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気配

わたし、病んでる?





宰相が頼んでくれた警護の人?

それとも私を見張っている敵か?


誰も居ないのに気配は感じるとか恐怖に慄く、どうもイグサです。




私の病みに追い打ちをかけてくるのは誰さ!


誰だって得体の知れないものは怖いでしょ?


始めは幽霊かと思っていて怖かったのよ〜。私、そういうのは感じる人だから、ホテルとか旅館とかダメな部屋とかモロに感じちゃう人なんです。


そう大学入って、賃貸の部屋を探している時なんて凄かったよ。

紹介された部屋に不動産屋さんと行って、部屋に入った時からチリチリしてて、アレヤバイ?と思って風呂を見たときに事故物件と直ぐにわかったよね。


だって本当は水入ってないのに、タプタプに水が張ってる真っ赤な浴槽があって、長い髪がコレでもかって浮いているイメージがブワッと見えちゃったの。


流石にびびって不動産屋さんに引っ付いて叫んじゃったもん。

恐らく自殺だね。日当たり良くて駅近コンビニ目の前の良い物件だったのに、流石に無理って不動産屋には除霊した方が良いと助言までしちゃった。


男にふられたか裏切られて死んだ感じで、かなりの怨念感じたからね。あの部屋に住んだら不幸になるの間違いなし!


そんな感じで見えちゃうので、まぼろし〜で終われば良いけど、流石にここは城だよ。

何もないわけが無い。



定番の首の無い騎士とか、幽閉されたお姫様とかの幽霊とか出そうじゃない?

執務室へ行く途中になんか感じる場所があるのだけど、私に対して敵意は感じないのでスルーしている所があるんだよね。

なるべく静かに、視線を送ってもダメ、見ているとわかると関わってくるからね。スルー一択です。



*** ***



私のいる邸も綺麗だけど古くて、外壁には蔦が絡んでて、壁なんて見えない雰囲気ありすぎな建物なのよね。


そこまで作りこまんでもと思うけど、私が来るまで使われていなくて放置されていたそうだから、歴史ある城内の建物の一つと見ればこの雰囲気はしょうがないとは思ってる。


実は、そんな屋敷の内部に絶対使いたく無い感じの暗くて陰気な階段があるんだよね。

それも私の寝室の本棚の脇に。


偶然手をついた壁に何か仕掛けがあってパカンと開いたソレを見つけちゃってからあの視線はより感じてちゃってるのよね。


古くて埃っぽくて鉄臭が充満していている階段なんだけど‥いわくありげな隠し扉で、つい持っていた荒塩を振りまくったよね、悪霊退散!ってね。


私が与えられたこの棟の部屋はそれっぽい怨念的なモノは感じないのだけど、念には念だよね。

兎に角少しでも不安を感じるのが嫌で、その扉を見つけた後は部屋中探したよ。

これ以外にそんなカラクリがないかってね。夜中に壁叩いて棚を動かしているとかいい病みっぷりさ。


そして結論!この屋敷の逃げ道かな?とか侍女達の裏道?綺麗な石造りだしあまり汚れていない(鉄臭は気になるのだけど)所を見ると、現在もそれなりに使われている感じがするの。気のせいじゃ無くて…なんかモヤッとしたドス黒いものがあってマジでキモいのよ。空のアトマイザーに井戸から汲んだ水を入れて塩一ツマミを振り入れ、お天道様に一日晒した水をそのモヤにシュッシュッと吹き掛けた。

こんな子供騙しのものでもやることやらないのでは気分が違うからね。





「ウソっ効いた?」




モヤッとするものが無くなって只の暗い湿っぽい階段になったよ。助かった〜あのジメジメモヤッとがなくなるだけで気分が上がったわ。


で、遮る不明体が雲散して余計に隠し階段が気になった。


間違いない、隠し扉の逃げ道だね。


ここは寝室だから敵襲があったらここから逃げて‥隠れて援軍を待つ感じ?

でも最近使われた形跡から見て、政治的もの(私の監視)だと勝手に判断した。


やはり宰相様の監視かな?実体のある物の気配だと思うのだけど、それはそれで怖くない?


この得体の知れない気配の総称を勝手に

"影"と命名した。


現状私の周辺に危害を加えられてはいないので、とりあえずは警戒しながらも普段の生活をする事にはした。


何もしてこないのは怖い。


目視出来ずに気配だけは感じる、それが人だと考えたら霊より物凄く怖くなった。

夜だけなんだよね気配あるのは。

昼間は侍女のアンナちゃんがいるし護衛のエリオット君がいるので気にならないけど、わからない事は気持ち悪い。


兎に角証拠をとテーブルに本を二冊横にずらして並べて置き、スマホを挟みカメラ部分だけが出るように本を更に積み上げた。画面が明るくなっても見えないよう隠して部屋が映りこむように角度を配置して寝ることにしてみた。



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