりの光が一斉に消え停電になった。辺りも混乱して悲鳴を上げてる人もいるようだ。そんな中、ふと前をみると目の前のスロットの画面から、紫色に光る可愛いぷよぷよした球体がでてきてヒョロヒョロと僕の体に吸い込まれていった。

「えっ!? なっ、なんだ!? おっ、おいっ!」

 特になんともない…。でも、なんだったんだ…。…いまの? …あれ? 停電も戻ってる…。 

「…ん? なんかスロット回ってるぞ!?」

 

 レバーも押していないのにスロットがグルグルと周り、よく見るとさっきの柄がボンッと音とともに二つ揃っていった。



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