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エピローグ
ルブテールズの城には、長い回廊がある。
そこには代々の王族の肖像画が静かに並び、その歩みを見守っている。
その一角。
サーシア王の肖像が飾られた隣に、絵画が掛けられている。
静かな背景に映る、二人の青年。
漆黒の髪と、シルバーグレイの瞳を持つ王族の青年と蒼い瞳の青年が寄り添い微笑みあっている。
蒼い瞳の青年の膝には、ふわふわとした青い羽を持つ小鳥がちょこんと座っていた。
温かな光に包まれたその肖像は、
魔力のない一人の青年が、王国を救ったという事実と、魔力だけではない絆の形を、静かに物語っていた。
やがて新たな世代がこの回廊を歩くたびに、その絵に立ち止まり、そっと微笑むだろう。
そして思い出す。
かつて、すべてを覆う水のなかで、それでも差し伸べられた手と、誰かを守ろうとした意志が、国を動かしたということを。
それはこの国が忘れてはならない、大切な物語の結びとして――
いま、そっと語り継がれている。
最後までお読みくださりありがとうございました。




