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第0話『序幕〈プロローグ〉』

 誰かが言った。

世界は脆く崩れ落ちはしないだと。


 誰かが嘲笑わらった。

時とは逆行しないものだと。


 だが、それらすべて。

愚民の蒙昧である。








「あともう少しで完成しますのに……本当に忌々しい帝国ですわねッ!!」

 少女は走っていた。

否、正確には少女ではない。


 齢20。

凝魔症と呼ばれる難病を患い、体内に魔石ができて多大な魔力を溜め込むことの代償に、その体の成長すべてが少女期から打ち捨てられた存在。


 彼女の名はアリス・オブ・ブロッサミア。

かつて極西の塔に閉じ込められていた、先王の末子であり、現王の異母妹である。



「時空逆行魔法……かつて王家の秘術として継承され、失われていたはずの魔法……それをようやく完成させられる日が来ましたのに! 愚王のせいで帝国軍が王都にまで迫る羽目になるとは―――ッ!」

 

 時空逆行。

禁術として研究されることすら戒められていたソレをあっさりと口にしたアリス。


「なんとしてでも逃げて、触媒を守り通しませんと……この国がどうなろうと私にとってはどうでも良いことですけれど、せっかくの遺産を無碍にする気もありませんの!」


 そうしてアリスは布巻きの襤褸剣を強く抱きしめた。 一見、それは錆びてまともに鞘から刃も出せないナマクラのように見える。


「王家の聖剣"ローズセレスト"―――これさえあれば、これを触媒にさえすれば……」


 ―――もっと生きるはずだった母との日々。

宰相による虐殺の阻止。


 きっと、アリスにとっての最悪の悲劇を止めることができる。アリスにとっての運命を変えることができる。そのための時空逆行魔法なのだ。


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